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裸の大統領

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 政治風刺が活発な欧米諸国などでは性別を問わず、政治指導者を裸または下着姿に描写してあざけることは珍しくない。昨年6月、ロシアの米大統領選挙介入疑惑が露見した当時、米紙ニューヨーク・タイムズはドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領が裸でディープキスをする漫画のビデオをホームページにアップした。

 2012年のユーロ危機の際、英紙ガーディアンは、下着姿のアンゲラ・メルケル独首相が当時のフランソワ・オランド仏大統領をベッドに縛り付けようとする姿をギリシャ神話に出てくる“プロクルステスの寝台”に比喩して描いたりもした。

 韓国の事情は欧米とは大きく異なるようだ。自由韓国党が文在寅大統領を“裸の王様”に比喩してあざけるアニメを公開して論争が起こっている。韓国党が一昨日、党のユーチューブチャンネル「右の声」で公開した“裸の王様”編で、文大統領は奸臣たちの言葉に騙(だま)されて道理の分別力に欠ける人物として描写された。

 戯画化された文大統領は透明の“安保ジャケット”と“経済ズボン”に“人事ネクタイ”を締めた裸の姿で広場に出てくる。登場人物の発言はもっと刺激的だ。市民たちは文大統領のキャラクターを指さして「頭が狂ったな」「馬鹿者」「絶えない災難、文災難」だとあざける。

 国会で開かれた制作発表会に黄教安代表まで出席して激励し、歓呼した。これに対して青瓦台(大統領府)は「相手を低めて自分を高めようとすることが国の品格を高めることになるのか」と不快感を隠さなかった。与党の共に民主党も「天人共に怒るべき内容」だと怒った。

 2017年には民主党の表蒼園議員が主催した時局風刺展示会に、朴槿恵前大統領を風刺したパロディー画“汚い眠り”が登場して、ひと騒動が起こった。エドゥアール・マネのヌード画に朴前大統領の顔を合成したのだ。

 当時、韓国党は「人格殺人行為」だとして、国会倫理特別委員会に表議員に対する懲戒案を提出した。野党の大統領候補だった文大統領もインターネット交流サイト(SNS)を通じて「非常に恥ずかしく遺憾なこと」だとして、自党の議員を批判した。これは異例なことだった。

 このような政界の反応から見ると、国家元首の裸・下着姿の風刺は韓国社会の暗黙的な合意の水準を超えているようだ。

 (10月30日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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