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    石井 貫太郎
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    丹羽 文生
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    太田 正利
    太田 正利
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    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
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    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    韓国大使、米国にもGSOMIA「外交カード化」宣言

     国力と外交力は反比例する――。これは、以前、さる読者の方から指摘していただいた仮説ですが、噛み締めるほどにその指摘の正しさを痛感せざるを得ません。米国が何度も何度も北朝鮮のごとき弱小国に騙され、煮え湯を飲まされてきたのも、結局は圧倒的な国力差による外交力の差にあるのではないかと思います。こうしたなか、新たな駐米韓国大使として米国に赴任する予定の人物が、日韓GSOMIA破棄を「外交カードにせよ」と要求するそうです。


    米国という理不尽な存在


    ●仮説「国力と外交力は反比例する」

     以前、当ウェブサイトのコメント欄に、いつもシャープなコメントを寄せてくださる「りょうちん」のハンドルネームの読者の方から、こんな趣旨のコメントを頂いたことがあります(大意を変えない範囲で、表現については一部変えています)。


    ・「日本が論理的に正しい内容を米国に対して主張すれば、米国人が日本の立場を理解する」との考えは幻想に過ぎない

    ・米国は非常に強大な国であり、超一流の外交専門家が育つ土壌がない

    ・よって、米国内の自称外交専門家はあくまで米国の論理フレームでしか思考できず、外交の専門家としてはみな二流以下である
    この視点は非常に重要です。


     米国のように強い国だと、最終的には相手をねじ伏せればよいわけですので、「超一流の外交専門家」が育つ土壌はありません。だからこそ、米国はときどき、国際情勢を読み誤り、外交上・軍事上の手痛い失敗をするのだと思います。

     これをもう少し一般化していえば、「国力と外交力は反比例する」、という仮説に結びつきます。正しいかどうかは別として、この仮説を使えば、実際の外交力を説明するうえでは、すっきりと説明が付きます。

     そういえば、外交が上手な国というものは、欧州から海を隔てて孤立している老獪な島国・英国などを除けば、得てして弱小国です(といっても、「弱小国ならば外交が上手だ」、という意味ではありませんが…)。だからこそ、北朝鮮や韓国は外交が(あるいは「外交だけは」)上手なのかもしれません。

     日本国民のなかには、日韓関係で「韓国にコケにされている」と感じる人が多いと思いますが、これも日韓関係に関しては、日本の方が国力が強く、韓国の方が国力が弱いから、少なくとも「外交だけは」日本よりも韓国の方が上手だ、という仮説が成り立つのではないでしょうか。

     このように考えていくと、米国よりも圧倒的に弱く、日本よりも絶望的に貧しい北朝鮮は、それこそ生存を賭けて必死の瀬戸際外交を仕掛けてきますので、お公家さんのように絶望的に外交センスがない日本の外務省の役人さんたちにとっては、最初から外交戦では勝負にならないのかもしれません。

     もっとも、この「外交力と国力は反比例する」という命題が正しければ、外交下手な日本が外交で「勝てる」可能性がある数少ない国のひとつが米国である、ということであり、また、もし中国が国力で日本を大きく凌駕するようになれば、日本は外交力で中国に対抗せねばならない、ということでもありますが…。

    ●日本にとって最重要の米国、そして余分な韓国

     さて、日本にとって米国は、基本的価値と利益を共有する、軍事的にも経済的にも最も重要な相手国です。そして、米国は現在のところ、地球上最強の軍事国家でもあるため、米国との同盟があれば、少なくとも「米国から攻め込まれることはない」というメリットがあります。

     逆に、米国にとっては、1941年からの大東亜戦争で日本との死闘を繰り広げた記憶が残っているでしょうから、もう二度と日本とは戦争をしたくないと思っているのかもしれません。その意味では、日米同盟は「ウィンウィン」の関係だといえるでしょう。

     …というのは冗談として、実際、日米同盟は米国にとってもメリットが多大です。日本は太平洋の北西部に浮かぶ「不沈空母」のようなものであり、米国の世界戦略上、死活的に重要な場所にあるからです(むしろなぜ日本政府がこの立場をもっと米国に対して強気で主張しないのか、逆に不思議でなりません)。

     ただし、この「日米同盟」に余分な付随物があるとすれば、それは韓国でしょう。

     日本と韓国は直接の軍事同盟関係にはありませんが、それと同時に日本と韓国は、それぞれ米国との間で軍事同盟を締結しており、「日米韓3ヵ国連携」は事実上の「3ヵ国軍事同盟」を意識した運営がなされています。

     ただ、韓国が「同盟国」として信頼に値する国かどうかと問われれば、それは非常に微妙です。というのも、以前から前から何度も報告してきたとおり、韓国(や北朝鮮)は、何か困ったこと・実現させたいことがあれば、決まって


    ①あることないこと織り交ぜて相手国を揺さぶる「ウソツキ外交」

    ②国際社会に対してロビー活動をして、ウソを交えつつ「相手国の不当性」を強調する「告げ口外交」

    ③国際協定や国際条約の破棄、ミサイル発射などの不法行為をチラつかせる「瀬戸際外交」


    といった行動に出る、という特徴があるからです。

     北朝鮮が米国に対して①~③の外交を駆使しているという点もさることながら、韓国も日本に対して①~③のような外交を駆使しています。その典型例が、輸出管理適正化措置に対する韓国の対応でしょう(※詳しくは『総論 対韓輸出管理適正化と韓国の異常な反応のまとめ』あたりをご参照ください)。

    ●日米韓連携では米国が日本に我慢を強いる

     これに、先ほど申し上げた「日韓関係では、外交テクニックという面において、韓国が日本に対して優位に立つことが多かった」という点を合わせて考えるならば、韓国の基本戦略のひとつは、日本に何かを主張しようとするときに、米国をダシに使う、ということです。

     そうなると、米国はたいていの場合、韓国に対してではなく、「日本に対して」我慢を強いて来ます(その典型例が、バラク・オバマ政権下で副大統領を務めたジョー・バイデンの強い圧力によって結ばされた、2015年12月の「日韓慰安婦合意」でしょう)。

     韓国が日本に理不尽な主張をしているときに、「日米韓3ヵ国連携」をダシに日本に対して理不尽な我慢を強いる米国の姿勢は、不誠実であるだけでなく、日本の米国に対する不信感を募らせ、ひいては日米同盟にヒビを入れかねない、非常に危険なものでもあります。

     ちなみに以前から当ウェブサイトでは、日本は現状、韓国とお付き合いすることのコストがメリットを上回っているのではないかと申し上げていますが、こうした米国との関係があるために、現時点では日本が独断で韓国との関係を終わらせることはできません。

     いわば、「日米韓3ヵ国連携」が存在する限り、韓国はこの「日米韓3ヵ国連携」を人質に取った「瀬戸際外交」を展開することで、米国を巻き込んで日本に圧力を加える、という行動を繰り返して来ているのでしょう。

    GSOMIA破棄の本当の意味

    ●GSOMIA破棄でフェーズが変わった

     ただ、この「韓国の瀬戸際外交」から「米国が日本に圧力を掛ける」という「黄金パターン」が、決定的に変化したのが、8月22日に韓国政府が決定した、日韓GSOMIAの破棄です。

     日韓GSOMIAとは、正式には『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』のことで、当ウェブサイトでは「日韓包括軍事情報保護協定」と略すこともありますが、要するに日本と韓国が秘密軍事情報を共有するための基本となる協定のひとつです。

     協定名称に「日韓」とありますが、この点だけをみれば、韓国政府が決断した日韓GSOMIAの破棄は、一面では「日韓関係の悪化を象徴するもの」ではありますが、日韓GSOMIAの本質的な性格を考えるならば、この分析だけでは不十分です。

     日本と韓国は、いずれも米国と軍事同盟を結んでおり、米国を頂点とした事実上の「三角同盟」という関係にありますが、それと同時に、日韓両国は軍事同盟関係にありません。このような視点を持つならば、日韓GSOMIAは米国にもメリットをもたらす協定である、という性格が見えて来ます。

     つまり、軍事同盟関係にある日米、米韓と、軍事同盟関係にない日韓を「軍事情報の交換」という点から(不十分ながら)補完し、できるだけきれいな「三角形」として機能させるための法的基盤のひとつである、という言い方ができるのです。

     実は、当ウェブサイトではこうした日韓GSOMIAの性格についてはかなり以前から注目しており、GSOMIA破棄決定が(日本ではなく)むしろ米国を激怒させているという点については、8月24日付の『もう日本は関係ありません、今後は米韓間で直接どうぞ』でも述べたとおりです。

     もちろん、悪化する日韓関係に対し、米国内でもよくわかってない人間が「日韓双方が自省すべきだ」、などと述べている者もいないわけではありません(『日韓GSOMIA破棄問題、米国の「逃げ得」を許すな』参照)。

     また、日本国内にも「韓国による日韓GSOMIA破棄決定は安倍政権の失敗だ」などと決めつける人が、(保守系論客も含めて)いないわけではありません(『「日韓GSOMIA破棄は安倍外交の失敗」という珍説』参照)。

    ●GSOMIAが瀬戸際外交として機能していない!

     さて、このGSOMIA破棄自体、当ウェブサイトではかなり初期の段階から、「これは韓国政府による瀬戸際外交だ」と申し上げてきました。

     ここで「瀬戸際外交」と呼んでいるのには、きちんとした理由があります。具体的には、「韓国政府がGSOMIAの軍事的重要性を理解したうえで、これを破棄するぞと脅せば、日本と米国が慌てて韓国に譲歩してくるに違いない」と読んだ、という意味です。

     要するに、韓国政府としても本気で日韓GSOMIAを破棄しようと思っているわけではなく、日本政府による輸出管理適正化措置(詳しくは『総論 対韓輸出管理適正化と韓国の異常な反応のまとめ』参照)の撤回など、何らかの譲歩を引き出すための材料にしているに過ぎないのでしょう。

     ただ、過去に日韓関係が悪化した局面で、たいていの場合、米国が「どっちもどっち理論」を持ち出して、おもに日本に対して譲歩を迫っていたことを考えるならば、今回の「日韓GSOMIA破棄」については、米国が日韓双方に対し、特段の圧力を掛けていないことは特筆に値します。

     日本を代表する韓国観察者の鈴置高史氏の著書名を借りれば、これは「米韓同盟消滅の伏線だ」ということですが、いずれにせよ「米国の」態度の変化については、今後の日韓関係を予測するうえでとても重要なので、留意しておく必要があるのです。

    ●米国にも「GSOMIA破棄をカードと認めよ」

     さて、以前、『中央日報「GSOMIA破棄で駐米大使の承認が遅延」』で、韓国政府が信任駐米大使として指名した李秀赫(り・しゅうかく)氏に対し、指名から2ヵ月近く経過したにもかかわらず、米国政府からの「アグレマン」(承認)が下りていない、という話題を紹介しました。

     ただし、その後、この人物に対するアグレマンは取得できたようなのですが、昨日の韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)によれば、この日韓GSOMIAに対し「米国も役割を果たせ」と要求したそうです。

    ■韓日GSOMIA終了前に米が役割を 新任の駐米韓国大使(2019.10.17 19:36付 聯合ニュースより)


     聯合ニュースによると、李秀赫氏は17日、記者団に対し、日韓GSOMIA失効と関連し、「韓日の対立が続く局面で米国が建設的な役割を果たすよう求めていく」と述べたのだとか。

    このあたり、なかなか並大抵の神経ではありません。

    米韓離間

     自分で協定を「破棄する」と叫んでおきながら、「破棄して欲しくなければ我々に配慮せよ」、と要求するのは、典型的な瀬戸際外交ですが、それだけではありません。というのも、聯合ニュースによると、この人物は、凄いことを述べているからです。


    「『米国と中国の関係が韓国外交の座標を決める』とし、駐米大使として赴任すれば、米中関係を研究する組織を作る計画があると紹介した。」


     これを駐米大使として赴任しようとする人物が述べるとは、驚きです。

     要するに、「米中二股外交をやりますよ」、と宣言したのと同じだからですが、これで米国がどう反応するかが見物です。

    さらに、昨夜はこんな記事も出て来ました。

    ■対北独自制裁の解除 条件次第で検討可能=韓国統一相(2019.10.17 20:53付 聯合ニュース日本語版より)


     韓国政府は対北独自制裁を「条件次第で」検討可能だ、などと言い出したようですが、こんなことを統一相が堂々と発言するようになるということは、もう「日米韓3ヵ国連携」など有名無実化している、という言い方もできるのではないでしょうか。

    ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

     さて、日韓GSOMIAの破棄に対し、日本がどう対応すべきかについては、あまり論点はありません。

     というのも、日本としては、もし韓国が「無条件に」GSOMIAに復帰すると言えば、GSOMIA破棄の中止に応じてやれば良いだけの話であり、それ以外の場合は韓国の「瀬戸際外交」に正面から付き合う必要はまったくありません。

     ただし、韓国側が「無条件に」GSOMIAに復帰するという可能性は極めて低いといえます。

     なぜならば、韓国政府は理不尽な行動をとることで、国民の反日感情を煽ってきたからであり、自分たちがさんざん煽った反日感情の収拾を付けるためには、少しでも日本側から譲歩を引き出さなければならないからです。

     そして、日本が韓国にまったく譲歩しなければ、結局、韓国としてはGSOMIA破棄を迫られることになり、「外交カード」のひとつをみすみすタダで切っておしまいにしてしまう、ということになってしまうのです。

     韓国の焦りの原因は、この点にあるのでしょう。

     その意味で、日本は絶対に韓国に譲歩してはなりません。日本が韓国に少しでも譲歩してしまえば、韓国はそこに付け込み、次々と譲歩を迫って来ますし、これにはGSOMIA破棄撤回に関してもまったく同じことがいえるでしょう。


    「新宿会計士の政治経済評論」より転載
    https://shinjukuacc.com/20191018-01/

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