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周辺国に味方がいない韓国政府

韓国紙セゲイルボ

南北軍事合意書も紙切れに

 韓国は袋叩(だた)きにあっている。周辺国を見回してもどこにも味方はいない。少し前まではそうではなかったが、友邦といっていた日本も今は違う。外交青書から2015年に「基本的価値と利益を共有する国家」という文言を抜くと、昨年は「最も重要な隣国」、今年は「戦略的利益、未来指向的」の表現まで削った。

金正恩朝鮮労働党委員長

16日午前、新兵器の試射を指導する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信・時事)

 韓国側も同じだ。今年初め、国防白書で日本を指す「自由民主主義の価値を共有した国家」という文言を消した。価値を共有せず利益も共有しない国。それは友邦でない。

 文在寅大統領はさらに一歩踏み込んだ。「南北経済協力で“平和経済”を実現すれば一気に日本に追いつく」。主敵だった北朝鮮は友邦に、友邦だった日本は敵へと席を替えたのか。

 韓米同盟もやはり、壊れた甕(かめ)に変わった。トランプ米大統領は嘲笑する。「アパート3棟を建てて家賃をとるより、韓国から10億㌦取る方が易しい」と。口が軽い彼はそうだとしても、米国の保守陣営はどう考えているか。「韓国を抱えて行かなければならない」という認識を持っているという。

 その彼らも、左派団体員数人が道を遮って、3年目になっても星州サード基地に工事資材運搬車両さえ出入りできない現実をみれば、「今の韓国政府は米国側ではない」と思うだろう。

 世界的な金融危機が襲った2008年。2度目の国家不渡りの危機の中、米国に助けを求めた。300億㌦通貨スワップ協定はその結果だ。韓国はそれにすがって峠を越した。

 しかし、いまの安倍晋三首相の“韓国叩き”は米国がもはや韓国を保護しないと判断をしたためではないか。ならば中国、ロシアなら歓待してくれるか。否だ。中国のサード報復は続いており、ロシア軍用機は独島(竹島)領空を掻き乱す。

 北朝鮮はさらに見苦しい。3回の南北首脳会談で「信頼を積んだ」はずが、文大統領に向かって、「まれに見る厚かましい人物」と罵(ののし)る。政府が氏神のように崇(あが)める南北軍事合意書も、北朝鮮は紙切れだと思っている。韓国を焦土化する新型弾道ミサイルを目覚まし代わりに撃ちまくる。信頼を積んだ結果がこれなのか。

 平和経済。それを成し遂げれば一気に日本より優位に立てると言った。果たしてそうだろうか。断言するが違う。なぜか。北朝鮮は貧しい。経済規模を育てる消費市場となり得ない。蓄積された技術と資本もない。資源が多いというが、そんな北朝鮮はなぜあんなに貧しいのか。唯一有効なのは安い労働力だけだ。そのような相手と手を握って、日本に追いつくだと。とんでもない話だ。大統領はどんな考えでそのような妄想を国民に植えつけるのか。

 「統一費用2100兆ウォン」(英、ユリゾンSLJキャピタル)。それは北朝鮮に注ぎ込まなければならないカネだ。国民のポケットマネーで足らなければ借金までしなければならない。そんな実情を知って語っているのか。袋叩きになってもとんでもない妄想を政策の柱とする政治。国は蒼波に翻弄(ほんろう)され漂流する帆船となった。まるで旧韓末のようである。

(姜浩遠論説委員、8月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

「旧韓末と酷似」と嘆くだけ?

 “文在寅韓国丸”は波涛に翻弄(ほんろう)される小船のように、行き先を見失い、動力さえも失っている。対日関係は国交正常化後最悪となり、頼みの米国ももしかしたら「見放した」のかもしれず、その隙を突いて中国・ロシアは大胆にも瀬踏みをしてくる。文大統領が全てに優先して進める南北関係も、金正恩党委員長から荒々しく袖にされ、3度の首脳会談で積んだはずの「信頼」は跡形もない。

 旧韓末に朝鮮王朝は清、日本、ロシアを利用したつもりが、結果的に振り回されて国を失った。外交の軸も定まらず、王朝の体もなく、大国の野心に抗する力もなく、翻弄され、のみ込まれた。

 「歴史に学ばないものは滅びる」とは自らを省みる言葉だ。いまこそ韓国は歴史に学び、再び国を失うようなことがあってはならない。もちろん、日米中露に韓国を支配しようという野心があろうはずがない。困難を抱え込むようなことを、国際社会の批判受けながら、敢(あ)えてしようという国がどこにあるだろうか。

 ただし1国だけある。北朝鮮だ。いま全てから叩(たた)かれ見放されている韓国を「民族統一」の美名の下に「抱え」ようとする野望を持つのは金正恩氏しかいない。韓国が民主主義という価値を共有しようとするなら、政権にこのような言論の声を届けることだ。

(岩崎 哲)

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