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北朝鮮の核兵器シェアリングに備えよ

■北朝鮮に接近するロシア

 2回目の米朝首脳会談が近づくと、ロシアが北朝鮮に接近している。ロシアは否定しているが、北朝鮮が非核化すればロシアが民間用原発を建設する内容だ。これは意図的に流されたデコイかもしれない。

■核兵器に依存する北朝鮮

 北朝鮮は非核化するのか? パワーバランスの視点から見れば、北朝鮮が核兵器を放棄することはあり得ない。北朝鮮は通常戦力でアメリカに劣るから、核兵器を放棄すれば相手にされる価値を持たない。

国家戦略=外交×軍事

 国家戦略の中身は軍事を背景にした外交だから、軍事力がゼロになれば国家戦略はゼロになる。国家間の戦争は、相手国の軍隊を撃破することで相手国は和平交渉に応じる。だから軍事力が無くなれば、外交すら行えない。そこで通常戦力で劣る国は核兵器に依存することになる。何故なら国家戦略=外交×軍事が基本だから、核兵器を持つだけでアメリカと対等になれるのだ。

北朝鮮=軍事(核兵器)×外交=外交×軍事=アメリカ

 北朝鮮のような国が核兵器獲得に邁進する理由は、通常戦力が不足しても核兵器で補えるからだ。しかも核兵器を保有するだけで、アメリカのような強国と対等になれる。だから北朝鮮は核兵器に依存するのである。

■北朝鮮の核兵器保有に反対する国

 北朝鮮が核保有国になると困るのはアメリカだけではない。中国とロシアも北朝鮮が核保有国になると困る国だ。何故なら中国と北朝鮮が対等な関係になれば、中国は北朝鮮を覇権下に置くことができなくなる。ロシアも同じように北朝鮮と対等になるので、ロシアも北朝鮮の核兵器保有は困るのだ。だから中国とロシアも北朝鮮の非核化を望んでいる。

 中国は伝統的に中華思想を受け継いでおり、中国の隣国は覇権下に入れたい。つまり中国の隣国は、国土防衛に使える緩衝地帯なのである。仮にアメリカ軍が北朝鮮を経由して中国に攻め込んでも、中国は北朝鮮を戦場にすれば自国の防衛が可能になる。しかも北朝鮮軍がアメリカ軍と戦えば、時間稼ぎと損害を与える“捨て駒”にできる。だからこそ中国とロシアは、北朝鮮を覇権下に置きたいのである。

■北朝鮮の非核化と解決策

 北朝鮮としては核兵器放棄を望まない。仮に核兵器を放棄すれば、北朝鮮の外交発言は一気に低下する。北朝鮮が今のようにアメリカと外交ができるのは、核兵器の存在があるからだ。アメリカとしても核兵器なき北朝鮮など相手にしない。中国とロシアにしても、北朝鮮を覇権下に入れておき、アメリカと代理戦争させる方が好ましい。そこで中国とロシアは、北朝鮮にも都合が良い策があるのだ。

 それは中国とロシアが保有する核兵器を、北朝鮮とシェアリングすることだ。北朝鮮が自国で保有する核開発施設・弾道ミサイル部隊を放棄し、代わりに中国の核兵器とシェアリングする。この場合だとアメリカが求める北朝鮮の非核化が実現する。さらに核兵器は中国製であり、中国で核兵器を運用する。中国と北朝鮮が核兵器のシェアリングを行えば、中国は北朝鮮を覇権下に入れることが可能だ。

 中国と北朝鮮が核兵器のシェアリングを行っても、実際に運用するのは中国。だから中国は北朝鮮を覇権下に置けて、北朝鮮は疑似的な核保有国になれる。これはロシアも同じで、北朝鮮と核兵器のシェアリングは好ましい。しかもアメリカが求める非核化は条件を満たすから、北朝鮮としても後の保険になるのである。

■生き残りを模索する北朝鮮

 核兵器のシェアリングは1950年代に実例がある。アメリカはソ連と中国の連携に対応し、当時の西ドイツ軍と核兵器シェアリングを行っている。過去にアメリカが行った核兵器シェアリングを、今度は中国とロシアが使う可能性がある。ならば北朝鮮は、核兵器シェアリングでアメリカに対抗する可能性があるのである。

 北朝鮮が核兵器シェアリングでアメリカの非核化に応えた場合、アメリカは北朝鮮を攻撃することはできない。北朝鮮は自国の核開発施設と弾道ミサイルをアメリカに渡したら、アメリカが求めた非核化の条件を満たす。何故ならアメリカは、北朝鮮に核兵器のシェアリングまで禁止していないからだ。

■シェアリングに備えよ

 北朝鮮が国外の中国かロシアで核兵器シェアリングをするならば、北朝鮮はアメリカに報復攻撃をする可能性を持つ。弾道ミサイルも核弾頭も中国製かロシア製だから、北朝鮮が保有する弾道ミサイルよりも性能が上のはず。ならば北朝鮮の脅威度は高まることを意味する。そうなればアメリカは容易には北朝鮮を攻撃できないのだ。北朝鮮が核兵器シェアリングで対応した場合は、アメリカと北朝鮮は新たな睨み合いが続くことになる。

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