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    渥美 堅持
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    坂東 忠信
    坂東 忠信
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    遠藤 哲也
    遠藤 哲也
    元日朝国交正常化交渉日本政府代表
    服部 則夫
    服部 則夫
    元ベトナム大使
    石井 貫太郎
    石井 貫太郎
    国際政治
    岩崎 哲
    岩崎 哲
    韓国北朝鮮問題
    河添 恵子
    河添 恵子
    ノンフィクション作家
    小泉 太郎
    小泉 太郎
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    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    中澤 孝之
    中澤 孝之
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    太田 正利
    太田 正利
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    ペマ・ギャルポ
    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
    佐藤 唯行
    ユダヤ人問題
    新宿会計士
    新宿会計士
    政治経済評論家
    宋大晟
    宋大晟
    元世宗研究所所長
    上田 勇実
    上田 勇実
    韓国北朝鮮問題
    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    恒例となった北朝鮮漁船漂着

    宮塚 利雄宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄

    “絶対命令”の漁獲量増
    増加の一途たどる違法操業

     北朝鮮の晩秋から初冬にかけての風物詩は、全国各地にある協同農場での「生産分配」の行事であった。秋祭りよろしく各協同農場では1年の収穫を祝い、分配を受け取るために農場ごとに、その年に収穫された作物をうず高く積んだ中で分配が行われ、勤勉な農民には分配金のほかに扇風機やミシンなどが与えられ、喜びに沸く農場ごとの分配風景が「労働新聞」の紙面をにぎわした。

     もっとも、これは今から20年以上も昔のことである。最近、日本海側の北海道から東北、北陸地方の海岸一帯に北朝鮮の小型木造漁船の漂着が相次いでおり、原形をとどめない無残な姿で砂浜や岩場に打ち上げられている姿は、この2~3年来のこれらの地域に見られる風物詩となっている。今年は11月半ばにして既に昨年の漂着数を上回る150隻以上に達し、遺体も見つかっているが、生存者は今のところ確認されていない(一部の識者の中には既に日本国内に上陸しているのではないか、と話しているが、その可能性を全く否定することはできない)。

     なぜ、今年は北朝鮮の漁船の漂着が多いのか。特に北海道への漂着数が増加しているのが目立っている。日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内には好漁場(私は海の生簀(いけす)と説明している)として知られている大和堆があり、この周辺に北朝鮮籍や中国籍の漁船が出没し、違法操業を繰り返している。しかし、今年は日本側の警戒が厳しく、これを避けてこの大和堆よりも北方にあるもう一つの好漁場である武蔵堆での操業に主力を転換したこともあって、北海道への漂着船が増えたようだ(これとは直接関係はないが、11月17日に大和堆周辺で日本の漁船と韓国の漁船が衝突するという事故が起きている)。

     漂着した木造船の残骸を見ていると、操業中に故障して漂流、漂着した船もあるが、中には、今年は日本海側へ抜ける台風が相次いだこともあり、北朝鮮の港に係留されていた漁船がこの台風の影響で流され、潮流に乗って日本の海岸まで漂流してきたものもある。

     これもまた一部の識者の話として、「北朝鮮側が意図的に船を漂流させたのではないかと」いう指摘もあるが、これはあり得ないだろう。むしろ、金正恩政権はシンガポールでの米朝首脳会談以後、それまで核・ミサイル開発に投入していた石油製品類を、民生用に流用し、さらには「瀬取り」などで不法に製油類を蓄えており、漁船の燃料供給事情は好転しているといわれており、日本海側での操業漁船も例年よりも多くなっているという。

     さらに、北朝鮮のテレビでは金正恩委員長が夫人を同伴して、水産加工工場を現地視察しながら、工場で生産された「塩辛」の製品を手に取って喜悦の表情を浮かべている映像が映し出されたり、荒海で操業する漁師のドキュメンタリー映像が放映されたりなど、人民の日本海側でのスルメイカ漁への関心と期待を集めている。

     北朝鮮では自国の船が操業中(または操業前に既にエンジン故障などにより)に漂流し、日本の海岸に漂着して、多大な被害を与えているということは一切報じていない。昨年、北海道の松前沖の無人島で船長などが発電機などを盗んで摘発され、有罪判決を受け強制送還されたことや、病気の漁師を病院で治療し600万円以上の治療費が掛かったことも報じてはいない。

     それどころか、北朝鮮政府の対外写真広報誌ともいえる『画報 朝鮮』の今年11月号には、最新鋭の漁船が建造され、大量の漁獲が期待されているというニュースを載せているが、これは日本の海岸に漂着する木造漁船とは異なり、鋼鉄船で、しかも、日本海側ではなく、黄海側での操業船である。

     相次ぐ漂着船に漂着された自治体にとっては、まさに「招かれざる客」以外の何物でもない。処分費用は国から支給されるというが、無残な残骸をそのまま野ざらしにしておくのも、地域の住民にとっては決して気分のいいものではない。それどころか、筆者の故郷である由利本荘市では昨年11月23日の深夜に突如現れた北朝鮮の漁師8人の事件の恐怖がいまだに消えておらず、「また、いつ来るかもしれない」と警戒している。

     ある識者は「北朝鮮でイカ漁は儲(もう)かる」という指摘に対して、「漁師が大和堆あたりに行ってスルメイカを獲ってきても、燃料費も稼げないのではないか」と言っていた。だが、これは漁師が儲かるからというよりも、金正恩委員長が“魚を獲って食糧問題と食生活の改善をせよ”という絶対命令により、水産会社は荒海に危険を冒してまで漁に出て魚を獲らざるを得ないのが実情だ。金正恩委員長が水産工場を現地指導した時に、水産物が少なかったら「自分の命令を無視したのか」と、責任者は罷免・粛清されるのである。

     最近、IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)で漁獲されたイカの輸入によって、年間で最大469億円の経済損失が発生している、との報告もあるが、北朝鮮漁船の違法操業は増加する一方で、日本海岸への漂着はこれからも続く。

    (みやつか・としお)

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