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韓国崩壊は自業自得だが、日本はそれをあざ笑うべきではない

 昨日は韓国の大法院が2本、日本の三菱重工の敗訴となる判決を下しました。ただ、ポツダム宣言をどこかの国の裁判所が否定しても無効にならないのと同様、韓国の裁判所が日本企業に対して要求している内容は、正直いってむちゃくちゃです。ただ、私たち日本人は、まず日韓関係が破壊されそうになっていることを知り、次に韓国という国が消滅の危機に瀕していることに備え、何より韓国の崩壊事例をあざわらうのではなく、他山の石として活用していく姿勢こそが、何よりも必要だと考えているのです。

「韓国が」日韓関係を破壊する!

●またしても韓国で呆れた判決

 韓国の大法院(※日本の最高裁に相当)が新日鐵住金に対し、自称元徴用工らに損害賠償を命じる判決が出てから、本日でちょうど1ヵ月が経過します。しかも、昨日は三菱重工を相手取った2つの訴訟でも、原告が大法院で勝訴しています。

 この徴用工判決以降、日韓関係の悪化は、もはや誰の目にも明らかになってきたのではないでしょうか?

 そして、冷静に考えてみると、この判決は日韓関係を破壊するだけでなく、韓国という国家が国際秩序そのものに対しても挑戦している、という言い方もできます。

 昨日、『補足論点:韓国の裁判所は万能なのか?荒唐無稽な徴用工判決』で説明しましたが、韓国の裁判所が下した判決は、極端な話、「ポツダム宣言は無効だ」、「対馬は韓国領だ」などと主張しているのと同じようなものだからです。

 ただ、この「徴用工判決」は、韓国政府としてはまだ「司法府がやったことだから仕方ない」、などとという言い訳を、やろうと思えばできなくはありません(といっても、韓国の司法府が国際法を無視した判決を下したのであれば、それを是正する責任が韓国政府と韓国の国会にあることは言うまでもありませんが…)。

●慰安婦合意に旭日旗…

 しかし、今月は日韓関係を根本から破壊しかねない「メガトン級爆弾」が、もう1つ、投下されました。

 それが、「慰安婦財団」の解散です。

 この財団は2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」に基づいて韓国政府が設立したものであり、いわば、慰安婦合意の根幹を構成しています。その財団を韓国政府が解散すると発表したのですから、「韓国政府が自ら日韓関係を破壊しようとしている」、と受け取られてもおかしくはありません。

 この徴用工判決や慰安婦財団解散という2つの動きは、それこそ韓国が「日本との間の条約や合意はひっくり返しても良い」と考えている証拠であり、日本としては「もう韓国とはお付き合いできない」と判断しても仕方がないほどのインパクトを持ちかねないものです。

 日韓関係悪化の契機となる事件は、これだけではありません。

 先月発生した「旭日旗騒動」や、最近判明した韓国のアイドルグループによる原爆を揶揄した言動などを踏まえれば、それこそ韓国が国を挙げて、日本人の感情を逆撫でするという歪んだ情動を持っていると批判されても文句はいえないでしょう。

●小康状態はいつまで続く?

 もっとも、徴用工判決や慰安婦財団解散などの動きは、韓国側からの日韓関係破壊という動きでもありますが、それと同時に、韓国側が本気で日韓関係を破壊するつもりなのか、今ひとつ読み切れないところもあります。

 私自身の見解で恐縮ですが、『辛うじて踏みとどまる日韓関係、小康状態はいつまで続く?』現在の日韓関係は「破綻寸前」ではあるものの、一歩踏みとどまっている状態にあります。

 辛うじて踏みとどまる日韓関係、小康状態はいつまで続く?

というのも、徴用工判決では敗訴した日本企業の資産の差し押さえという動きに踏み出していませんし、慰安婦財団解散に関しては、韓国政府は(表向きは)「慰安婦合意を破棄するつもりも、再交渉を求めるつもりもない」と述べているからです。

 仮に韓国の司法当局が日本企業の資産差し押さえに踏み切ったら、おそらく日本政府はただちに韓国に対する対抗措置に踏み切るでしょうし(例えば国際司法裁判所(ICJ)への提訴など)、韓国政府が慰安婦合意破棄を宣言した場合でも、日本政府には対抗手段がたくさんあります。

 たとえば、『慰安婦財団は今週解散?合意破棄なら日本政府は経済制裁せよ』でも申し上げましたが、日本政府としては国際法に反しない範囲において、国内法だけで、日韓のヒト・モノ・カネの往来に制限を加えることができます。

慰安婦財団は今週解散?合意破棄なら日本政府は経済制裁せよ

 そして、日本政府としては、これらの制裁カードをいつでも切ることができます。ということは、日本政府は「合意を履行しろ」、「国際法を守れ」という正論を主張しながら、経済制裁をチラつかせつつも、韓国側の出方を待っていれば良いのです。

 実際、河野太郎外相、菅義偉(すが・よしひで)官房長官らは、あくまでも口先だけではありますが、さまざまな機会をとらえて、韓国に対して国際法遵守や日韓合意の履行を求めています。これは、理想とは言えないにせよ、悪くない対応だと思います。

 ただし、韓国側が「次のステップ」に出た時には、日本政府としては躊躇なく、韓国への制裁を適用しなければなりません。


そもそも韓国は必要なのか?

●「韓国パッシング」を懸念する中央日報

 ただ、日韓関係が「ギリギリのところで踏みとどまっている」といっても、それはあくまでも政府間の日韓関係対話チャネルが断絶していない、と言っているだけの話です。日本では政府、企業を問わず、少しずつではありますが、韓国と距離を置こうとする姿勢が出てきた気がします。

それを感じた記事が、『中央日報』(日本語版)に掲載された、次の記事です。

【コラム】日朝関係でも懸念される韓国パッシング(2018年11月29日08時21分付 中央日報日本語版より)


 リンク先のコラムを執筆したのは、「イ・ガヨン」と名乗る、国際外交安保チームの記者です(※漢字名称不明)。

 この記者は、今月24日に訪日し、東京であるジャーナリストから次のような指摘を受けたとしています。


「文在寅大統領は昨年7月、ドイツ・ベルリンで『南北の貴重な合意が政権交代のたびごとに揺れたり破られるようなことがあってはいけない』と述べたことがある。北朝鮮との約束は守りながら日本との約束は破ってもいいと考えているなら、あきらかに矛盾した姿勢だ」

 なかなか鋭い指摘です。

 地球上最悪レベルの犯罪国家である北朝鮮との約束を一生懸命守ろうとするくせに、韓国に対して何ら脅威を与えない平和国家・日本との約束については反故にする姿勢は、確かに国際社会から見て理解に苦しむ態度です。

 実際、同記者は東京で、このジャーナリストによる「強制徴用賠償判決と財団解散が重なって『韓国が理解できない』という反応が拡大していて心配」という発言などを受け、「晩秋、東京で思いがけず出会った韓国は寂しいものだった」、「韓日関係の冷え込みはいつも以上に厳しかった」と感想を述べます。

 韓国人記者でさえ、日韓関係の悪化を痛感している、ということです。

●日本に韓国は不要

 この記事を読んで、私が痛感したのは、果たして日本が韓国との関係を維持することで、いったいどのようなメリットがあるのかが見えない、という点です。

 つい先日、『河野外相「駐韓大使帰国なし」報道に見る韓国紙の曲解と本音』でも少し触れたのですが、韓国側では、メディア、政府関係者を問わず、「日本は韓国を必要としている」とする見解が一般的に見られます。

 たとえば、次の中央日報の記事でも、日本政府が韓国に対する強硬措置を発動していない理由を、「北朝鮮政策などで韓国と協議する内容が多いためだ」、「北朝鮮の非核化や日本人拉致問題解決など、韓国との協力が必要」、といった記述が出て来ます。

河野外相「交渉を維持するため駐韓大使の一時帰国は考えていない」 強制徴用賠償判決めぐり(2018年11月26日14時02分付 中央日報日本語版より)


 こうした韓国メディアの自己評価の高さには呆れるばかりですが、逆に言えば、韓国側は「どうせ日本は北朝鮮問題が解決しないうちは韓国に対して大胆な制裁措置を取ることはない」とばかりに、タカを括っていることは、間違いないと考えて良いでしょう。

 ただし、残念ながら、私が知る限り、韓国が北朝鮮の非核化や日本人拉致問題などをめぐって、過去に日本に協力してくれたことがあったとは思えません。

●北朝鮮と直接やり合ううえで韓国は無関係

 そのように考えていくと、日本が「韓国との関係を改善して日本人拉致問題の解決を目指す」、という必然性はありません。

 本気で拉致問題を解決したければ、さっさと憲法改正や国内法整備を終えて、自衛隊(または日本軍)が北朝鮮に武力侵攻し、金正恩(きん・しょうおん)を含めた韓国政府の最高責任者らを捕らえ、巣鴨拘置所に連行して拉致事件の全容を自白させるのが筋です。

 あるいは、そこまでのことが難しいにしても、米軍が北朝鮮に対して何らかの軍事作戦を実行するのであれば、日本としてはそれを全面的にサポートしなければなりませんし、中国・ロシアとの関係改善を通じて、北朝鮮に対する圧力をさらに高めるのも有効でしょう。

 さらに譲れば、北朝鮮を「対等な相手」と認めて交渉する、という考え方もあるかもしれません(私自身はこの考え方にはまったく賛同しませんが…)。

 ただし、ここに挙げた「▼①北朝鮮への武力侵攻、▼②北朝鮮への最大限の圧力、▼③北朝鮮との交渉」という対応には、1つの共通点があります。それは、日本(や米国)が北朝鮮と直接やりあう、という点であり、そこに韓国が介在する余地はない、という点でもあります。

 このように考えていけば、そもそも論として日本が韓国を必要としているのか、という点に関しての考察は重要ではないかと思うのです。

韓国のことをわらうな!

 繰り返しで恐縮ですが、当ウェブサイトは、決して「韓国専門のウェブサイト」ではありません。

 ただ、最近、韓国側から日韓関係を破壊する動きが相次いでいることに加え、韓国の働きが北朝鮮の核開発阻止に何の役にも立たないどころか、韓国がむしろ北朝鮮の核開発を幇助しているのではないか、といった疑念は尽きません。

 このように考えていくと、当ウェブサイトでやたらと韓国のことを取り上げるのには、やはり、それなりの理由があるのです。

 そして、韓国の文在寅政権が、現在、崩壊させようとしているのは、日韓関係ではありません。外交関係でいえば、米国との関係、欧州連合(EU)との関係についても同様に壊れかけていますし、「頼みの綱」(?)であったはずの中国は、韓国のことを徹底的に軽視しています。

 こうした状況を、「韓国の自業自得」とわらうのは簡単です。

 ただ、果たして日本が韓国のことを笑い飛ばせるのか。その点について、私は大いに疑問です。

 もちろん、韓国という国が消滅の危機に瀕していることは事実だと思いますが、それは、韓国という国が、あまりにも歴史や近隣国との関係を軽視し過ぎているためであり、当然の帰結だと思います。

 しかし、日本の立場からすれば、「韓国が消滅する、ざまぁ見ろ!」などと、軽々しく考えるべきではありません。日本は確固たるアイデンティティを持っている、しっかりとした国ではありますが、それと同時に、日本国内から日本の国益を破壊しようとする勢力もいないわけではないからです。

 また、今日の日韓関係の悪化には、日本の方にも責任があります。それは、韓国側が「歴史問題で日本は謝罪せよ!」と強く迫ってきたときに、外交なかれ主義の日本の外務省あたりが中心になって、「謝って済むならば謝っておけ」、とばかりに、無駄な譲歩を繰り返して来たことです。

 その意味で、韓国が崩壊の危機に瀕していることは韓国の自業自得ということで間違いはないにせよ、日本が「韓国ざまぁ見ろ!(笑)」などと嘲笑することは不適切です。

日本には日本で、「日本は悪いことをしていないのだから、本来なら堂々としているべきだったし、そうしなかったことが今日の日韓関係という禍根の要因でもある」という意味では深く反省すべきですし、何より韓国という国がいままさに消滅しそうになっている事実を、「他山の石」として重視すべきなのです。

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 さて、数日前の朝日新聞に掲載された、朝日新聞ソウル支局長・牧野愛博氏による『「日韓首脳、非公式で会談を」 潘基文前国連事務総長』や、昨日のJBプレスに掲載された、ジャーナリストの高濱賛氏の『米国人が見た韓国人:他のアジア人とは大きな差』http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54770など、取り上げたい記事はたくさんあります。

 しかし、私自身が現在、絶望的なほどに時間がないという状況に陥っており、これらの話題について今すぐに取り上げる余裕はなさそうです。

 ただ、私自身の直接の知り合いである在日韓国人から聞いた話を元に、「歴史の積み重ねを軽視する韓国人」というテーマについては、なんとか時間を捻出して小稿にまとめたいと思っています。

 引き続き当ウェブサイトのご愛読とお気軽なコメントを賜りますことを、読者の皆様にはぜひ、お願い申し上げたいと思っているのです。


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20181130-01/

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