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    乾 一宇
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    茅原 郁生
    茅原 郁生
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    濱口 和久
    濱口 和久
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    高永喆
    高永喆
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    新田 容子
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    岡田 真理
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    杉山 蕃
    元統幕議長
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
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    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    吉川 圭一
    吉川 圭一
    グローバル・イッシューズ総合研究所代表

    韓国はアメリカに捨てられる

    ■米朝首脳会談後に

     トランプ大統領は米朝首脳会談後に、在韓米軍撤退の可能性を示唆した。すぐには実現しないとしても、トランプ大統領は演習費用や駐留費が無駄だと考えている。アメリカ国防総省は否定したが、トランプ大統領は軍事戦略を無視しているから在韓米軍撤退を口にする。

     そんな時に北朝鮮と韓国が接近。北朝鮮と韓国は実質的に終戦宣言をしたから、在韓米軍は“平和の敵”になった。これで在韓米軍は撤退の可能性を高めている。

    ■緩衝地帯と橋頭保

     地政学から見た大陸国家は、隣接する国を国防上の緩衝地帯にする傾向がある。隣国を緩衝地帯にすれば、敵国が攻めてきた時に隣国で迎え撃てる。隣国で戦争すれば自国は被害を受けないから、国防として隣国を緩衝地帯にするのだ。

     海洋国家は海から大陸に上陸する。これは戦時に行えば敵前上陸だから損害が大きい。だが平時に大陸に友好国を作れば、その国を橋頭保にできる。海洋国家は大陸の橋頭保を使い、大陸側の国に干渉と関与で挑む。これは大陸に強力な統一国家を作らせないために、海側から常に政治を妨害することが目的だ。

    ■北朝鮮と韓国の立場

     北朝鮮は大陸国家ロシアと中国の緩衝地帯である。中国とロシアとしては、海洋国家が韓国を通って攻めてきた時にこの北朝鮮で迎撃したい。だが直接自国の軍隊が戦えば損害が出る。そこで北朝鮮を代理人として海洋国家と戦争させる方が好ましい。

     北朝鮮軍が海洋国家の軍隊と戦争すると、大陸国家ロシアと中国は背後から北朝鮮を支援すれば良い。北朝鮮が海洋国家の軍隊を長期戦で疲弊させれば都合が良く、可能な限り北朝鮮軍を使いたい。

     韓国は海洋国家アメリカの橋頭保だ。戦時に上陸作戦を行えば損害が出る。だから平時に韓国を橋頭保にすれば上陸作戦をしなくて済む。後は韓国を橋頭保に、大陸の政治に干渉と関与で嫌がらせができる。

     干渉はアメリカからでもできるが、関与はできない。関与は軍隊を派遣して直接介入する。政治の場合は軍隊の関与がある場合に効果を持つ。だが軍隊の関与が無い干渉は相手にされない。だから海洋国家は橋頭保を持つことで干渉と関与の威嚇ができるのである。

     朝鮮半島は大陸国家と海洋国家の板挟みになる世界だ。だから北朝鮮は大陸国家の影響を受け、韓国は海洋国家の影響を受けている。北朝鮮と韓国は板挟みになる宿命を背負っている。

    ■在韓米軍撤退の意味

     在韓米軍撤退はアメリカの国防線が、朝鮮半島から日本列島に移動することを意味する。アメリカの戦場が朝鮮半島から日本列島に移動するのだ。これは日本の国防として危機なのだが、地政学から見れば本来は行わない考えだ。

     アメリカの国防総省は地政学と戦略の基本から、韓国が橋頭保であることは当然のことだ。しかし、トランプ大統領は地政学を知らないようで、在韓米軍撤退を何度も示唆している。トランプ大統領が地政学を知っていれば、在韓米軍撤退など口にするはずがない。

     在韓米軍撤退が実現すれば、韓国は橋頭保から緩衝地帯の扱いになる。これは北朝鮮と韓国が大陸国家ロシア・中国の緩衝地帯に組み込まれることを意味する。

     これは地政学と軍事戦略では海洋国家が不利になる。トランプ大統領はこれを無視しているので、在韓米軍撤退が実現すれば後に禍根を残すだろう。

     韓国が橋頭保から緩衝地帯になることは、アメリカが韓国を捨てることを意味する。トランプ大統領は不動産の視点から見たとすれば、韓国は不動産としての価値は無い。だから在韓米軍を撤退させて節約すべきだと考えたのだろう。

    ■日本の立場

     在韓米軍撤退が実現すれば日本列島はアメリカの戦場となりうる。日本としては迷惑だが、トランプ大統領は日本を冷遇することはしないだろう。日本を戦場にするよりも、日本を軍事的に強化するからだ。

     常備軍は総人口の1%が限界。少子高齢化の要素を加えると、自衛隊の総兵力は約80万人だ。軍縮レベルならば50万人だから、今の自衛隊総兵力23万人は軍縮レベル以下なのである。

     今の自衛隊総兵力では在韓米軍撤退の事態には対応できないから、トランプ大統領は日本に干渉して自衛隊総兵力を増員することを要求するはず。自衛隊総兵力が50万人になれば武器が必要となる。トランプ大統領は日本にアメリカ製兵器を買わせ、日本の国防力を底上げさせると思われる。

    ■捨てられる韓国と優遇される日本

     在韓米軍撤退が実現すれば、韓国は捨てられ、日本は厚遇される。日本はアメリカの戦場だが、不動産としても価値は高い。日本を拠点にアジアのパワーバランスを維持する働きを望むからだ。

     これまでの日本はアメリカの覇権下に置かれていた。だから日本の軍事力は最小限に抑えられていた。だがトランプ大統領は、日本を覇権の圏内から出そうとしている。トランプ大統領は日本をアメリカ軍の“下請け”にするだろうが、同時に日本とアメリカが対等になれるのだ。

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