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金正恩氏、米朝仲介に期待

平壌で11年ぶり南北首脳会談

文大統領は難しい舵取りに

18日午後、首脳会談に臨むため平壌の朝鮮労働党中央委員会本部庁舎で握手を交わす両首脳

18日午後、首脳会談に臨むため平壌の朝鮮労働党中央委員会本部庁舎で握手を交わす両首脳(平壌写真共同取材団)

 韓国の文在寅大統領は18日、空軍機で北朝鮮入りし、平壌の朝鮮労働党中央委員会本部庁舎で北朝鮮の金正恩党委員長と首脳会談を行った。会談は19日も行われ、終了後に共同記者会見が行われる見通し。6月の米朝首脳会談後、進展のない北朝鮮の非核化をめぐり文大統領が金委員長からどこまで前向きな約束を取り付けられるかが最大の焦点。ただ、再び南北融和ムードを演出することで膠着状態にある米朝対話を再開させようという北朝鮮の思惑が影を落としており、会談は北ペースで進むとの見方もある。

 韓国大統領が訪朝し北朝鮮の最高指導者と会談するのは2007年10月の盧武鉉大統領以来ほぼ11年ぶり。文大統領自身としては南北軍事境界線上にある板門店で行った今年4月、5月の会談に続き3度目だ。

 会談には韓国側から鄭義溶大統領府国家安保室長と徐勲国家情報院長が、また北朝鮮側からは金正恩氏の妹、金与正党第1副部長、金英哲党副委員長兼統一戦線部長がそれぞれ同席し、2時間にわたり行われた。

 現地同行の韓国取材陣によると、文大統領は会談冒頭、「8000万民族に旧盆のプレゼントとして実りある会談になり、全世界の人たちにも平和と繁栄の結実を見せられたいい」と語った。

 一方、金委員長は「文大統領が歴史的な朝米の対話・会談のきっかけを作ってくれた」と述べて謝意を表明。「これにより周辺地域の情勢が安定し、さらに進展した結果が予想される」とし、韓国が今後も仲介役を果たすことに期待をにじませた。

 北朝鮮が今回の会談で、米国が求める核弾頭や核関連施設などのリスト公開、非核化工程表の作成など非核化の具体的行動について踏み込んだ言及をするかは不透明。代わりに休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の年内の終戦宣言を先行させるよう執拗に主張しており、文大統領は双方の妥協点を見出す難しい舵取りを迫られる。

 韓国はサムスン電子の李在鎔副会長をはじめ主要財閥トップら財界人が随行し、別途に北朝鮮の李竜男副首相と会談した。北朝鮮側に大規模経済支援の用意があることをアピールする狙いがあるとみられるが、国連や米国による北朝鮮への経済制裁が続く中、韓国保守派からは「経済協力の発表は対北制裁に全面対決するというシグナルを送ることになり、韓国経済を支える輸出企業への制裁につながりかねない」(正しい未来党報道官)と憂慮する声が上がっている。
(ソウル・上田勇実)

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