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北経済発展へヒント探し?金正恩氏 観光「シンガポールに学ぶ」

 米朝首脳会談のため10日から12日までシンガポールを訪問した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は滞在期間中、夜間に市内の植物園やリゾートホテルなどを観光したが、単に夜景を楽しんだというより目覚ましい経済発展を遂げたシンガポールをベンチマーキングする事実上の経済視察だったとみられている。

シンガポールのマーライオン公園にて、水を吹き出すマーライオン

シンガポールのマーライオン公園にて
水を吹き出すマーライオン

 11日夜、金正恩氏が向かった高級リゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」。有名な観光スポットでライオンの頭と魚の体を合体させた想像の生き物を模った「マーライオン」とは大きな池を挟んで向かい側にそびえ立つ。

 会談翌日の13日、同ホテルの名物である56、57階の展望台に上った。1980年代から90年代に建設された、高さ300メートル近いシンガポールの最高層ビル群や大手金融機関のビル、高級マンションが林立するビジネス街、海上に浮かぶ無数のコンテナ船と巨大コンテナ・ターミナル、植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」などが目に飛び込んできた。この景色を見た金正恩氏は何を考えただろうか。

高級リゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」の屋上展望台から見えるシンガポール中心街。高層ビル群が林立している

高級リゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」の屋上展望台から見えるシンガポール中心街。
高層ビル群が林立している


 赤道に近く、東京23区とほぼ同じ面積にしか満たない小さな国が、金融や中継貿易、観光などで高度化された都市国家を実現した。一人当たりの国民総所得(GNI、世界銀行2016年資料基準)は5万ドルを超え世界第9位。4万ドルに満たない日本の22位を上回り、熱帯地域としては珍しい高い経済力を誇る。金正恩氏は視察で世界最貧国に甘んじる母国を経済発展させるため、何かしらのヒントを得ようとしたのかもしれない。

 金正恩氏の視察には経済通の党幹部たちも同行。北朝鮮国営メディアは金正恩氏が「多くの分野でシンガポールの立派な知識と経験を学ぼうと思うと述べた」と報じた。
(シンガポール・上田勇実)

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