■連載一覧
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  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
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  • 緊張 南シナ海
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  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
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  • 米朝首脳会談の焦点
  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
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  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • ’17首都決戦
  • 施行から70年 憲法改正を問う
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  • 新閣僚に聞く
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  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
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  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • どう見る北の脅威
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    遠藤 哲也
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    服部 則夫
    服部 則夫
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    石井 貫太郎
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    新宿会計士
    政治経済評論家
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    南北首脳会談による雪解けの後に残るもの

    南北首脳会談-板門店 (4/27=韓国共同写真記者団)

    南北首脳会談-板門店 (4/27=韓国共同写真記者団)

     南北首脳会談が実施されたことで融和ムードが朝鮮半島に漂っています。そして、米国側がは慎重な姿勢は崩さないものの実態を楽観視しており、中国やロシアも南北両首脳の動きを歓迎しています。日本においても安倍首相は「北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな動きと歓迎する。北朝鮮が具体的な行動を取ることを強く期待している」と述べています。

     しかし、私たち日本人はこの南北首脳会談を受け入れるべきではありません。率直に言うならば、日本以外の関係国にとって南北首脳会談は好ましいものであったかもしれませんが、日本人にとっては南北首脳会談、そして今後行われる米朝首脳会談は最悪の結果につながる可能性が増しているものと思います。なぜなら、日本を射程に含む北朝鮮の中・近距離の核ミサイルが実質的に容認されたまま、米中朝韓が平和協定に動いてしまう状況が生まれようとしているからです。

     安倍首相は「日本は蚊帳の外ではない」「日米の絆が北朝鮮を動かした」と述べていますが、仮に日本の仕掛けで状況が動いていると仮定しても、その結果としてもたらされる事態が最悪のものである可能性についてどのように考えるべきでしょうか。日本が全てお膳立てしながら、上記の北朝鮮の核が日本のみをほぼ標的におさめる状況が残り、関係各国がそれで良しとしかねない状況の一体どこが外交成果なのか極めて疑問です。

     安倍首相は拉致被害者救出をトランプ大統領や文在寅大統領に依頼してきました。これについては日本側が独自の外交カードを持とうとせず、米国の外交方針に追随した当然の結果と言えます。北朝鮮が日本との対話の用意があると文大統領に伝えたのは、米朝協議後に日本の親玉である米国と話を付けた後処理としてのものとなるでしょう。したがって、北朝鮮側が対話の意向と述べたからとしても「彼らに舐められているわけではない」とは言えません。

     日本が外交上全ての関係国から軽く扱われている理由は簡単です。それは言うべきことを何も述べていないからです。

     米国が北朝鮮に対して本腰を入れた理由は、北朝鮮が米国本土まで射程に含む大陸間弾道ミサイル(ICBM)をほぼ完成させつつあったからに他なりません。筆者は毎年共和党保守派の年次総会に出席していますが、北朝鮮に関する話題は一昨年までほとんど取り上げられることはありませんでした。米国側の本音は米国本土まで届くICBMの破棄、そして面子を潰される核実験の停止であり、非核化については中期目標になる可能性が高いです。トランプ大統領は支持者の世論動向に敏感であり、中間選挙に向けて支持者が満足するのであれば、そのレベルでの妥協は行うものと想定されます。

     日本は米国の外交方針に追随するばかりで自国が核の脅威にさらされているという認識が非常に弱いものと思います。たとえば、中東地域における米国の同盟国であるサウジアラビアは、「イランが核兵器作ればサウジアラビアも『すぐそうする』=サウジ皇太子」(BBC)と述べており、自国を標的とする国が核武装するなら当然に自国の核武装の用意がある旨を宣言しています。もちろん、サウジアラビアも核不拡散防止条約(NPT)を批准していますが、実際に行動に移したわけではなく、堂々と自国の主張を述べることによって交渉上のプレーヤーとしての存在感を示すという当たり前のことを行っています。そうすることで、米国がサウジアラビアを軽視してイランに対して安易な妥協に走ることを防止しているのです。

     日本のように「米国の言うことに右に倣え」で従っている国に交渉力はありません。米国の影響力は圧倒的であり、また東アジア地域においては中国の影響力が極めて強いことも認めます。そして、朝鮮半島の問題は一義的に南北朝鮮の問題であることも確かでしょう。しかし、北朝鮮の核開発の問題は、日本人にとってはいつでも自国民の大量虐殺をもたらす可能性がある現実の脅威です。首相が政治生命をかけて「日本の核武装」というブラフを仕掛けて、関係国に北朝鮮に対して更に強硬に真摯な対応を行うように迫ることは当然行うべきことだと思います。国際法や憲法上の制約はあるものの、日本の首相がトランプ氏なら当然のように核武装に言及しただろうと思います。なぜなら、それで交渉力を得ることができるようになるからです。

     南北首脳会談は朝鮮半島に雪解けをもたらすことになりますが、それは核を持った北朝鮮との衝突の最前線が日本列島にまで南下するというだけのことであり、日本にとっては考え得る最悪の状況の一つが生まれることになります。それが一連の宴の後に日本人の目の前に残される現実となることでしょう。

     日本には自国民に対してだけ雄弁に振る舞う内弁慶な指導者ではなく、本当の意味で他国とやりあえるだけの交渉力を持った指導者、そして指導者に力を与えられる環境が必要です。南北首脳会談の雪解けの後に残るものが日本人同胞の目を覚ますことになることに期待します。

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