ワシントン・タイムズ・ジャパン

トラック1.5対話

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 米財務省がバンコデルタアジア(BDA)の北朝鮮資金2400万㌦を凍結させた後、米朝間の対話が断たれていた時のことだ。米国の非営利民間団体コリアソサエティーのエバンズ・リビア会長が仲介して北朝鮮の金桂冠外務次官が2007年3月、ニューヨークを訪問した。クリストファー・ヒル国務次官補、キャサリン・スティーブンス駐韓大使と会った。米国は“トラック1・5(半民半官)”対話だと言っている。金外務次官は国務省が提供した儀典車両で首相クラスの警護を受けた。リビア会長は「ジョージ・ブッシュ政権の任期内に関係正常化は不可能だとみる理由はない」と述べ、最高の交渉だと評価した。北朝鮮はBDAに凍結されていた秘密資金を取り戻したが、その前提条件だった核査察はうやむやになった。

 米外交界では政府官吏だけが会談することを“トラック1”、非政府人だけの会談を“トラック2”と呼ぶ。北朝鮮はトラック1・5の会議にも特別に官僚を選抜し、発言まで詳細に指示して派遣する。非公式の対話テーブルだという点を利用し、本音をほのめかせる発言で相手を幻惑する。主催者側は、ビジネスクラスの航空チケットに宿泊費と食費、会議参加の代価まで支払ったりもする。米国側からは外交官経験者が出てくる。時たま現職の外交官が出席するが、国務省は「公式会談ではない」として論評を拒否する。

 昨年3月、米朝間のトラック1・5対話が予定されていたが、白紙化されたことがある。金正男氏暗殺の黒幕が北朝鮮で、猛毒のVXガスが使用されたとマレーシア政府が発表したためだ。米国は北朝鮮関係者の入国を遮断したが、その2カ月後、北朝鮮外務省の崔善姫北米局長がノルウェーで元米政府高官と接触した。米シンクタンク「ニューアメリカ財団」のスザンヌ・ディマジオ局長がリードし、トーマス・ピカリング元国連大使、ロバート・アインホーン元国務省不拡散・軍縮担当特別顧問、ウィリアム・ファロン元太平洋軍司令官が出席した。国務省はトラック2・0だと言った。

 今度はフィンランドで韓米朝がトラック1・5接触を行う。北朝鮮のチェ・ガンイル外務省北米局副局長、米国のスティーブンス元駐韓大使、韓国からは白鍾天・世宗研究所理事長、申珏秀元駐日大使が出席する。首脳会談に向けた探り合いになりそうだ。北朝鮮が今回も実利の確保ばかりを図るならトラック2・0扱いもしてもらえないだろう。

 (3月20日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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