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    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
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    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    滅亡に向かう韓国との関係をマネージする

     今週もさまざまな報道が出て来ました。しかし、「大きく取り上げられているわりには中身がない報道」に振り回されるのは、愚かしいことでもあります。本日は最近の報道から距離を置き、日韓関係そのものについて、じっくりと考えてみたいと思います。

    【森友問題は報道テロだ!】

     ただ、それと同時に、私たちにとっても非常に影響が大きい朝鮮半島問題を巡って、さまざまな動きがあることも理解しなければなりません。米国のトランプ大統領が電撃的に北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)との首脳会談に応じるとしたことがその典型例でしょう。

     私に言わせれば、たかだか地方の学校法人に対する国有地の払い下げ問題ごときで国会が空転すること自体、ナンセンスです。それに加えて、「安倍総理本人を含めた政権関係者が国有地の不当な払下げに関わっていた」という印象を植え付けようとしている、野党とマス・メディアの罪は重いと言わざるを得ません。

     もちろん、安倍総理、麻生副総理を初めとする政権関係者らから役所に対して文書改竄が指示されていたというのであれば、話は別です。しかし、そうでない限りは、財務省の文書改竄については、事態は深刻ですが、これはあくまでも役所の不祥事であって政権の不祥事ではありません。

     私がいつも申し上げている「既得権益の3悪」――野党、官僚、マス・メディア――が結託して、どうでも良い問題を針小棒大にあげつらい、政権を貶め、国政を停滞させようとしているのだ、と考えれば、辻褄が合うのです。

     憲法改正の問題や財務省の問題、北朝鮮の問題など、論じるべき問題はたくさんあります。少なくとも「国有地を森友学園へ不当に廉価で払い下げていた問題」自体を、あたかも国政の重要課題であるかのように論じることは、それ自体がマス・メディアと野党が仕掛けた罠にはまっているのと同じだと思います。

    【外交を理解しない不幸】
    韓国で繰り返される、日本への糾弾

     ところで、事態が混沌としていることは事実ですが、こんなときこそ、冷静かつ丹念に、細かい動きを追いかけていかねばなりません。とくに、北朝鮮の核危機の「当事者」であるはずの韓国が、いまやわけのわからない問題で自分を見失いそうになっているということは、私たちが注目しておく価値のある論点です。

     少し古い記事で恐縮ですが、本日はこんな報道を紹介したいと思います。

    「慰安婦」被害者“日本政府の犯罪認定”を再度要求(2018-03-10 08:18付 ハンギョレ新聞日本語版より)


     リンク先の記事は、韓国の「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』の日本語版ウェブサイトに掲載されたもので、内容は、「日本軍慰安婦問題」について、これが明確な犯罪だと認めるよう、日本政府に促すものです。

    当ウェブサイトの愛読者の皆さまには、いまさら言うまでもない話かもしれませんが、世界に広まっている「日本軍慰安婦問題」とは、


    「1941年12月8日から1945年8月15日までの期間、朝鮮半島で日本軍が組織的に少女だけ20万人を拉致し、戦場に強制連行したうえで性的奴隷として使役した問題」


    のことです。仮にこれが事実であれば、これは明らかな犯罪であり、責任者の処罰はもとより、私たち日本国民も道義的な責任を感じてしかるべきでしょう。

     しかし、それと同時に、1つ、困った問題があります。それは、「少女ばかり20万人を強制連行した」という割には、「日本軍が組織的にこの犯罪を行った」という証拠も、「性的奴隷として使役した」とされる証拠も、今までに一切見つかっていない、という点です。

     もちろん、いわゆる「戦時売春婦」が存在していたという証拠はあります。彼女らの中には、生活苦のため、親に売られるなどして、「みずからの意思に反して」戦時売春婦として働いていた人もいたかもしれません。しかし、これらの「戦時売春婦」は、日本軍が組織的に強制徴発した人たちではありません。

     ましてや、20万人といえば、当時の朝鮮半島の人口(約2000万人)の、約1%です。それほどの少女たちが強制徴発されたとすれば、その間、朝鮮人の男たちは何をしていたのでしょうか?父親は、兄は、弟は、みすみす彼女らが連行されるのを、指をくわえて見ていたのでしょうか?

    慰安婦問題の本当の定義

     端的に言えば、この慰安婦問題自体、朝日新聞の捏造記事をきっかけに全世界に広まったものです。このため、慰安婦問題は、次のように書き換えるべきでしょう。


    「従軍慰安婦問題とは、文筆家・吉田清治の虚偽証言に基づき、朝日新聞が事件を捏造して世界中に流布し、これに韓国国民や韓国政府が乗っかる形で、全世界で日本人の名誉と尊厳を現在進行形で傷つけている、日本民族に向けられた民族ヘイト犯罪である。」


     この定義は重要です。なぜなら、このように明記することで、誰が本当の被害者で、誰が本当の加害者であるかが明確になるからです。そして、この問題を真に解決するには、朝日新聞が全世界に向けて記事を訂正するとともに、韓国国民・政府がみずからの過ちを認め、日本人に対して謝罪することが必要です。

     しかし、朝日新聞、韓国国民、韓国政府の三者は、絶対にこれを行わないでしょう。なぜなら、彼らの共通の目的は、日本人の名誉と尊厳を傷つけること自体にあるからです。このことを、まずはきちんと認識する必要があります。

     ただ、「朝日新聞と韓国国民と韓国政府だけが悪い」のではありません。事態をややこしくしているのが、安倍晋三・内閣総理大臣が主導した、2015年12月の「日韓慰安婦合意」です。この合意を私なりに要約すると、要点は次の4つです。


    ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。

    ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。

    ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。

    ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。(下線部は引用者による加工)


     保守系の識者の間では、この慰安婦合意が素晴らしいものであるかのように勘違いしている人もいますが、それは違います。なぜなら、この2015年の日韓慰安婦合意を契機に、日本を侮辱する慰安婦像やウソの碑文が世界中で加速度的に増えているからです。

     とくに、慰安婦合意の①の部分と②の部分の合わせ技として、諸外国のメディアからは「日本が『戦時性奴隷』という犯罪を認めて、法的に賠償を行った」かのように勘違いされています。さらにういえば、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などでも、「戦時性奴隷」(wartime sex slaves)という誤った用語が、現在も堂々と用いられています。

     その意味で、この日韓慰安婦合意とは安倍総理と当時の岸田文雄外相の重過失にほかなりません。私は、先ほど定義した慰安婦問題における「加害者」に、安倍晋三内閣総理大臣を加えても良いほどだと考えているのです。

    「外交交渉」から慰安婦問題を考える

     ただ、ここでもう1つ、考えなければならない要因があります。それは、慰安婦問題がここまでこじれたことに、これまでの日本自身の責任が皆無ではない、という点です。

     たとえば、慰安婦問題そのものを捏造したのは朝日新聞ですが、NHKや毎日新聞、東京新聞、さらには沖縄タイムス、琉球新報などのメディアも、「日本軍による強制連行」が、あたかも事実であるかのように報じ続けています。

     また、外務省の責任も見過ごせません。たとえば、スリランカ出身のラディカ・クマラスワミが作成し、1996年1月に国連人権委員会に提出された、いわゆる『クマラスワミ報告』について、日本の外務省は反論すべき局面で反論をしませんでした(※もっとも、この責任は外務省だけにあるのではなく、当時の日本の政権を担っていた自民党や社会党などにも問題があったようですが…)。

     それに、全世界で増え続ける慰安婦像に対し、外務省を初めとする日本の当局が、ほとんど有効な反撃を行っていないのも問題です(もっとも、外務省による日本の国益を無視した「事なかれ主義外交」の弊害は、今に始まったことではありませんが…)。

     さらに大きな問題があります。それは、日本国内には、日弁連や左派メディア、日本共産党など、日本を貶めることを目的とする組織が巣食っていることです。とくに、国連などで暗躍し、「性的奴隷」などの用語を定着させたのは、日本人の活動家であるという話も聞いたこともあります(※未確認情報)。

     そう考えていくならば、慰安婦問題がここまで深刻化した要因を考えると、反日的な日本人、事なかれ主義的な外務省、野党議員、マス・メディアなど、日本自身の問題にも行きつくのです。

     このため、慰安婦問題がこれ以上広まらないために、政治家がみずからの政治責任において、外交交渉を通じて、何らかの政治的な決着をつけるという考え方には、少しくらいの合理性はあるのです。そして、2015年12月の日韓慰安婦合意とは、安倍総理、岸田外相の両名が、みずからの政治責任において、慰安婦問題を政治決着させたものだと理解することができるでしょう。

     もちろん、私はこの両名が、短期的な国益のために日本人の名誉と尊厳を犠牲にしたことは大きな汚点だと考えていますし、日本国民の1人として、感情的には絶対に許せないという気持ちもあります。しかし、慰安婦問題自体に日本の過失がゼロではない以上、日本の言い分が100%通るわけでもないのです。

     それに、「外交交渉」に乗っかってしまった以上、日本の言い分が100%通る(逆に韓国の言い分がまったく通らない)ということはあり得ませんし、韓国の言い分が100%通る(逆に日本の言い分がまったく通らない)ということもあり得ません。

     このことを認識しておく必要があります。

    片方がすべてを求めようとすれば交渉は破綻する

     もちろん、私個人の気持ちとしては、慰安婦問題は事実認定の問題であり、「事実ではない」と突っぱねるべき問題であって、そもそも外交交渉に乗せるべき問題ではありませんでした。ただ、外交的事実として見るならば、慰安婦問題は外交交渉により、すでに「最終的かつ不可逆的に解決した」のです。

     (※余談ですが、私自身は、「事実関係は後世の歴史家が証明してくれる」と考えています。朝日新聞、韓国国民、韓国政府、さらには彼らを裏で操る中国共産党の邪悪な犯罪行為こそ、人類に対する罪として、裁かれるはずだと考えていますが、この論点については本論と関係ないので、あえて触れません。)

     日韓両国は、(少なくとも表面的には)過去のわだかまりが完全になくなったわけですから、理想的には、ともに手を取り合い、未来に向けて発展していく関係になるべきです。あるいは、そこまでの関係になるのが難しくても、少なくとも日韓両国が共通して直面する問題には、ともに対処しなければなりません。

     ところが、現実問題として、先ほど紹介したハンギョレ新聞の記事にもあるとおり、韓国側は執拗に、この慰安婦問題を蒸し返そうとしています。おそらく、日本政府が韓国の言い分を100%認めるまで、全世界で慰安婦像は建立され、「性的奴隷」というウソがばら撒かれ続けることは間違いありません。

     ただ、過去の日本ならともかく、現在の日本にはインターネットがあり、「慰安婦問題が朝日新聞社によるウソであり、報道犯罪である」という事実自体、かなり広まって来ています。このままおめおめと韓国にやられっ放しになるほど、日本人が軟弱な民族であると見るべきではありません。

     ここで視点を韓国側に転じてみましょう。実は、慰安婦問題が2015年12月に「外交交渉の結果、政治決着」したことは、韓国にとっても重要な意義を持っています。

     日本政府が公式に、が慰安婦問題を「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」であると認め、安倍総理が日本国を代表して謝罪し、10億円を支払ったこと自体、韓国にとっては政治的勝利だったのです。

     外交の世界では片方の言い分が100%通るということはありません。仮に欲張って日本にさらなる譲歩を求めようとすれば、何が発生するのでしょうか?

     そこにあるのは、日韓関係の破綻であり、最悪の場合、日韓断交すら現実のものとなるでしょう。そして、日韓断交が生じれば、日本にとってもそれなりの損害は生じますが、普通に考えて、韓国には遥かに大きな損害が生じます。

     たとえば、韓国の通貨・韓国ウォンは、国際的には「ソフト・カレンシー」(国際的な通用力の低い通貨)であり、韓国は恒常的な外貨不足に悩んでいます(韓国の外貨ポジションの怪しさについては、『日韓スワップ:スイスで韓銀総裁が日本に秋波』『韓国の外貨準備の75%はウソ?』あたりをご参照ください)。

     韓国は統計でウソをつく国ですから、正確なところは定かではありませんが、おそらく、政府、銀行、企業がかなり外貨でおカネを借りていることは間違いありません。日本が東京の債券市場から韓国を締め出した瞬間、韓国は国家破綻まっしぐら、です。

     日韓合意の蒸し返しの結果、日韓関係が破綻すれば、困るのは果たしてどちらの国なのでしょうか?韓国には、その点を少しじっくりと考えてほしいとも思います(といっても、あの国に「じっくりと考える」ことができるとも思えませんが…)。

    日韓は本当に利害を共有する関係なのか?

     さて、以前からたびたび申し上げてきたとおり、日本にとって韓国は、地政学的に重要な場所にあります。韓国が日本と同じ、「自由、民主主義、法治主義、人権尊重、積極的平和主義」などの価値を共有し、日本と手を取り合い、ともに未来に向けて発展していこうとしてくれたら、これほど嬉しいことはありません。

     しかし、仮に韓国が日本に対して徹底的に敵対する立場になれば、日本にとっては厄介です。とくに、私が一番恐れているのは、韓国が北朝鮮と統一国家を形成し、核武装国となることです。韓国の技術と資本を得て、「統一朝鮮」が日本に核兵器の照準を向ける事態は、日本にとっては悪夢です。

     もちろん、そこに至るまで、日本、韓国の両国だけでなく、米国、中国、ロシア、北朝鮮など、さまざまな国がさまざまな思惑で、朝鮮半島に影響力を行使しようとするでしょう。その意味で、最も極端な事態が生じる可能性が高いわけではありません。

     さらに、残念ながら現在の日本政府は、韓国を「日本と価値を共有する国」であるとはみなしていません。このことは、安倍総理自身の発言からも明らかでしょう(詳しくは『【速報】施政方針演説から外交を読む』のなかでも触れています)。現在の日韓関係は非常に難しい局面にあることは間違いありません。

     こうしたなか、わが国には「韓国は昔から日本と近い国であり、何があっても仲良くすべきである」といった、いわば「対韓宥和論」ともいえる議論もあれば、「韓国は日本にとって不愉快な国だから、いっそのこと断交してしまえ」、といった、いわば「日韓断交論」という議論もあります。

     ただ、いずれの議論も短絡的であり、感心しません。

     私は、すでに現在の韓国が日本にとって、「対等な国どうしとして信頼し合う関係」にはないと思います。たとえば、日本大使館前に設置された、あの醜悪な慰安婦像を撤去しようともしません。「韓国の国民感情が許さない」からといって、国際法に違反する状況を放置して良いとは思えません。

     また、産経新聞の加藤達也・ソウル支局長(現・産経新聞論説委員)が2014年8月に配信した記事を巡り、「大統領に対する名誉棄損」という意味不明な罪状で出国禁止処分となり、在宅起訴されたことも、この国の異例さを見せつけているように思えます。

    このように考えていけば、そもそも日韓が本当に利害を共有する関係であるのかどうか、極めて疑わしいのです。

    【米韓関係破綻に注意せよ!】
    日韓関係は「独立変数」ではなく「従属変数」

     さて、私が考える「正しい日韓関係のアプローチ」とは、「決定的に関係が破綻しないようにマネージしつつ、最悪の事態に備えてリスクを最小化すること」、です。具体的には、韓国に対しては「日韓関係が破綻すれば韓国は滅亡するぞ」と警告しつつも、現実的には日韓関係破綻への備えを急ぐことです。

     というよりも、すでに日韓関係を巡っては、それを単体で論じる局面は終了しています。日韓関係は日米関係、米韓関係、日中関係、中韓関係の従属変数なのです。つまり、日本が米国、中国と対等な関係を構築していけば、自動的に日韓関係が決まって来るのです。

     たとえば、安倍晋三政権のもと、日米関係はこれまでで最も強固になりました。このことに自体、右派、左派を問わず、衆目が一致する点でしょう(左派論客に「日本は安倍総理のもとで、ますます『アメポチ』化が進んでいる」などと批判する人がいますが、暗に日米関係が強固であることを認めているといえます)。

     また、安倍政権発足当初の日中関係は芳しくありませんでしたが、最近、「雪解けムード」が生じていることは確かでしょう(※といっても中国船舶による尖閣周辺海域への侵犯は相変わらず続いていますが…)。やはり、安倍政権が長期化することで、日米、日中ともに、関係は改善傾向にあるのです。

     こうした状況が続けば、日本は特段の努力をしなくても、韓国の大統領がよっぽどの愚か者でない限り、韓国の方から日本に擦り寄って来て、日韓関係を改善してほしいと要求して来ます(ついでに言うと、これに応じるか応じないかは日本の自由です)。

     あるいは、日本が米国、中国との関係を適切に保っていれば、韓国側から日韓関係を破綻させようとする動きが生じた場合でも、韓国に生じるダメージが最大化し、日本に生じるダメージが最小化されるという効果が得られるのです。

    米韓関係と中韓関係の同時破綻は韓国の「自爆」

     一方、韓国は現在、日本との関係だけでなく、米国との関係、中国との関係も破綻しかねない状況に追い込まれています。その直接のきっかけは、3月に入ってから、米国や中国の了解なく、勝手に特使を北朝鮮に派遣したことであり、また、金正恩のメッセージを「口頭で」伝達していることです。

     ただ、それ以前からすでに、米韓関係、中韓関係が破綻しかねない前兆は、いくつかありました。たとえば、米国との関係でいえば、平昌(へいしょう)冬季五輪の開会式と閉会式で、米国の代表者を北朝鮮の代表者と同席させようとしたことが、相当に米国の心証を悪くしたであろうことは、容易に想像できます。

     また、中国との関係でいえば、昨年12月に文在寅氏自身が「国賓」として中国を訪問した際に、中国政府は文在寅氏を徹底的に冷遇。通常であれば食事のたびに中国政府関係者が同席してくれるはずが、庶民に混じって朝食を取るなど、「ひとりメシ」と揶揄されたほどです。

     つまり、現在の韓国は外交的に窮地に立たされていて、北朝鮮を突破口にこの窮地を打開しようとしている状況だともいえます。よりにもよって「世界の孤児」である北朝鮮と結託しようとしているとは、本当に愚かなことです。

     仮に日米中露4ヵ国が「北朝鮮処分」で合意した場合、自動的に韓国も「処分」されてしまうのは目に見えているのですが…。

    【「6つのシナリオ」の再修正】

     米国で3月末をもってティラーソン国務長官が更迭され、CIA長官のポンペオ氏が横滑りで国務長官に就任する見通しとなったことで、米韓関係、あるいは米国による北朝鮮攻撃の可能性などに、少なからぬ影響が生じることになりそうです。

    私は当ウェブサイトの「大人気シリーズ」である「朝鮮半島の6つのシナリオ」を、ほぼ毎月1回、更新しています(最新版は『朝鮮半島の将来シナリオ・2018年3月版』で読めます)が、「ポンペオ国務長官」のもとでこれがどう変わるのか、じっくりと見極めたいと思います。

    どうかご期待ください。


    ●「新宿会計士の政治経済評論」ブログより転載
    http://shinjukuacc.com/

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