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    渥美 堅持
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    坂東 忠信
    坂東 忠信
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    遠藤 哲也
    遠藤 哲也
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    蒲生健二
    蒲生健二
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    服部 則夫
    服部 則夫
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    石井 貫太郎
    石井 貫太郎
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    宮塚 利雄
    宮塚 利雄
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    中澤 孝之
    中澤 孝之
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    丹羽 文生
    丹羽 文生
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    太田 正利
    太田 正利
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    ペマ・ギャルポ
    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
    佐藤 唯行
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    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    慰安婦合意という「地雷」を踏んだ韓国大統領

     連日の「慰安婦合意破棄事件」シリーズの総仕上げとして、本日は、「そもそも日韓慰安婦合意自体が毒まんじゅう、もしくは地雷だった」という点について、深く解説をしたいと思います。

    ■連立方程式を解くように…
     一昨年7月にこのウェブサイトを立ち上げて以来、同じ話題を続けるのは控えていたのですが、ここ数日に関しては、連続して朝鮮半島情勢に関する話題を取り上げています。

     その理由は簡単。いま、私たちは日韓関係が決定的に壊れていく瞬間に立ち会っているからです。

     表面的に見えているのは、お隣の国・韓国で、2015年12月に日韓両国政府が合意した「日韓慰安婦合意」を覆そうとしているという動きです。しかし、本質はそれだけにとどまりません。日韓慰安婦合意もろとも、日韓関係そのものが破壊されようとしているのです。

     これを考えるためには、「連立方程式」を解くような考察が必要です。

     そこで、本日は、『無責任国家・韓国の失敗事例をどう生かすか?』http://shinjukuacc.com/20180107-01/以来、実に5日間にわたる「朝鮮半島シリーズ」の総仕上げとして、私なりに読み解いた「慰安婦合意破棄事件の真相」の答えを提示しておきたいと思います。

    ■自壊に向かう韓国政府
    議論の前提:慰安婦合意を「きちんと」読む

     さて、くどいようですが、日韓慰安婦合意とは、2015年12月28日、当時の日韓両国の外相が、慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決したことを確認したものです。

    外務省のウェブサイトに原文がありますが、これを私の責任で要約すると、次の4点です。


    ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
    ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
    ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
    ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。


     これまでに何度も当ウェブサイトで主張してきたとおり、私はこの合意には、大きく2つの問題点があると考えていますが(後述)、それと同時に、国家間でいったん合意してしまった以上、日韓両国ともにこの合意を守る義務があります。

     この点、日本政府はこの合意をきちんと守り、2016年8月末時点で、10億円を韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」に拠出済みです。しかし、韓国政府側は、上記③で示した部分をまったく守っていないばかりか、日韓慰安婦合意後も、世界中でどんどんと、あの醜悪な慰安婦像や虚偽の碑文が建てられ続けています。

     私は、これには安倍総理の責任も相当に大きいと考えますが、それと同時に、安倍総理自身がこれに落とし前をつける方法は、確実に存在します。

     それについて議論するのが、本日の目的ですが、その「答え」を提示する前に、まずは韓国政府の動きを見ておきましょう。

    ■意味が分からない文在寅氏の新年記者会見

     といっても、日韓慰安婦合意を巡る1月9日までの韓国政府の詳しい動きと、それに対する私自身の見解については、次の3つの記事で触れています。


    『韓国は自信満々でゴールポストを動かす』
    『慰安婦合意の「破棄」はしないが守らない』
    『平昌の欺瞞:赤化統一に一歩近づいた韓国』


     簡単にいえば、韓国政府は1月9日までに、康京和(こう・きょうわ)外交部長官(外相に相当)を含めた政府高官らが、この「日韓慰安婦合意」のゴールポストを動かす動きを見せていた、ということです。

     それを踏まえて、本日のうちに紹介しておきたいのが、この話題です。

    文大統領「慰安婦問題、完全な解決には日本の誠意ある謝罪が必要」…新年記者会見(2018年01月10日11時15分付 中央日報日本語版より)

    慰安婦問題 「日本の心こめた謝罪が完全な解決」=文大統領(2018/01/10 11:12付 聯合ニュース日本語版より)

     韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領は昨日行われた「新年記者会見」で、予想されていたとおり、日韓慰安婦合意について「ゴールポストを動かす」発言を行いました。いわば、文在寅氏自身の記者会見で、日韓慰安婦合意と日韓関係そのものに「とどめを刺した」格好となっています。

    韓国メディアの報道をベースに、文在寅氏の発言を抜粋すると、だいたい次の通りです。


    ●(2015年の日韓慰安婦合意は)国家間の公式な合意であり、従来の合意を破棄し、再交渉を求めて解決できる問題ではない
    ●(しかし)慰安婦問題は真実と正義の原則に基づいて解決されなければならない
    ●日本が真実を認め、被害者に真の謝罪をし、それを教訓に国際社会と努力することが慰安婦問題の解決だ


     まったく意味がわかりません。

     なぜなら、慰安婦問題とは、安倍総理がお詫びの気持ちを表明し、日本政府が韓国政府の設立した財団に対して10億円を拠出することで、最終的かつ不可逆的に解決しているからです。

     文在寅氏の今回の発言は、まさに「慰安婦合意を破棄はしないが守らない」という韓国政府の考え方をそのまま示した格好であり、日本政府としては、到底受け入れられない話です。

     実際、文在寅氏の記者会見に先立ち、康京和氏が韓国政府の慰安婦合意の新方針を示した際に、河野太郎外相は「全く受け入れられない」などと強く反発しています。

    ■韓国の日韓合意新方針 「全く受け入れられない」と河野太郎外相が猛反発、抗議 協議一切応じず(2018.1.9 20:14付 産経ニュースより)

     産経ニュースによれば、河野外相は記者団に対し、「(日本政府が拠出した10億円を)充当するという意味を、まずはしっかり理解したい」と述べたそうですが、これは言い換えれば、河野外相自身も韓国政府の方針について「全く理解できない」という当惑を持っている証拠でしょう。

    ■米国人の反応「韓国が理解できない」
     それだけではありません。

     2015年の日韓慰安婦合意は、米国が事実上の仲介役を果たしていました。ということは、今回の韓国政府の発表は、米国から見ても不可解なものであろうことは、間違いありません。

     実際、米メディアのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)もこの件について取り上げています。

    South Korea Backs Off Japan Over Wartime Sex Slaves(米国時間2018/01/09(火) 02:21付=日本時間2018/01/09(火) 15:21付 WSJオンラインより)

     昨日夜9時の時点で、この記事には20件のコメントが寄せられています。

     もちろん、コメントの中には、「日本はこの件について謝罪すべきだし、謝罪しない理由は日本にやましい点があるからだ」、といった、日本に批判的なものもあります。

     しかし、「日本は何度も何度も謝っているのに、SK(※)はいったい何を望んでいるのか?」といった、韓国の振る舞いの異常さに言及したものが、20件のうち10件ほど(つまり約半分)あるのです。

    (※SKとは、South Korea(南朝鮮)、つまり韓国の略。)

     私が調べたところ、ドナルド・トランプ米大統領をはじめ、米国政府の閣僚級から、この慰安婦合意の「ゴールポストが動いたこと」に対する発言は確認できていません。

     ただ、米国の一般読者の反応からしてこうなのですから、米国政府も、すでに「韓国は理解できない国である」、「韓国など相手にすべきではない」、という判断を下していると考えるのが自然でしょう。

     つまり、文在寅政権による慰安婦合意の事実上の破棄は、朝鮮半島情勢が緊迫化する中で、韓国がもっとも緊密に連携しなければならない相手国である日本と米国を、同時に敵に回した格好になっているのです。

    ■事実上「死文化」した米韓同盟
     米国との関係という意味では、シャレにならないほど深刻な報道もあります。

     韓国は9日に北朝鮮と高官級会談を行い、その結果、「緊張緩和に向けた南北軍事会談の開催」などで合意してしまいました。

    北朝鮮、平昌五輪に参加=「非核化対話」で対立-軍事会談開催で合意・南北(2018/01/09-23:59付 時事通信より)

    時事通信によると、9日の会談では、北朝鮮側が次のように発言したそうです。


    「核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などは米国を狙ったもので、同族を狙ってはいない。」


    これは、非常に恐ろしい話です。

     北朝鮮の高官が、「わが国の核は米国を狙っている」と公言したわけです。これだと、米国に北朝鮮からの宣戦布告と受け止められても文句は言えません。

     仮に韓国が米国の同盟国ならば、この発言が出た瞬間、ただちに席を蹴って立つべき局面でしょう。そうでなければ、韓国は米国から「北朝鮮と同類の敵性国家だ」とみなされても文句はいえないからです。

     それなのに、韓国政府高官は、北朝鮮当局者と議論を続け、そのうえ、次の4点で合意してしまいました。


    ①北朝鮮が平昌冬季五輪に参加、成功へ協力
    ②平昌五輪で実務会談開催
    ③軍事的緊張緩和で軍事当局者会談開催
    ④南北関係の問題、対話と交渉で解決


     このうち、合意事項の3番目と4番目は、きわめて深刻です。韓国は南北関係の問題や北朝鮮の核開発問題などを、日米とは無関係に、南北だけで解決すると宣言してしまったからです。

     もはや、米韓同盟は事実上、死文化したと見て良いでしょう。

    ■勝手に外交交渉をばらす国とは付き合えない!

     私は、昨年5月に文在寅氏が朴槿恵(ぼく・きんけい)氏の後任として、韓国大統領に選出された瞬間、「韓国はいずれ、日米の友好国ではなくなり、中国の属国になるか、北朝鮮主導で赤化統一されるか、そのどちらかだろう」と漠然と考えていました。

     しかし、まさかここまで事態が急激に動くとは、私自身も考えが及びませんでした。

     やはり、昨年12月27日の「慰安婦合意検証タスクフォース(TF)」の「威力」は大きかったと思います。

     このTFの内容については『慰安婦合意TF:自ら墓穴を掘った韓国政府』で触れたとおりなので、詳細は繰り返しませんが、簡単にいえば、「日韓慰安婦合意に『裏合意』があった」などと指摘したものです。

     当然、日韓両国政府間の外交交渉についても内容が明らかになってしまっていて、日本政府としても勝手に外交交渉をばらされた格好です。

     つまり、文在寅氏が大統領を退任したとしても、今後、韓国で就任するすべての大統領も、外交機密を守れないだろう、と、諸外国に印象付けたのです。
     しかも、恐ろしいことに、韓国国民の7割以上は文在寅政権を支持しているということです。現在の韓国国民に、文在寅氏がやっていることを冷静に判断できる人がいないということ自体、日韓関係の展望が絶望的なのです。

     よって、昨日も申し上げたとおり、朝鮮半島を待つ未来は、「中国の属国化」が7割程度、「北朝鮮に赤化統一されること」が2~3割程度だと私は考えています。

    ■慰安婦合意は地雷だった!

    ●慰安婦合意の何が問題か?

     さて、ここから先は私の持論を繰り返したいと思います。

     そもそも日韓慰安婦合意には、大きな問題が2つあります。

    1つ目の問題は、慰安婦問題自体が捏造であるにも関わらず、日本政府が公式の立場として、慰安婦の強制連行が、あたかも本当にあったかのように述べてしまったことにあります。

    韓国政府、韓国国民らが主張する「従軍慰安婦問題」とは、

    「1941年12月9日から1945年8月15日の期間、日本軍が朝鮮半島で少女ばかり20万人を強制的に拉致して戦場に連行し、性的奴隷として使役した問題」

    のことです。

     この問題は、もともとは、文筆家の吉田清治の虚偽証言に基づき、朝日新聞社が捏造したものですが、これに尾ひれを付けたのが韓国国民と韓国政府です。

     そのことを踏まえて、先ほど示した慰安婦合意の骨子のうち、①を再掲しておきましょう。

    「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。」(下線は引用者による加工)

     日韓関係についてまったく知らない人がこれを読めば、「日本軍が本当に朝鮮半島で少女を拉致し、性的奴隷として使役した」と勘違いしてしまうことは間違いありません。

     実際、先ほど引用したWSJの記事のタイトルにも、 “Japanese wartime sex slaves” という表現が出てきます。WSJでさえ、この “sex slaves(性的奴隷)” という表現はいまだに訂正されておらず、現在進行形で、日本国民の名誉と尊厳を傷つけ続けているのです。

     つまり、慰安婦問題とは純粋な誣告(ぶこく)事件であり、朝日新聞社と韓国が加害者となり、日本が被害者となっている、ヘイト犯罪であると定義すべきなのです。

    ■ヘイト犯罪の汚名をそそぐ機会が失われた

     世界ではナチスによるホロコーストが戦争犯罪(あるいは「人道に対する犯罪」)として糾弾され続けています。戦争から70年以上が経過してもなお、イスラエルはドイツに対し、ホロコーストの真相究明を要求し続けており、また、かなり高齢の元ナチス幹部が収監先の刑務所で死亡した、という報道を目にすることもあります。

     実は、韓国政府や韓国国民は、「戦場における性奴隷」を「ホロコーストと並ぶ犯罪」と位置付けようとしている節があります。人道に対する罪であれば時効がない、というのが彼らの主張ですが、これこそが慰安婦問題の本質なのです。

    そして、岸田外相(当時)と安倍総理がなした「日韓慰安婦合意」は、このヘイト犯罪の汚名をそそぐ機会を奪ったものでもあります。

    私が「韓国側が慰安婦合意を蒸し返すならば、それを奇貨として、むしろ韓国側から慰安婦合意を破棄させよ」と主張している理由は、ここにあります。

     国家間の約束であれば、日本政府側からこれを破棄することは不可能です。しかし、韓国政府が自爆テロ的にこの合意を破棄するならば、日韓慰安婦合意が破壊されるのに任せるべきだ、というのが私の考え方なのです。

    ■安倍政権「韓国は絶対に地雷を踏む」

     ここまで申し上げれば何となくわかる方もいると思いますが、日韓慰安婦合意とは、日韓関係ごと爆破する、一種の「地雷」(あるいは「毒まんじゅう」)だったのです。

     これが、日韓慰安婦合意の2つ目の問題点です。

     私は『韓国に対する愛情はないのかー!』でも申し上げましたが、韓国人が絶対に約束を守れない民族であることを、肌身に感じて知っています。それは、次の3点に集約されます。


    ●自分たちに都合が悪いことがあれば、すぐに感情的に怒鳴る
    ●必要な話し合いの場を設定すると、逃げる
    本当に自分たちの立場が危うくなれば、泣きついてくる


     そして、慰安婦問題自体、韓国が日本に対して「精神的優位」に立つことができる、数少ない歴史カードです。そう簡単にこの美味しいカードを韓国が手放すわけなどありません。

     私でさえそのことを知っているのですから、外交の現場で日々、韓国と向き合っている外務省の関係者が、その事を知らないはずなどありません。そのように考えていけば、日韓慰安婦合意を成立させた時点で、安倍総理としても「絶対に韓国が将来、この合意を破棄する方向に動くであろう」との想像が働いたはずです。

     ということは、一種の「毒まんじゅう」、あるいは「地雷」であることをわかっていながら、安倍総理はこの合意を成立させたということです。

     現在、日本政府側は「日韓慰安婦合意というゴールポストは1ミリも動かない」と述べ、微動だにしない姿勢を見せていますが、昨日の文在寅氏の発言を受けて、もはや韓国政府側が慰安婦合意を誠実に履行する意思がないことは明らかになりました。

     たとえちょっとした制裁を加えたとしても、韓国政府に対して慰安婦合意を強制させることなどできないでしょう。

     ただ、だからといって日本政府側が慰安婦合意を「動かす」ことを認めれば、私たち日本国民の安倍政権に対する信頼が地に堕ちることになります。

     ということは、もう日韓関係は破綻するよりほかにないのです。

    ■まさかこのタイミングで…

     思えば、安倍総理自身にとっても「誤算」はたくさんあったことでしょう。その最大のものといえば、朴槿恵政権があれほどまでに早く倒れたことです。
     確かに日韓慰安婦合意は、短期的には日韓関係の改善につながりました。日本は韓国との間で、朝鮮半島有事という「共通の利害」を持っていて、慰安婦合意を締結したことで、日韓間の軍事協力が進みやすくなったのです。

     それだけではありません。

     日韓間の懸案が除去されたことで、「日米韓3ヵ国連携」が格段に進展しました。2016年7月には米韓両国が在韓米軍に高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を配備することに合意しましたし、2016年11月には、長年「たなざらし」状態だった日韓包括軍事情報保護協定(GSOMIA)の署名が完了しました。

     仮に朴槿恵政権が倒れていなかったとすれば、日米両国政府は韓国政府を押し倒す形で「日米韓3ヵ国包囲網」を形成し、今ごろ、北朝鮮の核開発問題も違った展開を迎えていたかもしれません。

    ■米国の姿勢にも大きな問題がある

     余談ですが、北朝鮮情勢がここまでこじれた理由の1つは、米国にもあります。

     まず、2015年12月の日韓慰安婦合意には、当時のオバマ政権の関係者(とくにバイデン副大統領)が深く関わっていましたが、慰安婦合意を締結するよう日韓両国に圧力を掛ければ、日韓関係が壊れることにつながりかねないという点を、米国は読み誤りました。

     次に、朴槿恵政権が倒れ、権力の空白が生じていた昨年3月10日から5月9日の間の60日間は、ある意味で北朝鮮攻撃をする貴重なチャンスだったのですが、米国はこれを空費しました。ついでに申し上げれば、北朝鮮攻撃をする昨年12月18日という絶妙なタイミングも逃しています。

     さらに、アジア情勢が緊迫化しているにも関わらず、米国は中東でも「争いの火種」を撒こうとしています。仮に米国が北朝鮮の核放棄に失敗すれば、間違いなく、私たちの国・日本でも、核武装に向けた議論が始まりますし、世界中への「核拡散」が始まります。

     つまり、米国でトランプ政権がさまざまな混乱に巻き込まれていることもさることながら、そもそも米国に日米同盟の自覚がなさすぎることが、混迷の大きな原因でもあるのです。

     慰安婦問題にしたって、米国政府自身が調査した結果、日本軍による強制連行の証拠はないということが明らかになっているのです。

    ●米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに(2014.11.27 05:10付 産経ニュースより)

     米国が日本に対しても不誠実であることが、東アジア情勢の混乱の原因であることを、米国自身が自覚していないことは大きな問題であると言わざるを得ません。

    ■「韓国なし」で解決するチャンス!

     話題を慰安婦合意に戻しましょう。

    考えてみれば、慰安婦合意とは、すでに価値を共有していない日韓両国を結びつける、最後の紐だったのです。ここで、文在寅氏の意味深な発言を紹介しておきましょう。

    ●文在寅大統領「慰安婦合意、日本との誤った結び目を解くのが大統領の責務」…新年記者会見(2018年01月10日10時25分付 中央日報日本語版より)

     中央日報日本語版の報道によれば、昨日、文在寅氏は次のように述べたのだそうです。


    「韓日両国間で公式的な合意をした事実は否認できない。日本との関係をうまく解決していくことも非常に重要だ。しかし間違った結び目は解かなければいけない。それが大統領として付与された歴史的責務だと考える」(下線は引用者による加工)


     ここで文在寅氏が解こうとしているのは、「慰安婦合意」という結び目ですが、それを解いてしまえば、日韓関係も解体されてしまいます。

    ただ、私たちはこれを、「隣国による日韓関係終了の意思表示」だと受け止める覚悟を、そろそろ持つべきです。

    とりあえず日本にできることは、次のとおり、いくらでもあります。

    ●平昌五輪不参加
    ●韓国国民に対する観光ビザ免除プログラムの廃止
    ●竹島領有権巡る国際司法裁判所提訴

     また、先ほど私は「いくら韓国に制裁を加えても慰安婦合意を履行させることはできない」と申し上げましたが、別に「慰安婦合意を履行させるために制裁を加える」必要はありません。単純に韓国に対して「罰を与える」だけで良いのです。

     ただ、もっと重要なことがあります。それは、「韓国の協力がなくても、米国が連携して、日本が北朝鮮核問題の解決に主体的に取り組むこと」、です。

     今回の一連の事件は日本にとっても苦しいものですが、「災い転じて福となす」という、貴重なチャンスが訪れていることも事実です。

     その意味で、私たちに求められているのは「現実をしっかりと受け止め、変化する覚悟を持つこと」なのではないでしょうか?


    「新宿会計士の政治経済評論」ブログより転載
    http://shinjukuacc.com/

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