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南柯一夢

韓国紙セゲイルボ

 世界最長の38年在任したジンバブエのロバート・ムガベ大統領が退任すると、ありとあらゆる暴露が続いている。グレース夫人がパリ旅行で1億870万ウォンの買い物をし、香港などに豪華別荘を購入したとして、「ファースト・ショッパー」「グッチ・グレース」と揶揄されるのは当たり前で、2人の関係は不倫から始まって超豪華な結婚式を挙げたなどと、陰口にはきりがない。息子は6600万ウォンのロレックスの時計をはめて映画『バットマン』のスポーツカーを乗り回しているとの悪評も出ている。昨日まで誰も口に出せなかったことだ。権力を手放した瞬間から経験する見るに忍びないありさまだ。

 朴正煕政権誕生の契機となった1961年の5・16軍事政変を企画・監督した金鍾泌元首相は権力の酸いも甘いもなめつくした後にこう評価した。「政治は虚業だ」。大統領選挙で3度敗北した李会昌元ハンナラ党総裁は「政治は南柯一夢(はかないひと時の夢)」だと評した。金大中政府時代の「与小野大」国会で野党を率いて権勢を誇示した彼も、政界入りを後悔したことが1度や2度ではなかった。

 “親朴核心”“親朴座長”として威勢を轟(とどろ)かせた自由韓国党の徐清源議員は四面楚歌に追い込まれている。党代表からゴキブリだと非難されるなど、親朴清算のトップに挙がっている。朴槿恵政権のアイコンであり飛ぶ鳥を落とす勢いだった“実力者副総理”崔京煥議員も痛嘆している。補佐陣の採用外圧で苦境に立たされ、国家情報院の特殊活動費を受け取った疑惑で窮地に追い込まれた。「無実だ」と訴える手紙を送りつけても誰も見向きもしない。朴前大統領は昨日の裁判にも現れなかった。「人間に対する信頼が想像すらできなかった裏切りとして返ってきて全ての名誉と人生を失った」と語った心境が嘘であるはずなかろう。名士たちに取り囲まれて、創造経済革新センターの開設を推進していたのはわずか1、2年前のことだった。

 為政者たちが彼らの身を置いた政界を思い起こすたびにぞっとして、(もう結構ですと)手のひらを振るのは、わが国の政治土壌のためだと言わざるを得ない。権力の甘味とこれをめぐって繰り広げられる裏切りと報復の遺産のためだ。SNSには「花無十日紅」(花に十日の紅なし)との皮肉があふれている。その一方で、もっと屈辱を受けて打ち砕かれてこそ正気に戻るのだと諭すものもあふれている。

 (11月29日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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