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北ミサイル発射ー米の軍事攻撃、一歩近づく

拓殖大学海外事情研究所所長 川上高司氏

拓殖大学海外事情研究所所長
川上高司氏

拓殖大学海外事情研究所所長
 川上高司氏に聞く

 北朝鮮が今回発射したミサイルの射程は1万3000㌔になると言われており、これまでのミサイルの射程をはるかに上回る。米東海岸まで到達する可能性のあるミサイル実験に成功したと言える。

 射程以上に気になっているのが、北朝鮮が今回、再突入技術の実験を同時に行ったかどうかだ。もし行ったとすれば、弾頭を燃え尽きないようにする技術がどの程度進展したのか注目される。米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を確保するには、再突入技術と核実験があと1~2回必要だ。

 米国は北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、ボールを北朝鮮に投げたわけだが、北朝鮮はミサイル実験でボールを撃ち返した格好だ。おそらく米朝間の対話がバックチャンネルで行われていたと思うが、それがうまくいっていないか、あるいは北朝鮮が対話をもっと進展させようと思ったのかもしれない。

 北朝鮮の立場からすると、できるだけ早く米国に届くICBMを確保したいというのが本音だ。対話をするにしても、有利な状況で米国と対話したい。そう考えると、今のうちに実験をやっておきたいと考えるのは当たり前のことだ。
 トランプ政権は現在、軍事オプションと対話オプションのどちらでも取れる状況にある。ただ、今回のミサイル実験で、軍事オプションに一歩近づいたのではないか。米国が軍事攻撃に踏み切るには、それだけの国内世論と国際的な支持の高まりがなくてはいけない。その意味で、今回のミサイル実験は、米国が北朝鮮を攻撃する有力な理由が一つ加わったと言える。
 北朝鮮がもう一度核実験を行ったら、米国は北朝鮮を攻撃する可能性が高い。

 日本としては、米国と一枚岩で対処するしか方策はない。米国が攻撃に踏み切れば、北朝鮮からミサイルが飛んでくる可能性がある。日本はこれを最大限迎撃をするが、打ち漏らしたミサイルに核や化学兵器が搭載されていることも否定できない。起こり得るさまざまな不測の事態に対し、覚悟とできるだけの対策が求められる。(談)

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