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フランス下院選、マクロン新党が単独過半数

棄権58%、問われる重責

 フランス国民議会(下院、定数577)選挙は18日、決選投票が行われ、即日開票の結果、マクロン大統領率いる中道新党「共和国前進」が単独過半数を超える308議席を獲得した。連携する中道政党「民主運動」の42議席と合わせ約6割の350議席を得て、マクロン政権の勝利となった。

マクロン氏

マクロン仏大統領=18日、パリ近郊(EPA=時事)

 共和国前進は、マクロン氏が昨年夏に発足させた政治運動を政党にしたもので、半数は政治経験のない候補者だった。39歳の大統領誕生に次ぎ、発足1年に満たない政党が議会で単独過半数を制する結果は、フランスの政党政治を根底から覆す選挙結果になった。

 とはいえ、メディアが予想した400議席超えは実現しなかったことや、中道右派・共和党が議席を減らしたものの137議席と健闘した。また、右派・国民戦線はルペン党首はじめ8議席を獲得、予想を下回ったとはいえ選挙前の2議席から躍進した。一方、社会党など中道左派は44議席と大幅に減らした。

 選挙結果を受け、マクロン氏は安定した政治基盤を築くことに成功したが、棄権率が58%弱に達し、過去60年間で最低の投票率42・6%を記録した。選挙直前に右派や左派の既成政党の議員が共和国前進に鞍(くら)替えするなど混乱が生じ、既成政党支持派の間に諦めムードが広がったことも棄権率の高さの一因と現地メディアは指摘している。

 マクロン政権は、棄権率の高さから国民の圧倒的支持によって議席を得たとは言えず、フィリップ仏首相は投票率が低かったことを認めた。その上で悲観論より楽観論を強調し、新党がフランス全体のために仕事をすることを約束した。

 マクロン政権は選挙期間中から、今後5年間で600億ユーロの財政支出削減や、公務員の12万人削減、公務員の手厚い年金制度を改革し官民格差を解消するなどの公約を掲げていた。

 しかし、国民の最大の関心事は、30年近く続く10%に上る高失業率にどう取り組むかで、まずは半年以内に雇用創出の結果を出すことが求められている。またテロ対策も、非常事態宣言下にあるフランスでは優先課題だ。今後、国民の厳しい目が向けられることになる。

(パリ安倍雅信)

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