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フランスのニースでラック突入、欧州は連携してテロ対策を

 フランス南部のニースで、フランス革命記念日を祝う花火を見物していた人の列にトラックが突っ込み、80人以上が死亡、200人以上が負傷した。

 犠牲者には子供も含まれる。無辜(むこ)の市民の命を奪うテロは決して許されない。

子供含む80人超が犠牲に

 実行犯はチュニジア出身の男で、警官との銃撃戦の末に死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)は事実上の犯行声明を出したが、詳細は分かっていない。捜査当局は、過激派組織とのつながりや過激思想への傾倒の有無などを調べる方針だ。全容解明を急ぐ必要がある。

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15日、仏南部ニースでトラックを調べる警官や鑑識官(AFP=時事)

 フランスでは昨年1月、風刺週刊紙シャルリエブドなどへの連続テロが発生した。11月にはパリ中心部の劇場などが襲撃され、130人が死亡する同時テロが起きた。相次ぐ蛮行に激しい怒りを覚える。

 今月ワルシャワで開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議では、首脳宣言にテロ対策が盛り込まれた。とりわけISの掃討に取り組む有志国連合やイラク治安部隊への支援拡大で協議、合意した。

 具体的には、NATOの空中警戒管制機(AWACS)などが収集した情報を有志国連合に提供する。IS掃討に取り組むイラク部隊に対する訓練の実施も決めた。

 一方、ISは軍事的に劣勢に立たされることに抵抗し、民間人を標的としたテロを繰り返している。市民が大勢集まり、警備も比較的緩い「ソフトターゲット」を狙うのが典型的な手口で、パリ同時テロや49人が死亡した米フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射など、今年に入ってISが犯行を主張しているテロがその最たる例だ。こうしたテロをどう防ぐかが、喫緊の課題だと言えよう。

 相次ぐテロを受け、米国防総省は20日にワシントン郊外でNATOなどとのテロ対策会議を開く。IS掃討作戦の強化策が主眼だが、今回のテロについても協議する方針だ。

 英国が先月、国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択したことで、欧州の政治、経済、軍事統合への不透明感が強まっている。欧州各国は連携してテロ対策に取り組む必要がある。

 今回のテロは、日本人にとっても人ごとではない。日本人7人を含む人質20人が殺害されたバングラデシュの飲食店襲撃は今月初めのことだ。今回のテロを受け、安倍晋三首相は犠牲者への哀悼の意を示すとともに、フランスへの強い連帯を表明。モンゴル・ウランバートルで開かれたアジア欧州会議首脳会議でも、テロ根絶に向けた協力を確認したとし、「国際社会と力を合わせ、卑劣なテロと断固として戦い、根絶を目指して協力していきたい」と強調した。

日本は共謀罪創設を

 日本では2020年に東京五輪・パラリンピックの開催を控える。五輪もかつてテロの標的となった。

 1972年のミュンヘン五輪では、パレスチナ武装組織によってイスラエルのアスリート11人が殺害された。重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる共謀罪の創設などテロ対策の強化を急ぐべきだ。

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