ワシントン・タイムズ・ジャパン

EU残留かを問う国民投票が迫る英国で…

 欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票が迫る英国で、残留支持派の労働党女性下院議員が銃撃を受けて死亡した。容疑者の男が犯行時、「ブリテン・ファースト(英国が第一)」と極右団体の名前を叫んでいたとの情報もある。

 まさに国論を二分するEU問題。今週に入って離脱派が残留派を上回りその勢いを増しつつあるとの複数の世論調査の結果が発表され、EU離脱への懸念が世界に広まった。

 そこで起きた残留支持派議員の殺害事件。殺害された議員への同情などで残留への支持が増すとの観測から、英国通貨ポンドや欧州単一通貨ユーロが急反発した。

 EU問題は、英国でずっと燻ってきた。ユーロには参加せずEUの中でも比較的自由な立場を認められてはいる英国だが、欧州懐疑派が、英国の主権が制限されることに不満を表明してきた。

 しかし、かつては民族主義的な政治信条を持つ人々に多かった離脱派だが、現在は高齢者や低所得層にも広がっているようだ。その背景には移民問題がある。昨年英国への純移民は30万人を数えた。殺害された女性議員は移民問題に熱心に取り組んでいた。

 中東などからEU諸国に押し寄せる難民を見て、移民に職を奪われるのではないかなど、強い不安を抱く英国人が増えるのも無理はない。EU問題はかつて以上に、英国民の生活に直接影響する度合いを増している。国民投票の結果は最後まで予断を許さないだろう。

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