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  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
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  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
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  • オバマの対宗教戦争・第1部
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    安東 幹
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    坂東 忠信
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    古川 光輝
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    細川 珠生
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    井上 政典
    井上 政典
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    伊勢 雅臣
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    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
    企業・経営
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    独州議会選で「極左」と「極右」が躍進

     ドイツの政界図が大きく変わろうとしている。「キリスト教民主同盟」(CDU)と社会民主党(SPD)の2大政党が政界をリードしてきた時代は確実に終わろうとしている。旧東独テュ―リンゲン州議会選(定数90)の投票結果は改めてそのことを実証した。以下、同州議会選の結果を少し検証してみる。

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    テュ―リンゲン州のボド・ラメロウ首相(テュ―リンゲン州首相府公式サイトから)

     旧東独のテュ―リンゲン州議会選の投開票が27日実施され、ラメロフ首相が率いる与党「左翼党」が約31%の得票率を獲得、第1党に躍進する一方、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が前回選挙(2014年)比で12・8%増の得票率23・4%で第2党に大躍進した。

     一方、前回選挙では第1党だった「キリスト教民主同盟」(CDU)は21・8%で11・7%減と大幅に得票率を失い、AfDに抜かれて第3党に甘んじた。CDUと共に連邦レベルで連立政権をつくるSPDは8・2%で投票率が遂に1桁台に落ちた。

     議会の議席獲得に必要な得票率5%を超えた政党はその他、「同盟90/緑の党」5・2%、前回議席が獲得できなかった「自由民主党」(FPD)は5%の壁をクリアして州議会にカムバックした。

     この結果、第一党に躍進した左翼党のラメロウ首相は政権の組閣に乗り出すが、左翼党、社民党、そして「同盟90/緑の党」の3政党から成る現政権の得票率を合わせても過半数50%を超えることができず、42議席に留まった。CDUはAfDと左翼党との連立を拒否しているため、ラメロフ首相の連立パートナー探しは難航することは必至の状況だ。

     ただし、同州CDUのモーリング代表は投票日の翌日、「州民にとって安定政権を発足させることは党の利益を優先することより大切だ。その意味で左翼党との連立の可能性を排除しない」と述べ、「同州の事情はベルリンのCDUより我々が知っている」と強調し、左翼党とのいかなる連立をも拒否するCDU本部の方針とは異なる意向を示唆したばかりだ。そこで左翼党とCDUの連立政権が誕生する可能性を予測する声が出てきたわけだ。ちなみにCDUのクランプ=カレンバウアー党首は、「左翼党とAfDへのわが党の立場には変わりがない」と述べ、州CDUを牽制している。

     同州の各党の結果を振り返る。

     「同盟90/緑の党」は議席獲得の最低得票率5%を辛うじてクリアした。連邦レベルの選挙では得票率を伸ばし、欧州議会選で20.5%の得票率を獲得したばかりだが、旧東独では「同盟90/緑の党」のプレゼンスは低いことが改めて確認された。「緑の党」は選挙前、「最低2桁の得票率を獲得したい」と述べていたが、結果は5・2%に終わった。旧東独地域の現実は厳しかったわけだ。同党にとって更なる飛躍のためには旧東独対策が必須となる。ちなみに、9月以降実施された旧東独3州の州議会選の結果は、ザクセン州で8・6%、ブランデンブルク州10・8%、そしてテュ―リンゲン州で5・2%の得票率に終わっている。

     「左翼党」は初めて30%の得票率を得、第1党となったが、同党に投票した有権者は左翼党の政策を支持するというより、ラメロフ首相への信任が厚いからだ。選挙前の世論調査では62%の州国民がラメロフ首相が主導する州政府の5年間の成果を評価していた。

     同首相は「第1党となった以上、わが党が政権組閣の権利があるので、全ての政党と連立で交渉する考えだ」と述べている。

     同州議会では社民党はラメロフ連立政権に参加しているが、与党としてボーナス・ポイントはなく、得票率の低迷にストップをかけられず、得票率は遂に2桁から1桁へ落下、党州議会歴代2番目の悪い結果となった。12月に開催予定の社民党党大会ではCDUとの大連立を継続するかどうかで党内で激しい議論が予想される。CDU/CSUとの大連立政権を担ってきた大政党のイメージはもはやなくなった。

     一方、AfDはCDUを抜いて同州で第2党に進出したが、左翼党、CDU、SPDがAfDとの連立を拒否しているので、政権入りは望めない。2015年の中東・北アフリカからの難民殺到を契機に難民歓迎政策を推進するメルケル首相への批判の声が高まったが、その批判票の最大の受け手は反難民、外国人排斥を訴えたAfDだった。

     ただし、ここにきてAfDの支持者に変化が見られる。投票結果の分析によると、AfDに投票した有権者の約40%はメルケル政権への抗議票ではなく、AfDの政策への確信、自信に惹かれて投票したと答えているのだ。換言すれば、CDUやSPDの既成政党は政治信条への確信を失い、政党としてのプロフィールが揺れてきているわけだ。

     テュ―リンゲン州議会選では極左「左翼党」と極右のAfDが躍進した。社民党の伝統的な支持者(中道左派)は左翼党に、CDUの支持者(中道右派)はAfDに投票したという分析結果が出ている。

     独週刊誌シュピーゲル電子版は28日、左翼党、AfDを“新しい中道”と評し、従来の中道政党だったCDUと社民党は社会の隅に追われていると指摘しているほどだ。

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