■連載一覧
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  • 2019/10/08
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  • 香港憤激 一国二制度の危機
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
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  • 新閣僚に聞く
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  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
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  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
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  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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    古川 光輝
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    細川 珠生
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    井上 政典
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    伊勢 雅臣
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    河添 恵子
    ノンフィクション作家
    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
    企業・経営
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    警察の“お粗末”な捜査に国民が怒り

     ルーマニア南部カラカルで2人の女性が殺害されるという事件が発生したが、警察側の捜査があまりにもお粗末であったことが判明し、それに抗議するデモが27日、首都ブカレストであった。

    800

    2件の女性殺人事件の全容解明を要求するルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領(大統領府公式サイトから)

     ブカレストからの情報によると、15歳の少女は24日、66歳の容疑者に誘拐された。少女は容疑者が留守の時、警察当局に緊急電話を入れ、助けてほしいと連絡したが、最初は警察側は悪戯電話と受け取り、真剣に対応しなかった。少女は3回、警察に助けを求めたが、警察側が実際に動員され、容疑者の家に入ったのは事件発生19時間後だった。少女は暴行された末、殺されていた。容疑者は27日、逮捕された。

     警察から尋問を受けた容疑者は15歳の少女のほか、18歳の女性の殺害も明らかにした。2人の遺体は焼かれ、遺物は容疑者の家や庭で見つかった。18歳の女性の場合、家族が今年4月、行方不明届けを警察に出したが、警察は何も対応してこなかった。そればかりか、女性が殺されていた事すら家族に連絡せず、女性の母親はテレビのニュースで娘の死を知ったという。

     2人の女性殺人事件での警察のお粗末な捜査を知った数千人の国民は27日、警察当局、司法省の対応を批判するデモをする一方、ダンチラ社会民主党主導政権の辞任を要求するなど、反政府デモに発展する気配が高まってきた。

     ダンチラン首相は凶悪犯罪に対する刑罰強化を問う国民投票の実施を提案する一方、野党出身のクラウス・ヨハニス大統領(国民自由党=PNL党首)は事件の全容解明を要求し、事件捜査に関わってきた関係者の処分を求めている。これまで事件に関連してヨアン・ブダ警察長官が解任され、3人の警察官が処分を受けた。

     同国では昨年8月、ルーマニア各地で社会民主党(PSD)現政権の退陣、早期総選挙の実施などを要求する数万人の大規模な反政府デモが行われたばかりだ。首都ブカレストの政府建物前で開催されたデモ集会では、警察部隊が催涙ガスや放水車で参加者を強制的に追い払い、その際、452人の負傷者が出た(「ブカレストで大規模な反政府デモ」2018年8月13日参考)。

     同デモの直接の契機は、政府が昨年7月初めに著名なラウラ・コブシ特別検察官(Laura Kovesi)を解任したことだ。 同特別検察官は国家腐敗防止局(DNA)の責任者で多くの腐敗政治家を拘束してきた。デモ参加者は「マフィア政府は即退陣せよ」「犯罪人を高官に任命するな」「我々が国民だ」と叫び、腐敗政治家の即退陣を求めた。

     ルーマニアで2016年12月11日に実施された総選挙に圧勝した与党中道左派「社会民主党」(PSD)は昨年1月15日、中道右派「自由民主主義同盟」(ALDE)と連立政権を発足させた。紆余曲折があった後、昨年1月29日、ダンチラ首相が就任した。

     PSDは公式には社会民主主義を標榜しているが、実際はニコラエ・チャウシェスク独裁政権時代に仕えてきた政治家や閣僚の末裔であり、“腐敗政治家、ビジネスマンの寄せ集め集団”ともいわれる。ちなみに、ルーマニア初の女性首相のダンチラ首相は国民からドラグネア党首の“操り人形”と受け取られてきた。なお、同党首は今年5月末、腐敗問題で禁固3年半の有罪判決を受けたばかりだ。

     旧東欧共産圏の民主改革から今年で30年目を迎えたが、旧共産政権下の幹部たちが依然、政財界に暗躍している。特に、司法改革は遅れ、ポーランドやハンガリーは欧州連合(EU)から司法改革の推進を求められてきた。ルーマニアでも同様だ。

     スロバキアで昨年2月、政府の腐敗、汚職問題を追及してきた著名なジャーナリストが恋人とともに自宅で射殺される事件が起きたが、同事件はスロバキア政界を大きく震撼させ、ロベルト・フィツォ首相(当時)は引責の形で辞任に追い込まれた。ダンチラ政権が今回の女性殺人事件が契機となって、辞任に追い込まれる政変に発展する可能性は排除できない。

     参考までに、ルーマニアのブカレストで2012年8月、日本人女子大生(当時20)がレイプされ、殺害されるという事件が発生している。犯人は逮捕された。

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