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  • 米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望
  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
  • 検証’18米中間選挙
  • 米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
  • 「米国第一」を問う トランプを動かす世界観
  • トランプのアメリカ 就任から1年
  • トランプVSリベラル・メディア
  • 「情報戦争」時代と米国
  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
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  • オバマの対宗教戦争・第1部
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 日本の拠出は中国人事務局長の言いなり

    国連工業開発機関

     米英仏など先進主要国が国連工業開発機関(UNIDO)から次々と脱退した今日、日本はUNIDOの数少ない貴重なドナー国だ。不思議なことは、李勇事務局長(元中国財務次官)がUNIDOのトップに就任して以来、在ウィーン国際機関の北野充日本政府代表部大使は積極的にUNIDOに資金を提供している。ウィーンの国連関係者からは、「李事務局長の言いなりに日本は資金を提供している」との指摘も出ている。(ウィーン・小川 敏)

    在ウィーン国連関係者らが批判
    中国の途上国経済戦略に加担

     在ウィーンの北野日本政府代表部大使は中国出身のUNIDOの李事務局長とはよほど相性がいいのだろう。北野大使は2016年3月、アフリカ・中東諸国を対象としたプロジェクトのキックオフ式典に参加し、UNIDOが担当するプロジェクト7件のために総額740万㌦を支援すると発表した。あれから3年後の今年3月11日、同じくUNIDOが推進する9件のプロジェクトのために総額580万㌦を拠出すると発表し、李事務局長を大喜びさせたばかりだ。

    UNIDOの李勇事務局長

    3月11日、ウィーンでアフリカ・中東諸国支援のための会議に臨む北野充大使(右)とUNIDOの李勇事務局長(UNIDO提供)

     日本政府が2016年、UNIDOを通じて支援した国はイラク、モロッコ、レバノン、ソマリア、ヨルダン、エジプト、スーダンの7カ国だ。北野大使は当時、「日本、UNIDO、そして支援を受ける国の3者関係は重要だ。日本政府の貢献が支援国の恩恵、特に若者や女性にとって支援となることを願っている」と述べている。今回はエチオピア、ガボン、イラン、イラク、レバノン、リビア、南スーダン、パレスチナ(自治区)、シリアの9カ国・地域だ。そして北野大使は「受益国、ドナー国、そして民間分野を連結させるUNIDOの役割を評価する。9件のプロジェクトは『持続的発展目標アジェンダ2030年』に貢献するものであり、人間の安全と人間性開発を結び付ける重要なコンセプトを具現化するものだ」と称賛している。

     先の国連関係者は、「日本が今回支援する国にイランが加わっている。米国が対イラン制裁を強化している時だけに、トランプ大統領のイラン政策を無視するようなものだ。日本が米国側の怒りを買っても不思議ではない」と解説する。ちなみに、イランのプロジェクトはオマーン湾に面したイラン南東部スィースターンバルーチェスターン州のチャーバハール郡都の漁業と関連産業の統合促進のためのもの。プロジェクト自体は軍事分野も核開発とも全く関係がないが、イランを支援するということ自体が米国を苛(いら)立たせるというわけだ。

     問題は、日本政府がアフリカや中東支援を真剣に考えるのならば、開発途上国支援で実績があり、高い評価を受けている国際協力機構(JICA)をなぜ利用しないのかだ。経済支援では国際機関経由ではなく、2カ国間支援が主流だ。日本の国益にも合致する。UNIDOのプロジェクトの場合、70%以上のプロジェクト資金が人件費、旅費で消え、現地に投入できる支援は少ないのが実情だ。

     中国人の李事務局長は就任直後からUNIDOを中国の開発途上国への経済戦略拠点として利用してきた。すなわち、国連専門機関を中国の国益拡大の戦略的基地化することだ。中国にとって、欧米諸国がUNIDOから次々と脱退することは重要なことではない。同事務局長は中国から多くの通商コンサルタントと呼ばれる専門家を呼んでいる。その一方、北野大使と関係を深め、日本からプロジェクトの資金を拠出させている。今月14、15日の両日、東京と大阪でキューバへの投資促進のためのビジネス会合が開催されたが、そのスポンサーはUNIDOだ。李事務局長は米国が警戒するキューバやイランへの支援を日本経由で秘かに進めているわけだ。

     李事務局長は昨年4月、中国メディアとのインタビューで、「UNIDOは中国共産党と連携し、習近平国家主席が提唱した『一帯一路』プロジェクトを推進させてきた」と述べている。李事務局長からは「UNIDOがその大プロジェクトの推進役だ」という自負心すら感じる。

     その李事務局長を資金面で支援しているのが日本政府、具体的には北野大使だ。日本政府は中国の新シルクロードと呼ばれる『一帯一路』を支援していない。というより、距離を置いてきた。その「一帯一路」を推進させることに使命感を持つ李事務局長を支援するということは、北野大使がそのプロジェクトを間接的とはいえ、支援していることになる。日本外務省は中国の国家戦略プロジェクト「一帯一路」を応援するUNIDO担当の北野大使の言動を公認しているのだろうか。

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