■連載一覧
  • 米中新冷戦 第3部 識者インタビュー
  • 米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望
  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
  • 迷走する北非核化
  • 2019/1/23
  • 2019/1/16
  • 2019/1/07
  • 2018/12/26
  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
  • 2015 世界はどう動く-識者に聞く
  • 2014 世界はどう動く
  • 2016/1/04
  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
  • 2014/1/06
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
  • 2017/7/01
  • 2016/1/18
  • 2015/12/26
  • 2015/7/12
  • 2014/11/21
  • 2014/11/14
  • 2014/11/06
  • 2014/7/08
  • 中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風
  • 危機のアジア 識者に聞く
  • 南シナ海 強まる中国支配 安保専門家に聞く
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
  • 2018/8/20
  • 2018/1/04
  • 2017/7/26
  • 2016/9/21
  • 2016/8/17
  • 2016/7/26
  • 2016/6/03
  • 2016/5/31
  • 2016/5/19
  • 2016/3/22
  • 2015/11/18
  • 2015/10/14
  • 2015/9/07
  • 2014/3/31
  • 2014/2/14
  • 2013/4/18
  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2017/9/01
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
  • 新閣僚に聞く
  • 懸案にどう挑む 第4次安倍改造内閣
  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
  • 新閣僚に聞く
  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • ’17首都決戦
  • 施行から70年 憲法改正を問う
  • どうなる「民共協力」 27回共産党大会の焦点
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
  • 2018/10/25
  • 2018/10/04
  • 2018/3/30
  • 2018/2/15
  • 2017/10/25
  • 2017/10/16
  • 2017/9/07
  • 2017/8/06
  • 2017/6/27
  • 2017/4/26
  • 2017/1/09
  • 2016/9/17
  • 2016/9/02
  • 2016/8/22
  • 2016/8/04
  • 2016/7/12
  • 2016/6/30
  • 2016/5/23
  • 2016/4/25
  • 2016/4/04
  • 2015/10/08
  • 2015/8/06
  • 2014/12/16
  • 2014/12/07
  • 2014/9/05
  • 2014/4/26
  • '18沖縄県知事選ルポ
  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2018/9/25
  • 2018/4/07
  • 2016/10/31
  • 2016/10/12
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • 平壌共同宣言の波紋
  • どうなる米朝首脳会談
  • 検証 南北首脳会談
  • どう見る北の脅威
  • 北暴走 揺れる韓国
  • どう見る北の脅威
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
  • 2018/9/26
  • 2018/5/23
  • 2018/5/01
  • 2018/2/13
  • 2017/9/21
  • 2017/9/19
  • 2017/6/26
  • 2017/5/17
  • 2017/5/11
  • 2017/3/15
  • 2016/12/27
  • 2016/12/05
  • 2016/8/24
  • 2016/7/20
  • 2016/5/10
  • 2016/4/29
  • 2016/4/15
  • 2015/6/22
  • 2015/5/11
  • 2015/2/05
  • 2013/12/10
  • 待ったなし地球温暖化対策
  • 環境先進国フランスの挑戦
  • 迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え
  • 2016/1/02
  • 2015/10/07
  • 2015/9/21
  • 検証’18米中間選挙
  • 米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
  • 「米国第一」を問う トランプを動かす世界観
  • トランプのアメリカ 就任から1年
  • トランプVSリベラル・メディア
  • 「情報戦争」時代と米国
  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
  • オバマの対宗教戦争・第2部
  • 2018/11/11
  • 2018/10/15
  • 2018/7/18
  • 2018/5/08
  • 2018/3/12
  • 2018/1/18
  • 2017/12/21
  • 2017/4/03
  • 2017/2/28
  • 2017/1/22
  • 2016/11/11
  • 2016/10/08
  • 2016/9/26
  • 2016/8/06
  • 2016/6/14
  • 2015/11/08
  • 2015/7/06
  • 2013/8/05
  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 安東 幹
    安東 幹
    共産党問題
    坂東 忠信
    坂東 忠信
    元警視庁北京語通訳捜査官
    古川 光輝
    古川 光輝
    保守国際派
    細川 珠生
    細川 珠生
    政治評論家
    井上 政典
    井上 政典
    歴史ナビゲーター
    伊勢 雅臣
    伊勢 雅臣
    「国際派日本人養成講座」編集長
    河添 恵子
    河添 恵子
    ノンフィクション作家
    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
    企業・経営
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    ローマ法王「中絶は人権にあらず」

     世界に約13億人の信者を擁するローマ・カトリック教会の最高指導者、法王フランシスコは2日、「中絶は人権ではない」と述べた。バチカンニュースが同日報じた。フランシスコ法王がイタリアの胎児の権利を擁護する非政府機関(Movimento per la vita)の代表団に語った内容だ。ローマ・カトリック教会は中絶に対しては厳格に反対してきたが、「中絶は人権ではない」と強調した今回の法王の発言は教会内外で大きな波紋を呼ぶのは必至だ。

    700

    夜の闇に浮かぶ教会の塔(2018年7月27日、ウィーンで撮影)

     フランシスコ法王は、「中絶をあたかも人権のように受け取る者もいるが、胎児は自分の好みによっては愛し、そうでない時は捨ててしまうような消費財ではない。命を抹殺することは殺人を意味する深刻な問題だ」と主張した。そして世界の指導者に向かって「中絶を認めるような法を支持することは間違いだ。命を守ることが共同の価値の土台であるという信条をもつべきだ。子供の誕生は未来であり、希望を意味するからだ」と強調している。

     フランシスコ法王が中絶問題でこのようにはっきりとした言葉で表明したのは珍しい。最近では、フランシスコ法王は昨年10月10日、バチカンのサンピエトロ広場の一般謁見の場で、「妊娠中絶は殺人請負人を雇うことと同じだ」と発言し、教会内外で大きな波紋を呼んだことがあるが、今回の発言はそれを凌ぐインパクトのある表現だ。

     フランシスコ法王は中絶問題では教会のドグマを堅持する一方、計画出産、避妊の必要性については言及している。同法王は2015年1月19日、スリランカ、フィリピン訪問後の帰国途上の機内記者会見で同行記者団から避妊問題で質問を受けた時、避妊手段を禁止しているカトリック教義を擁護しながらも、「キリスト者はベルトコンベアで大量生産するように、子供を多く生む必要はない。カトリック信者がウサギのようになる必要はない」と述べ、批判の声が上がったが、多産国家のフィリピンでローマ法王は中絶を避ける防止策として避妊を間接的に勧めたわけだ。

     このように書いていると、フランシスコ法王が今年11月、訪日することを思い出した。少子化が急速に進む日本でフランシスコ法王はどのような発言をするだろうか。日本でも中絶問題は深刻であり、その件数は少なくない。その日本でイタリアのNGO代表団の前で語ったように「中絶は人権ではない」「中絶は殺人だ」という発言をした場合、日本のカトリック信者はひょっとしたらパニックに陥るかもしれないからだ。

     日本のメディアではLGBTを擁護し、同性婚を支持する論調が増えてきているが、フランシスコ法王は機会がある度に「婚姻は男性と女性に限られる」と述べている。すなわち、同性婚の考えとは相いれないわけだ。

     自民党の杉田水脈衆院議員が月刊「新潮45」に寄稿し、「『LGBT』支援の度が過ぎる」の中で「性的少数派(LGBT)は非生産的だ」、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるか」と指摘したことが報じられると、性的少数派ばかりか、マスコミや政治家も巻き込み、寄稿者への批判の声が飛び出したお国柄だ。フランシスコ法王のLGBT問題に対する見解に傾聴してもいいだろう。

     フランシスコ法王の訪日を歓迎する声が多い。南米出身のフランシスコ法王は世界で唯一の被爆地、広島、長崎を訪問し、被爆者の霊を慰め、隠れキリシタンの地を訪ね、日本のキリスト信者の信仰を称賛するだろうが、フランシスコ法王は中絶に強く反対し、性的少数派の問題でも同性婚には反対している。日本社会が抱えている少子化問題、中絶問題、性的少数派問題についてはっきりとしたスタンスを有した宗教指導者であることを忘れるべきではないだろう。ローマ法王はポップス界のスーパースターではない。

     その意味から、フランシスコ法王の訪日を中絶問題やLGBT問題について議論するチャンスに利用すべきだろう。被爆地を訪問し、隠れキリシタンの地を慰霊と称賛を聞くだけでローマ法王の訪日を矮小化してはならない。1981年2月の故ヨハネ・パウロ2世以来、33年ぶりのローマ法王の訪日だ。この機会を日本社会が抱えるさまざまなテーマについて宗教指導者の意見を聞き、その是非を議論することができれば、フランシスコ法王の訪日は日本国民にとっても有益なイベントとなるだろう。

     その最初の試みとして、「中絶は人権にあらす」というテーゼについて、日本のカトリック信者ばかりか、知識人を巻き込んだ議論が湧き出ることを期待したい。議論はヒートするかもしれないが、議論を恐れることない。

    (ウィーン在住)

    1

    コメント

    コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

    コメント

    コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。