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    中村 仁
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    中澤 孝之
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    丹羽 文生
    丹羽 文生
    拓殖大学海外事情研究所准教授
    太田 正利
    太田 正利
    外交評論家
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    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
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    石平
    石平
    評論家
    新宿会計士
    新宿会計士
    政治経済評論家
    長谷川 良 (ウィーン在住)
    長谷川 良 ...
    コンフィデンシャル
    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    戦争と民族の悲劇が凝縮された〝親日国〟ポーランド②

    ワルシャワ全体がお墓

     1918年に独立を回復するまでの123年、〝亡国の民〟だったポーランド人。首都ワルシャワは、大量の血を流さない限り国を取り戻せないことを私に教えてくれた街である。

    しかも、独立回復の喜びもつかの間。ヨシフ・スターリン率いる狡猾で残虐なソ連と、アドルフ・ヒトラーのもとで凶暴を極めるナチス・ドイツに挟み撃ちされたポーランドは、第2次世界大戦中、史上類をみない無間地獄に落ちていく。当時、ポーランドは米国(主にニューヨーク)の次にユダヤ系住民が多かった。欧州の中でも宗教的に寛容なポーランド人が暮らす地に、西欧で迫害を受けてきたユダヤ人が移住し、300万人強が暮らしていた。

     そしてユダヤ人のみならず、愛国の志士、知識人、司教、若い女性や子供までが虐殺のターゲットとなる。1943年のワルシャワ・ゲットー蜂起、そして1944年8月から2ヵ月続いたワルシャワ蜂起では、旧市街の85%がナチス・ドイツ軍によって破壊され、火炎放射器で焼き尽くされ瓦礫と化した。

    パヴィアク内で戦争体験を語る老人と学生たち

    パヴィアク内で戦争体験を語る老人と学生たち

     ポーランドの人口は3000万人ほどだったが、第2次世界大戦の被害者は重軽傷者を含むと2000万人以上、人口の5人に1人にあたる約600万人が亡くなるという世界最高比率の犠牲者を出した。そこにはアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所などで、無残な最期を遂げた約270万人のユダヤ系ポーランド人も含まれる。

    「ワルシャワの街はナチス・ドイツによって物理的に破壊され、ソ連(共産主義者ら)によって精神的に破壊されました。精神的破壊の方が、後世まで影響します」

     ポーランド滞在中、地元のガイドの1人が、「ワルシャワ全体がお墓なのです」と淡々と語っていたが、ワルシャ全体が戦跡ともいえる。ワルシャワと近郊を車で縦横無尽に走り、あらためて気づくのは墓地の多さと広大さだ。墓地が大きい理由の1つは土葬のためだが、先人たちによる、「亡国で終止符を打たない」壮絶な覚悟、死闘の果てにこの国が存在することが分かる。自由と民主の価値もそれだけ重い。

     ポーランドには、「戦争」「共産主義との戦いと民主化への道」、さらに「民族の悲劇と蜂起」を知ることができる大規模かつ本格的な博物館が幾つもあり、社会見学で訪れる小中学生、高校生の姿を日々たくさん見かける。しかも、これら博物館を何ヵ所か見学して感じるのは、民族としての被害者意識よりも、「祖国の独立と自由を守るために、先人たちがいかに奮闘したのか」という勇気と献身を強調していることが分かる。ガイドは、「子供たちには、国のために尽くし、頑張った人を讃え、誇りに思ってもらえるように伝えている」と語っていた。

     数年前に、ワルシャワ郊外の国立公園内にあるパリミリ墓地を訪れた。第2次世界大戦中に戦地となったこの林地にある、ナチス・ドイツからの解放を目指した、主に知的階級のポーランド人2000人を超える英霊が眠る、いわば〝靖国神社〟だ。ゲシュタポ(ナチス・ドイツの秘密国家警察)は狂気の沙汰だったが、占領国ロシアもポーランド兵を助けようとはせず「傍観を決め込んだ」というからダブルの悲劇である……。

    ワルシャワ郊外パルミリ墓地

    ワルシャワ郊外パルミリ墓地

     パリミリ墓地の石碑には、こんな言葉が刻印されている。
    ――ポーランドについて語ることはやさしい。ポーランドのために仕事をすることは難しい。ポーランドのために死ぬことはさらに難しい。しかし、最も難しいのは、ポーランドのために耐えることである――

     自由で平和な自分たちの国を、命を捧げても取り戻したかった若き志士が遺した詩である。列強による侵略で、幾多の悲運に見舞われながらも国家を再生させたその反骨精神、勇猛果敢さと愛国心にただただ敬服している。

    知覧の特攻隊員の遺書を彷彿

     外国人はそれほど多く訪れないが、ワルシャワにある「パヴィアク刑務所博物館」は、ナチス・ドイツ占領時代に反ナチの若きエリート活動家らが収監されていた記録を残す、元刑務所の博物館だ。この刑務所にも死刑部屋があったが、ここを経由して、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所に象徴される絶滅収容所へ連行されたポーランド人が多かったという。

     パヴィアクに収監された1人、社会史家のユダヤ系ポーランド人エマニュエル・リンゲルブルム氏は、ゲットー内で起きた様々な事実を丹念に記録し、自分が殺されることを覚悟し、地下深くに日誌を埋めたという。その日誌は戦後に発見され、書籍となり、日本でも『ワルシャワ・ゲットー捕囚1940‐42のノート』(みすず書房)が翻訳出版されている。ゲットー内での文化的活動から、同胞の卑劣な行為まで……。極限に追い込まれた人間の様相が記されている貴重な資料である。

     この刑務所には、日本とも関連する悲しい物語が遺されている。凄まじい拷問と、過酷な生活環境の中で、死の恐怖を紛らわそうと日本人形を秘密裡に制作する女性がいたのだ。反ナチの組織に所属し投獄された若き美容師、カミラ・ジュコフスカさんである。

    カミラ・ジュコフスカさんの日本人形

    カミラ・ジュコフスカさんの日本人形

     劇場で「蝶々夫人」を観て以来、夢中になっていたオペラ歌手の喜波貞子をモデルに、自身が生きてきた証として日本人形を作っていた。日本に魅了されていたカミラさんは、髪の毛が黒いことから、「私は日本人よ」などと語っていたそうだ。

     材料は、身分を偽って看守をしていたレジスタンス活動家が、服の襟に縫い付け運び入れ、白地の着物に薄黄色の帯、金色の草履で日本髪に結われ完成した日本人形も、味方の看守が決死の覚悟で運び出したという。カミラさんは家族宛ての手紙に、「あなたへの人形が出来上がりました。日本人が立っています。ピアノの上に飾って下さい。『テイコ・キワ』と名付けて下さい」と綴った。

     その後、37歳のカミラさんは、カンピナスの森に連行され射殺……。形見となった日本人形は、長い間、姪が保管していたが、「テイコ」をポーランドらしく「タイカ」として、パヴィアク刑務所博物館に展示されている。

     同博物館に展示されている、罪なき政治犯の遺書ともいうべき手紙の内容を幾つか訳していただいた際、知覧の特攻平和会館で読んだ、家族への手紙や遺書の内容とダブり、心が震えた。

     自分の命を捧げても国を取り戻すことを願ったポーランドの若き志士、愛する家族のため、国のために自身が犠牲となった特攻隊員の遺書。同じ時代、別の国で育った双子のようにすら感じたのは私だけだろうか?


    戦争と民族の悲劇が凝縮された〝親日国〟ポーランド①

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