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謎深まる元露スパイ襲撃事件

中澤 孝之

軍用毒物使用説に異論も 親子回復も捜査は長期化へ

日本対外文化協会理事 中澤 孝之

 3月初めに英国南西部ソールズベリーで起きたロシアの元情報機関員で2重スパイのセルゲイ・スクリパリ氏親子暗殺未遂事件から2カ月近くが過ぎた。しかし、犯人は誰なのか、使われた有毒化学物質(神経剤)の出所はどこなのか、それはどのようにして持ち込まれたのか、親子はどこで危害を受けたのかなどがいまだに特定されていない。

 英捜査当局の発表で確かなのは、重体だった親子とも体調が回復し、娘のユリアさんは4月9日に退院(その後、当局が秘密の場所に隔離したもよう)、入院中のスクリパリ氏も意識が回復して「急速に快方に向かっている」ことである。現場に駆け付けて気分を悪くし病院に運ばれたニック・ベイリー刑事巡査部長も同月22日に退院したという。つまり、ポート・ダウン秘密兵器研究所が「ノビチョク」の一種「A234」と特定した軍用の神経剤による死者は幸いなことに、一人もいなかった。


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