ワシントン・タイムズ・ジャパン

前副首相と女子テニスの世界チャンピオンが不倫で大炎上

 こんにちは、元・中国人、現・日本人の漫画家の孫向文です。

 先日、中国共産党の六中全会が閉幕しました。習近平主席は3期目に再選され、少なくとも2027年まで国家主席を続けることになりそうです。

 実は今回の会議の前に、中国各地で大爆発、大火事などが同時に発生したのは、習近平を困らせるためのテロではないか?という中国の民主派メディアや学者の分析を、前回のコラムで紹介しました。今、最も注目されているのはチャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員会委員)の一人だった張高麗前副首相と中国の女子テニスの世界チャンピオン・彭帥(ポン・シュアイ)選手との不倫騒動です。

張高麗前副首相(右)と女子テニスプレイヤー・彭帥選手(左)

張高麗前副首相(右)と女子テニスプレイヤー・彭帥選手(左)

 もともと中国国内で炎上していましたが、中国政府が必死に情報を削除、遮断していました。しかし、すでに、全世界のメディアでも大きく報道されています。なぜならば、被害者の彭帥氏は、世界中にファンが多い女子テニスの世界チャンピオンで、しかも美人。

 WTA(女子テニス協会)のCEOを務めるスティーブ・サイモン氏が11月14日に、彭帥氏の事件に対する報道規制の停止を中国当局に要求した上で、「性的暴行を伴う中国の元指導者の行動に関する彼女の告発は、真剣に扱われなければならない。私たちの揺るぎない優先事項は、WTA所属の全ての選手の健康と安全だ。どのような社会においても、彭帥氏が主張しているようなことは、容認されたり無視されたりすべきでなく、調査される必要がある」と公式声明を発表しました。

 この事件の詳細について、日本のメディアは多くを報道しませんでした。今回はこの事件の詳細を紹介します。

●40歳差の愛人

 張高麗氏が彭帥選手を強姦したという説がありますが、実は彭帥選手が、自身の微博(中国版SNS)で「(張高麗氏に)恋をした」と告白しました。張高麗氏は75歳、彭帥選手は35歳の「40歳の年齢差」ですが、おそらく真実は、張高麗氏は彭帥氏の体を目当てにしていたが、それを彭帥氏は「恋をした」と勘違いしたということではないでしょうか?

 つまり、張高麗氏にとって彭帥氏は、たくさんの愛人の中の一人にすぎないのかもしれません。

 彼女は張高麗氏と相思相愛でした。2人は一緒になると、いつもテニスだけでなく、ビリヤード、卓球、歌、将棋をしたり、最近の話から歴史、あらゆる知識や経済哲学まで、尽きることのない話題について話し合ったりしていました。2人の相性は非常によく、すべてが一致していて「忘年の恋」だと彭帥氏自ら述べています。

 2人はとても寂しがりで、孤独の身でしたが、張高麗氏は高い地位にあるため、離婚することはできません。張高麗氏の経歴を見ると、
 ・2002年から2007年まで山東省党委員会書記、
 ・2007年から2012年まで天津市党委員会書記を務め、共産党中央政治局員にも就任、
 ・2013年には国務院副首相に就任し、2018年にようやく引退しました。

 2人の交際は10年以上前、張高麗氏が天津市党委員会書記を務めていた2007年から2012年の間に始まりました。2人は、7年前までは性関係を持っていましたが、その後は張高麗氏が彭帥氏に連絡しなくなりました。

 彭帥氏は、自分には張高麗氏と交際している証拠がなく、証拠を残すこともできなかったと言っています。さらに、張高麗氏は交際を否定していましたが、彭帥氏は2人の関係は、真実であると主張していました。

●愛情のない夫婦関係

 彭帥氏の投稿によると、3年前、つまり2018年に70歳の張高麗氏が引退し、彭帥氏を思い出して、天津テニスセンターの劉大夫氏を通じて、彭帥氏とのテニスを約束しました。場所は北京の康銘大厦で、プレー後に張高麗氏と康潔夫人は、彭帥氏と一緒に張高麗氏宅に帰り、張高麗氏が彭帥氏を自分の部屋に連れて行き、体を求めるも、彭帥氏はパニックになって拒否しました。

 夕食後、張高麗氏は、7年前の彭帥氏のことを「忘れたことはない、これからも関係を続けたい」と情熱的に語りかけ、彭帥氏も「私もあなたと同じ気持ちです」と性関係に同意しました。

 しかもその現場が誰にもバレないように、張高麗氏の康潔夫人が部屋の外で見張っていたというのです!
奥さんが旦那と愛人が性関係を持つ現場を見張っているというのはどういうことでしょうか。

 恐らく張高麗氏と康潔夫人の間に愛情は微塵もなかったのでしょう。ただの政治と金銭の従属関係だけなのかもしれません。これが共産主義国家であり、このようなことは日常茶飯事のことなのです!

 ところで、彭帥氏が今回投稿した目的や動機は何だったのでしょうか?
実は、康潔夫人は、夫と関係を持っている彭帥氏を言葉で侮辱することが多く、彭帥氏は康潔夫人を「おばあさん」と罵り、康潔氏は彭帥氏を「気持ち悪い」と蔑んでいました。2人の間で「正妻」争いがあったことがわかります。康潔夫人が、彭帥氏と張高麗氏の間で起こっていることに干渉したかどうかについては、明確な説明はありません。

 彭帥氏は、康潔夫人の罵りの言葉に胸を痛め、「張高麗と出会った日から、張高麗のお金を使ったこともないし、彼を利用したこともない」と言っています。彭帥氏は「正妻」の地位を狙い、さらに妊娠すれば、子供のために金銭と地位を手に入れるつもりだったという噂もあります。まるで日本の時代劇「大奥」を彷彿させます。

●「ただの不倫事件ではない」

 ここまでは年老いた男性官僚と若いテニスプレーヤーの不倫話でしたが、では中国共産党の女性の官僚が「若いツバメ」を養うこともあったのでしょうか?

 答えは「イエス」です。多くの共産党官僚の高齢の女性が「若い男性の愛人と不倫」という名目で粛清された事件はしばしば報道され、それも派閥闘争の一貫です。もっともっと昔の中国の歴史を遡ると、唐の時代に、「中国唯一の女帝」である武則天も若いツバメを養ったという逸話があります。

 それは、20歳前後の美男子の張易宗と張易之の兄弟です。

 当時81歳の武則天は60歳も若い2人を寵愛し、「太平広記」によれば、宰相・張柬之が起こした神龍政変(クーデター)で、兄弟2人は迎仙院で殺され、その遺体は天津橋の南側で公開されたと言われています。武則天の2人の男娼も、最後には政敵に殺され、惨めな死に方をしました。

 話を戻します。今回の張高麗氏と彭帥氏の不倫関係を、天安門事件の学生リーダーである王丹氏は「ただの不倫事件ではない」と分析しました。

 最近、アメリカのメディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」に寄稿した王丹氏は、今回の彭帥氏の事件について見解を述べています。ただし、この記事はすぐに微博から削除されました。

 このニュースは広く拡散し、ニューヨーク・タイムズをはじめとする欧米の主要新聞が報じ、外部に大きな衝撃を与えました。

 王丹氏は、「単なるMeToo(ミートゥー/私も)運動のような典型的なセクハラのケースではなく、『権力闘争』が絡んでいて、一種の陰謀と言えます」と指摘しています。現在、彭帥氏は消息不明というニュースもあります。いずれにしろ、共産主義、古の中国大陸の権力闘争に巻き込まれた一般中国人は惨めな人生を送るようになることを、今回の事件は再び証明したといえるでしょう。

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