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中国 コロナ下の「春節」、帰省自粛で個人消費低迷

共産党100年・人権、五輪に難題

 中国で春節(旧正月=今年は2月12日)に伴う大型連休(11~17日)が終わり、今年は「現在いる場所での年越し(就地過年)」を中国政府が国民に呼び掛け、個人消費がしぼんだ。7月には中国共産党建党100周年を迎え、来年2月の北京冬季五輪開催を党の威信を懸けて達成させたい意欲がにじむが、コロナ対応や人権問題など道は険しい。(深川耕治)

旧正月前の2月11日、春節の大移動がなく閑散とした中国・北京駅前(UPI)

旧正月前の2月11日、春節の大移動がなく閑散とした中国・北京駅前(UPI)

 11日、北京の人民大会堂で行われる毎年恒例の春節前日の政府主催の祝賀会では習近平国家主席や李克強首相ら党指導部や各界各層のリーダーら約1000人が集まり、習主席は今年が中国共産党建党100周年の節目であることに祝意を述べた。

 湖北省武漢市が感染源となった新型コロナウイルスでパンデミックとなった昨年を振り返り、「わが国は世界に先駆けてコロナ蔓延(まんえん)を抑え込み、GDP(国内総生産)もプラス成長させた」と礼賛。

 「100年来、中国共産党の指導下、中華民族は立ち上がり、偉大な躍進を遂げた。わが党は世界最大の社会主義国家として70年以上、国を治め、9100万人の党員を擁する世界最大のマルクス主義による執政党であり、14億人の人民による広範な支持を得ている」と中国共産党の偉業を手放しで全面評価。国内向けとはいえ、ウイグル族やチベット族の人権問題、香港問題、台湾問題など国際的な厳しい批判に対しては一切関知しない姿勢を貫いている。

 米CNNによると、世界保健機関(WHO)調査団員のピーター・ベンエンバレク氏の話として新型コロナの発生源とされる武漢市で2019年12月に感染者が1000人を超えていた可能性が出てきており、重症急性呼吸器症候群(SARS)の教訓が生かされず、中国政府の初動態勢のずさんさが世界に蔓延する要因であったことが改めて示唆されている。

 今年7月1日は中国共産党の建党100周年の記念日。実際は1921年7月23日が第1回党大会を毛沢東ら12人によって上海で開いた日であり、東京五輪の開会日である7月23日と重なる。同党にとっては奇しくも北京冬季五輪を意識する日程となっている。

 広東省では春節の帰省で低コストのバイク、スクーターでの移動が年々、人気となり、ピーク時は30万~40万台を利用していたが、昨年は10万台前後、今年は検疫が厳しくなり、さらに半減している。農民工(出稼ぎ農民)の場合、帰省する際にPCR検査の陰性証明の提示が求められるだけでなく、地方によっては14日間の隔離期間があり、職場復帰する際も14日の隔離期間が義務付けられているため、帰省のコストが高過ぎて自粛するケースが多い。中国で働く台湾人ビジネスマン、留学生も台湾に帰省するのは約3割。

 中国労働学会と国務院参事室社会調査センターが今年、農民工約5万3000人に合同調査した世論調査結果によると、約77・6%が帰省せず、職場で春節を過ごしたとしている。コロナウイルス禍による巣ごもり需要でネット通販、配達は活況。中国では遠出の旅行を控え、映画館で映画を見る人が増え、1月下旬から2月15日の映画売上高は約62億元(992億円)で昨年より4億元増だった。

 北京冬季五輪は来年2月4日が開幕予定日。習国家主席は1月18~19日、会場となるスケートリンクやスキーのジャンプ場などを視察。「五輪の開催は党と国家にとって一大事」と檄(げき)を飛ばした。しかし、昨年12月から始まる予定だったプレ大会はコロナ感染拡大の影響で続々と中止、延期。海外選手の隔離や移動などを含むコロナ対策を施した大会の経験もできず、東京五輪の動向を注視している。

 英BBCはウイグル族の「再教育施設」をめぐり、人権弾圧や集団性的暴行があったと報じ、中国側が反発。英当局は4日、中国国際テレビ(CGTN)の放送免許を取り消した。中国当局も、BBCのワールドニュースの放送を禁止し、対立が深まっており、北京五輪ボイコットの動きも英豪などで出始めている。

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