«
»

香港デモを鎮圧できない理由

■香港市民の怒り

 香港の一国二制度は実質的に崩壊し、中国共産党は香港警察を手下に使い香港市民から抵抗心を奪おうとした。だが香港デモは半年を超えた。香港警察の中身は武装警察・人民解放軍と示唆され、強硬路線で香港市民の人権を弾圧している。香港市民は親中派・香港警察・三合会の恐怖の中で生活しているが五大要求を諦めていない。

■何故鎮圧できないのか?

 香港警察と香港デモ隊の装備は致命的な差がある。香港警察の装備は攻撃用と防御用を持っている。だが香港デモ隊の装備は防御用も貧弱。攻撃用は投石・火炎瓶・弓矢程度。しかも積極的に致命傷狙うことをしない。

 デモ隊の攻撃は限定攻撃で、香港政府が市民を監視するシステムの破壊か、親中派の店を攻撃するだけ。公共物を破壊する段階で暴徒になるが、デモ隊は基本的に限定攻撃を貫いている。

 つまり香港デモ隊は公共物を破壊すれば暴徒になり、政府への抗議に専念すればデモ隊になる。香港デモ隊が暴徒呼ばわりされたくないなら公共施設を破壊しないことだ。

 だが香港警察は無差別攻撃で挑んでおり、デモ隊・市民・外国人を問わず攻撃。時には催涙弾のガスが街を覆うほどになり、生活する人間全てを苦しめている。これでは香港市民の怒り・憎しみが増加するだけ。初期段階では中立派の市民がいたとしても、香港警察の無差別攻撃でデモ隊支持に回ることになる。

 香港警察は中国共産党の命令で動いているから、恐怖で香港市民を支配しようとした。だが恐怖を撒き散らしたことで逆にデモ隊を増加させたと言える。これは中国共産党の方針が間違っていることが原因だと推測する。

■対テロ作戦なのか?

 軍隊・警察で対テロ作戦・対ゲリラ作戦を行う場合は、いると思われる場所を大きく包囲する。次に包囲の環を段階的に小さくするのが基本的な作戦手順。代表的なのはチェチェン紛争(1994~2009年)で、初期のロシア軍は失敗続きだった。作戦構想の間違いに気付いたロシア軍は、基本に回帰して包囲の環を段階的に小さくする作戦にすると成功している。

 香港警察の作戦行動を見ると、チェチェン紛争で失敗したロシア軍の作戦行動と同じ。人が集まる場所に警官隊を集中して逮捕するか、恐怖を撒き散らす。だが香港市民は怒りと憎しみを増すだけで抵抗者が増加している。

 対テロ作戦が目的なら香港を包囲する。次に段階的に包囲の環を小さくしてデモ隊を逮捕する。これは概ね下記の手順になる。

市街への攻撃側(市街の包囲が基本)

第1段階(1週間):二方向から市街に接近し敵と接触する。

第2段階(2週間):市街地外苑に自軍の主力部隊を展開させる。さらに兵站基地を設定する。

第3段階(2日間):歩兵を市街地に突入させる。

第4段階(3週間):市街地を区分化し、区画を一つ一つ潰す区分殲滅を行う。
         状況により、包囲の一部を開けて敵に逃げ道を与える。これは逃げる敵を攻撃するため。

 デモ隊と香港市民の選別は難しい。だから区画掃討で身元調査をしながら進行する。これを一夜にして実行すれば第二の天安門事件の再現。中国共産党が国際社会から批判されることを恐れるなら、対テロ作戦は実行が難しい。だが香港で対テロ作戦の動きには見えない。

■対ゲリラ作戦なのか?

 対ゲリラ作戦ならば、香港警察はデモ隊と香港市民の分離を実行する。対ゲリラ作戦では現地民は中立派と見る。そして現地民の行動に自由を与え妨害しないのが基本。現地民は中立だから、利益を与える側・自由を保証する側の味方になる。

 香港警察の作戦行動を見ると対ゲリラ作戦の基本ではない。香港市民から自由を奪い利益を奪う。これでは中立派は自由を保証するデモ隊の味方になる。香港警察の作戦行動は対ゲリラ作戦としても失敗で、敵を増加させることしかしていない。

■中途半端

 香港警察は基本から見ると対テロ作戦・対ゲリラ作戦いずれも中途半端。香港警察の無差別攻撃は市街地に潜むデモ隊を区画掃討で排除する動きだ。これは対ゲリラ作戦では実行しない。香港警察の作戦行動は対テロ作戦に見えるが、基本を無視しているから空回りしている。

 中国共産党は恐怖で香港市民を支配したいのだろう。だが基本がないから香港市民を怒らせるだけ。では今から対ゲリラ作戦に変更し、デモ隊と市民を分離できるのか。答えは「既に遅い」。

 今から対ゲリラ作戦で香港市民に行動の自由を与えても、既に芽生えた怒り・憎しみを消すことはできない。香港市民は中国共産党・香港政府・香港警察を信用しないから、何をしても無駄な状況になっている。

4

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。