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    堂本かおる
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    米コラムニスト
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    後藤 文俊
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    高永喆
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    宋大晟
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    呂 永茂
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    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人
    ファリード・ザカリア
    ファリード・...
    米コラムニスト

    スマホアプリで個人情報ダダ洩れ、恐怖のIT版「1984」だ

     こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
     80年代にイギリスの映画「1984」はソ連の監視社会を風刺した作品として大ヒットしました。今は「監視社会」の代名詞である。40年後に中国ではインターネットが普及し、AI(人工知能)の発達とともに、「IT版1984」は中国国民の生活で文字通り「上演」してます。

    ●監視強化するWeChat(ウィーチャット)

     中国製のSNSウィーチャットは中国国内でシェア率1位のSNSアプリになってます。LINEと似た機能で、あらゆるお店で電子決済もできる、もはやウィーチャットを使わなければ中国で生活することが不便になり、今や日本人の想像すらできないのではないでしょうか。80歳代の老人さえも使いこすアプリです。

     そんなウィーチャットでブログを書き込み、家族、友人と行う文字、音声のチャットの内容は、すべて中国のネット警察に監視されてることは、中国国民の周知の事実ですが、中国政府は海外製のSNSアプリをすべて遮断したため、中国国民は本当のところ使いたくないのですが、他に選択肢がないので、しぶしぶ使っているわけです。ウィーチャットでの投稿の内容は永久にサーバー上に保存され、中国国民の「言論犯罪」の証拠として、公安当局がいつでも読み出すことができます。

     8月末、新疆ウイグル自治区に住む漢族の女性が、ウィーチャットで「どうやったらアメリカに移住するかの『発想』」と題するテーマのブログを書いて、数多く転載され、閲覧数も増えました。ところが、その投稿者の女性の自宅に警察がやってきて逮捕されました。あくまでも「発想」の投稿にすぎず、アメリカに移民できる可能性も検証してない、ジョークみたいな文章が、中国共産党にとって気にくわなければ、「犯罪」と扱われてしまう、という例です。現在、女性は「国家転覆罪」というかなりの重罪で起訴されています。

     もちろん、この件もウィーチャットの投稿が監視されてることを改めて証明しました。逮捕の基準は分かりませんが、最近、アメリカとの貿易戦争が激化してる最中に、アメリカに移民意欲を表明する言論は「愛国心がない」「売国奴」「アメリカのスパイの予備軍」とレッテルを貼られます。国民の口を封じるいわば「文化大革命レベル」です。
    ?
     中国共産党の役人、タレントたちは愛国と言いながら、彼らの子供や妻はアメリカ国籍が多いのは皮肉なことです。

     もう一件は僕の大学時代の元同級生Zさんは8月末にウィーチャットで中国政府をからかう内容の投稿をして拘束されました。すでに釈放されましたが、彼の証言によると、突然、自宅に3人の警察がやってきて、「あなたはウィーチャットでいけない内容の投稿をした。警察署に来てください」と言いました。当時、Zさんの母親も家にいたため、びっくりしました。まさか自分の息子が法に触ることをしたとは、一度も想像がつかない。Zさんだけじゃなく、母親まで警察署に同行しました。母親は3時間くらい「教育」されたあとに、「息子がこのような投稿を2度としない」と約束する保証書を書き、指紋捺印しました。その後、Zさんは取り調べ室で約15時間の取り調べをされました。

     Zさんは釈放された翌日、また市役所からの2人の役人がZさんへの「教育」をしに来ました。さらに「もし君が再犯したら、労働再教育施設に送るぞ」「その時に君が行きたくなくても、警察が出動して強制連行してやる」と強い口調で脅しました。つまり、新疆ウイグル自治区のような収容所を、今は中国各地に同じような施設を漢族、および他の少数民族を収容対象として設けてることを分かりました。

     1年前に民主派活動家の間に「新疆ウイグル自治区は実験場で、いずれ中国全土で収容施設を作り、反政府の人を収容、教育する」の噂が出回りましたが、本当だったのです。Zさんは、大学時代に中国共産党をからかう話が多くて、2003年頃の中国はまだ取り締まりが緩い状態でした。

     今の習近平政権はプチ文化大革命を行ってます。今回の事件は、身近な人の生々しい拘束体験をご紹介しましたが、正直僕も衝撃を受けました。

    ●スマホアプリTikTok、次はZAOで個人情報が中国政府にダダ洩れ

     約半年前に、中国製の自撮り動画アプリTikTokが世界規模で大人気になり、日本の中高生たちも、日本のアイドル、タレントの宣伝で日本中に広がってます、今もテレビのCMが続いています。日本政府はこのアプリを規制する様子はなさそうです。同アプリはユーザー、特に未成年たちの個人情報を収集し、中国のサーバーに永久保存され、いつ政府に流用されてもおかしくありません。米当局は米軍がTikTokの使用を禁止し、国民に使用しないように呼びかけました。しかしTikTokに続き、また新しい中国製アプルが炎上してます。

     今度は「逢面造戯」、英語版は「ZAO」(「造」の漢字のピンイン)が中国の若者の間に大人気になり、アップルのアプリストア中国区域に一時期「ダウンロード数No.1」のランキングを獲得しました。日本にはまだユーザーが少ないですが、中国以外でもシェアが広がってます。ZAOの機能とは、自分の顔をスマホのカメラでスキャンして、アイドル、タレントの顔に置き換えることが可能。すると、自撮りの動画をAIの演算でアイドル、タレントの顔に置き換える動画が生成されます。ZAOとTikTokとの共通点は無料、若者が芸能に熱中することを狙いとしています。

     そして、TikTokは自分の「口パク」をプロの歌手の歌に置き換える機能が若者の心をとらえ、ZAOはTikTokのコンセプトとモノマネして人気を獲得したのでしょう。

     しかし、問題が発生しました、なぜTikTokやZAOのような発想のアプリが中国以外の国が発明できないのでしょうか。それは中国が著作権、肖像権の意識が薄いからです。音楽自体は著作権があり、アイドル、タレントの顔が肖像権があり、ユーザーが勝手に「素材」として使用すると、広い範囲の権利侵害事案が発生します。

     しかもTikTokとZAOの利用規約にも共通点があります。「ユーザーの個人情報を収集し弊社のサーバーに永久に保存されます」と記載されました。また、ZAOでは「自らの顔をスキャンしてユーザーの顔を素材として第三者が使用することを許諾します」「登録されて顔面データを取り消し不可、永久に弊社に肖像権を無償譲渡します」「譲渡された肖像権は第三者による再販は許諾しないといけません」という、とんでもない野蛮な規約もありました。だいたい、アプリをダウンロードする人は細かく利用規約を読まないし、罠に嵌めました。

     つまり「無料アプリ」の対価はユーザーの個人情報、肖像権をZAOに無償譲渡する意味です。そうすると、もしZAOの開発会社は一旦、中国政府が関わると、世界規模のユーザーの顔面データを中国政府のビッグデータに収集され、肖像権を放棄する許諾まで強制されます。

    ●さらに広範囲のビッグデータを収集する27.6億台の監視カメラ

     約半年前に中国政府は2022年までに、中国全土で27.6億台の監視カメラを設置すると発表しました。実際この半年間に、多くの中国国民の「行為記録」が記録され、悪い記録の国民は、新幹線、飛行機のチケットを購入禁止、ホテルに泊まることも禁止されます。

     処罰された中国人の証言によりますと、なぜ自分が飛行機チケットを予約できないか、どこで悪い記録をされたかと警察に問い合わせたら、「地下鉄で食事をする」「犬の散歩にリードの紐を付けてない」「公衆の場で大騒ぐ」「信号無視」「ゴミを捨てる」などの実際の「犯行」証拠動画がすぐに警察署のパソコンから検索結果に出ました。日常の生活の行為と顔面データと個人情報、電子身分証をすべて繋がって、外国人を含むすべての人間が街中に歩きながら、27.6億台の監視カメラで撮られて、AIが分析し、行為記録の「成績表」が算出されてます。
    ?
     すると、例えば、飛行機のチケットを予約する際に身分証を提出し、AIはビッグデータからすぐに購入者の「行為記録成績表」を照り合わせ、「不合格」と判定されたら購入禁止になります。

     もちろん、日本人が中国国内での活動は、知らず知らずに監視カメラにすべて収められ、中国に入国する際に収集されたパスポート番号、顔面データと「行為記録」が繋がります。日本人の皆様も、中国に入国する際に「ここはIT版1984の世界」だと意識して気を付けましょう。

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