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コロナで姿消すジプニー-フィリピンから

地球だより

フィリピン庶民の足としてだけでなく、文化の象徴にもなっていた公共交通機関のジプニー(同国の乗り合いタクシー)が新型コロナウイルス感染対策で姿を消そうとしている。

 問題は車内でのソーシャルディスタンス(社会的距離)の維持だ。狭い車内に乗客が向かい合わせで座るため、どうしても濃厚接触となってしまう。

 運転手たちは車内にビニールの仕切りを設置するなど苦肉の策をとったが、政府は今のところゴーサインを出していない。また、政府は公共交通機関におけるキャッシュレス支払いを推奨しており、乗客のバケツリレーで運転手に手渡される運賃支払いもジプニーが敬遠される一因となっている。

 実は、ドゥテルテ政権はコロナ事態の前からジプニーの近代化を推進しており、黒煙をまき散らし大気汚染の元凶となっている旧式のジプニーの段階的廃止を決定していた。これには、運転手組合からの強い反対で延期が繰り返されていた。しかし、新型コロナの脅威の前ではどうすることもできない。職を失った運転手たちは、路上で通行人に寄付を求めている状態だ。

 近代化ジプニーは圧倒的に数が足りず、規制緩和で本格的に公共交通機関が再開されれば、一時的に旧式ジプニーが駆り出されるチャンスもある。

 ちなみに、近代化ジプニーは、見かけはただのミニバスだ。文化アイコン的な風情はない。旧式ジプニーは観光向けに一部が残され、余生を送るのかもしれない。

(F)

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