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  • 乾 一宇
    乾 一宇
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    茅原 郁生
    茅原 郁生
    中国安全保障
    濱口 和久
    濱口 和久
    防衛レーダー
    高永喆
    高永喆
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    新田 容子
    新田 容子
    サイバー安全保障
    岡田 真理
    岡田 真理
    フリーライター
    杉山 蕃
    杉山 蕃
    元統幕議長
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
    田村 重信
    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    吉川 圭一
    吉川 圭一
    グローバル・イッシューズ総合研究所代表

    中国の覇権が拡大する南シナ海

    ■領有権争いの南シナ海

     南シナ海に中国が覇権を拡大すると領有権問題が増大した。中国は太平洋進出を目指したが、日米の覇権に阻まれて頓挫した。だが南シナ海からアメリカの覇権が引いたことで、中国は南シナ海進出できた。

     中国は南シナ海に人工島を建設し基地化した。これを阻めないことは、アメリカの覇権が南シナ海から消えている証。中国は南シナ海の覇権を拡大するために、ベトナムやフィリピンの漁船に対して攻撃的になっている。

    ■間接的な戦争

     領有権問題は解決が難しく双方の漁船が活動する。相手国の漁船を強制的に排除するには、海上警備活動か海軍の投入になる。この段階で軍事力を背景にした外交が行われるから、相手国の漁船を強制的に排除する側が覇権を握ることになる。

     この段階で国家間は間接的な戦争を開始したことになり、強硬路線を続ける国が優勢になる。だから既成事実の積み重ねが国際社会では認められ、手を引く国は領有権を放棄したと見なされる。これが国際社会。

     しかも自国の漁船を沈没させられても、怒って開戦することは難しい。軍隊を用いて中国に開戦すると、中国は防衛戦争の大義名分を得てしまう。だから間接的な戦争は先に仕掛けて攻勢的に続ける国が優勢になる。

    ■戦争できないフィリピンとベトナム

     フィリピンとベトナムは中国と領有権問題を抱えており、しかも中国は漁場を荒らす。フィリピンとベトナムは怒っても戦争を始めることはできない。なぜならフィリピンとベトナムには中国海軍と戦える海軍が存在しない。

     フィリピン海軍の戦力は沿岸部で活動する小型のコルベットが主力。しかも第二次世界大戦型の砲撃戦しか行えず対艦ミサイルを使えない。中国海軍は近代化により装備が良くなった。対艦ミサイルを装備し、潜水艦作戦と対潜水艦作戦も行えるまで成長した。

     今のフィリピン海軍には潜水艦はなく、しかも対潜水艦作戦すら行えるか疑問。そんなフィリピン海軍と中国海軍が戦闘すれば、潜水艦を投入した中国海軍に敗北することになる。しかも中国海軍は対艦ミサイルでフィリピン海軍を射程外から攻撃可能。仮にフィリピンとベトナムが連合しても、海軍を近代化しない限り中国と戦争できない。

    ■南シナ海に戻るアメリカ海軍

     南シナ海で中国の覇権が拡大すると、アメリカの海上交通路が危険になった。アメリカ海軍は過去に南シナ海から手を引いたが、今では見過ごせない状況に追い込まれている。だが南シナ海の覇権を取り戻すことは容易ではない。

     制海権は基地から継続的に往復することで得られるから、南シナ海に近い基地から継続的に往復する必要がある。問題なのは基地の選定。停泊と物資の補給だけならば多くの港で可能。問題になるのは整備可能な基地。

     兵器が高度化すれば整備できる基地は制限される。だから平時から整備可能な基地を建設するか、基地周辺の都市機能を強化する必要が有る。これは平時から継続的に整備する必要が有り、アメリカ海軍が南シナ海から手を引いたことで整備が遅れている。

    海軍戦略=艦隊+基地ネットワーク

    海洋戦略=目的(制海権の獲得)・手段(敵艦隊+敵基地ネットワークの破壊)・方法(艦隊と基地ネットワークの造成)

    制海権=艦隊+基地ネットワークの継続利用。

    制空権=戦闘機隊+基地ネットワークの継続利用。

     基地整備の遅れから、アメリカ海軍は海洋戦略の方法から再開することになる。アメリカ海軍はベトナムとフィリピンの港を使えるとしても、これらの基地整備と周辺の都市機能の整備から始めなければならない。だからアメリカ海軍は容易に覇権を取り戻せない。

    ■日本に必要な海外基地

     日本は海外貿易で利益を得ているから、海上交通路の保護を目的とした海外基地の建設が必要だった。実際に海上自衛隊が海上交通路を保護できる基地ネットワークは存在しない。これでは日本の海上交通路はアメリカ頼みで、自国の国益すら自力で守れない。日本は自衛隊が海上交通路を保護できる海外基地建設を国会で議論すべきだ。

    ■日米共同の基地運用

     理想としては日米共同の基地を、フィリピンとベトナムに置くべきだ。基地を共同運用し、南シナ海の覇権を取り戻すことが好ましい。共同運用ならば維持費を分散するから負担軽減にもなる。そして海上交通路を保護できるなら良いことではないか。

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