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正恩氏、ベトナム式に倣う?

米朝会談 米軍撤退後、南進統一実現

27日、ハノイのホテルで夕食会に臨むトランプ米大統領(中央右) と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(同左)ら(AFP時事)

27日、ハノイのホテルで夕食会に臨むトランプ米大統領(中央右)
と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(同左)ら(AFP時事)

 第2回米朝首脳会談の開催国となったベトナムには、かつてベトナム戦争(1955~75年)で、米国軍を撤退に追いやった後、南進統一を果たしたが、ソ連の崩壊後は親米国家に転じた歴史がある。米国による敵視政策に対抗しながら、国交正常化を模索する北朝鮮にとって将来的な国家像の参考にできる数少ない国だ。開催地決定の背景にはこうした「ベトナム式勝負欲に倣おうという北朝鮮の思惑」(元韓国政府系シンクタンク幹部)もありそうだ。

 ベトナム戦争はソ連、中国の支援を受けた共産主義のベトナム民主共和国(北ベトナム)が自由民主主義のベトナム共和国(南ベトナム)を米国の傀儡と非難し、米国相手に約20年間戦ったもの。北ベトナムでは「対米抗戦」「抗米救国戦争」などと呼ばれた。北朝鮮も韓国を米国の傀儡と位置付け、植民地解放を主張、ベトナムは北朝鮮にとって先駆者といえる。

 また戦前のベトナムには一時、日本軍が進駐した時期があり、反日感情もあった。北朝鮮も日本の統治下に置かれ、現在に至るまで日本は米国と共に敵対視されているなど共通点がある。

 共産主義による南進統一を果たしたベトナムは、親米国家となり、80年代に入るとドイモイ(刷新の意)と呼ばれる改革・開放路線を導入して経済の急成長を遂げた。金正恩朝鮮労働党委員長もまた北朝鮮主導の朝鮮半島統一に意欲を示し、昨年からは米国との対話を本格化させ、すでに国内向けに経済建設路線を発表している。

 ただ、北朝鮮がベトナム型改革・開放に舵(かじ)を切るかは不透明。韓国に亡命した太永浩・元駐英北朝鮮公使は本紙に「金委員長は2012年にドイモイ式導入は難しいという結論を下した」と述べた。
(ハノイ 上田勇実)

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