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歓迎・友好ムード一色―ベトナム・ハノイ

核交渉の緊迫感見られず

 27、28両日に2回目の米朝首脳会談が開催されるベトナムの首都ハノイは、歓迎と友好ムードに包まれている。ベトナム当局は世界の注目を集める会談を通じ、「平和に貢献する国」としてのイメージアップに躍起だ。北朝鮮の完全な非核化が疑わしい状況の中で、会談がまるで平和の祭典であるかのような雰囲気には違和感が拭えない。

第2回米朝首脳会談を歓迎する看板の前で記念撮影する人の姿も

第2回米朝首脳会談を歓迎する看板の前で記念撮影する人の姿も

 昨年6月に開催された第1回米朝首脳会談のホスト国となったシンガポールも、歓迎ムードに力を入れたが、ベトナムはそれをはるかに上回る。

 ハノイ市内には、米朝とベトナムの国旗や会談を歓迎する大型看板、色とりどりの花の植木鉢が到るところに設置され、まるでお祭りムード。2つの手が握手するシンボルマークもあちこちに配置されているが、これは米朝の和解をイメージしたものだ。

 若者たちが米朝とベトナムの国旗を掲げた自転車で中心街を疾走する光景が見られたほか、市内の公園では米朝首脳会談を歓迎するイベント会場まで設営されている。

 海外から多くのメディアがやって来るこの機会を利用し、ベトナム当局は「平和都市」と書かれた大型看板を設置するなど、国際的な地位向上や観光客・企業の誘致に力を入れている。

 ハノイの中心街は自動車やオートバイの交通量が激しいが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を乗せたリムジンが通過した時は、市内の一部が通行止めになった。沿道には多くの市民や観光客が集まり、リムジンが通過すると歓声が上がった。金正恩氏が宿泊するホテル周辺は立ち入り禁止になっており、装甲車や銃を持った兵士が配置されるなど厳戒態勢が敷かれている。

 過剰とも言える歓迎・友好ムードは、ベトナムが北朝鮮と友好関係にある上、核開発の脅威と無関係であるからだ。北朝鮮の核ミサイルの脅威にさらされ、米朝の非核化交渉の行方に深刻な視線を注ぐ日本とは、温度差が極めて大きい。

(ハノイ・早川俊行)

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