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タツノオトシゴ店閉鎖

地球だより

 ベトナム戦争当時、米兵の保養地だったタイのビーチリゾート、パタヤは、1975年4月の同戦争終結で衰退を余儀なくされると思った人は多い。だが、首都バンコクから手軽に行けるビーチとして残った。

 今やバンコクの国際空港が北のドンムアン空港から西のスワンナプーム国際空港に移り、一段とパタヤが近くなった。外国人観光客が渋滞と騒音のバンコクを避け、同空港から直行コースを選ぶなど結構な賑(にぎ)わいを呈している。

 そのパタヤでこのほど、タツノオトシゴを販売していた店舗が閉鎖させられた。

 タツノオトシゴはタイ語でマー・ナム(水の馬)といい、とりわけ中国人観光客に人気のあるお土産。中国では乾燥タツノオトシゴは「海馬」と呼ばれ、難産や腹痛の緩和に用いられてきた経緯がある。

 日本人には冬虫夏草やタツノオトシゴなど動物性生薬にそれほどのなじみはないが、タツノオトシゴはワシントン条約で、国際取引(輸出入)に関して「商業取引は可能、輸出国政府の発行する輸出許可証が必要」と規制されているだけで、タイ国内での取引は違法ではない。

 当局が懸念したのは国際社会のイメージだった。観光業を大きな生業(なりわい)とするタイ政府にしてみれば、タツノオトシゴで国際的信用を落とさないようにするため、ちょっと片腹痛いところを我慢している。

(T)

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