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    渥美 堅持
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    坂東 忠信
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    遠藤 哲也
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    蒲生健二
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    服部 則夫
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    石井 貫太郎
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    河添 恵子
    河添 恵子
    ノンフィクション作家
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    宮塚 利雄
    北朝鮮専門家
    中澤 孝之
    中澤 孝之
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    丹羽 文生
    丹羽 文生
    拓殖大学海外事情研究所准教授
    太田 正利
    太田 正利
    外交評論家
    ペマ・ギャルポ
    ペマ・ギャル...
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    佐藤 唯行
    佐藤 唯行
    ユダヤ人問題
    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員
    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長

    外交とはかくあるべき:「漁夫の利」について考える

    「漁夫の利」――。この見慣れた単語を、今こそ見直す価値があります。日本国内のマス・メディアや野党議員たちが「モリカケ問題」にうつつを抜かしている間に、世界ではさまざまな重要な出来事が発生しています。本日は中国とロシアの2ヵ国を例に挙げて、「国益最大化」に関する雑感にお付き合いいただけると幸いです。

    [外交と「漁夫の利」]
    最近よく目にする「漁夫の利」
    「漁夫の利(ぎょふのり)」という表現があります。これは教科書にも載っている言葉なので、ご存知の方は多いと思いますが、要するに2人が争っていることを利用して、他の人が得をする、という状況を指します。最近、この「漁夫の利」を感じさせる出来事を、相次いで2つ、目にしました。

    1つは、昨日の日経ビジネスオンライン(NBO)に掲載された、ジャーナリストの福島香織氏の次の論考です。


    米中貿易戦争の主戦場は「胃袋」と「ハイテク」(2018/03/28付 日経ビジネスオンラインより)


     記事には『屈服させたい米国、切り札残す中国、日本は漁夫の利を』という副題がついています。

     一方、もう1つは手前味噌で恐縮ですが、私自身が発見した、「西側諸国とロシアとの争い」に関するネタです。これについては『【緊急速報】西側諸国がロシア外交官追放:日本に漁夫の利?』で触れていますが、要するに米国を中心とする西側諸国がロシアと対決しているという話題です。

     この2つの話題、いずれも米国が絡んでいるものですが、いずれも日本から遠く離れた国の話ではありませんし、日本と無関係の話でもありません。いや、もっといえば、日本にとっては非常に強い利害関係がある話です。

     なぜなら、いずれも日本が「漁夫の利」を得るチャンスだからです。

     これについて、深く考えてみたいと思います。

    福島氏、「モリカケ問題」を「しょぼい」と断定

     NBOの福島氏の記事については、当ウェブサイトにそのまま引用することはしません。是非、直接読んで下さい。NBOの場合、記事を読むためには日経IDを取得するなどの手続が必要ですが、そのIDさえ取得すれば、以降は無料で無制限に読むことができるようです(今のところは、ですが…)。

     なお、日経IDの取得方法については日経ウェブサイトをご参照ください。私が日経IDを取得したのはかなり前なので、詳しい登録方法については存じ上げません。結構ややこしかった記憶がありますが、福島氏の記事を読むためだけであっても登録する価値は十分にあります。

     ただ、最後のこの文章だけ、すべての日本人に読んでほしいとは思います。


    「相変わらず日本のメディアはモリカケ問題でにぎわっているようだが、日本の政治家や官僚たちに神経を割いてほしいのはやはり国内のしょぼい利権問題より、この国際情勢の中で日本がどのようにして損失を最小限に抑え、漁夫の利を見出すかというテーマであろう。」


     奇しくもこの福島氏の発言は、私自身の問題意識と一致しています。考えてみれば、国際社会において、永遠の敵国もなければ永遠の友邦というものもあり得ません。そして、国際情勢が混沌とする中で、日本が損失を最小限に抑え、国益を最大化するか方法こそ、日本の政治家に考えてほしい問題です。

     ついでに、「モリカケ問題」を「国内のしょぼい利権問題」と福島氏が断じたくだりで、私は思わずクスリと笑ってしまいました。まさにしょぼい、いや、下らなすぎる利権問題です。

     確かに、学校法人森友学園に対する国有地の値引きを巡っては不透明な箇所も多数ありますし、財務省による公文書改竄が組織的なものであったとしたら、それは犯罪になりかねない行為であり、1人の日本国民としてはとうてい許すことができません。

     ただ、それと同時に、たかだか10億円少々の国有地の売却が、国会で2回も証人喚問を行うような問題であるとは思えません。ましてや、安倍総理らが権力者として国有地売却に不正に関与したというわけではないのであれば、ますます何が問題なのかわかりません。

     なお、NBOの読者コメントに、こんなものがありました。


    「安倍ヨイショのためなら国民の最大関心事項である加計問題を「国内のしょぼい利権問題」の一言で済ます愛国バカのアイドル福島さん。ステキです。」(2018/03/28 09:49付 読者コメントより)


     このコメント主さん、まことに失礼ながら、福島氏の本文を読んだのでしょうか?いったいどの部分が「安倍(総理)ヨイショ」なのでしょうか?まったく理解できません。ただ、この手の否定コメントが付くほど、「モリカケ問題」で大騒ぎしている人にとっては、この福島氏の記事が図星だったということでしょう。

     このように考えていくならば、「しょぼい国内問題」よりも、本当に重要な問題をしっかりと見つめることが重要であることは間違いありません。

    [状況の整理]
     さて、脱線しましたが、本日の本論に戻ります。

     現在の国際社会においては、米国、中国、ロシア、欧州連合(EU)などが、それぞれの利害を追求し、国益を最大化しようとしています。私たちの隣国である韓国や北朝鮮でさえ、あらゆる手段を使って国益の最大化を図っています。

     このように考えていくならば、日本が国益の最大化を図らなければ、外交の世界で日本だけが国益で取り残されることは間違いありません。そのことを踏まえたうえで、最近の国際情勢について、簡単にリストアップしてみましょう。

    米中貿易戦争

     ドナルド・トランプ米大統領は22日、中国製品に対する巨額の制裁関税を発動しました。


    米、中国製品600億ドル規模に制裁関税へ(2018年03月23日付 BBC日本語版より)


     この「貿易戦争」、日本も巻き添えを喰らいましたが(詳しくは『【夕刊】トランプ政権の鉄鋼アルミ制裁を数値で検証する』参照)、このトランプ政権の貿易戦争に対し、中国は受けて立つ意欲を示しています。


    トランプ関税に中国が反撃、相互関税計画発表-貿易戦争「開戦」(2018年3月23日 13:11 JST付 Bloombergより)


     ただ、こうした米中貿易戦争は、「600億ドル」だの、「30億ドル」だの、一見すると巨額の数値が並びますが、米中両国のGDP規模と比べれば、制裁措置としてはそれこそ「しょぼい」水準です。

     いわば、米国側の措置はトランプ氏が中間選挙をにらんだ措置として、中国側の措置は習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席が国内に対する「終身国家主席」として、いずれも国内向けのアピールという側面が強いのではないかという気がします。

    西側諸国とロシアの対立

     一方、ロシアと西側諸国の対立については、もう少し広範囲です。

     まず、ロシアは現在、欧州連合(EU)と鋭く対立しているという事実を踏まえておく必要があります。その原因となったのは、2014年3月に発生した、ロシアによるクリミア半島とセヴァストーポリ市の「編入」です。

     私に言わせれば、もともとクリミア半島とセヴァストーポリ市は歴史的にも民族的にもロシア領です。ソ連時代の1954年に、当時のソ連の最高指導者だったフルシチョフによって、「ソ連を構成するロシア共和国」から「ソ連を構成するウクライナ共和国」に割譲されたものを、ロシアが取り戻したというだけに過ぎません。

     ただ、ロシアによるクリミア半島等の領域の編入は、西側諸国に言わせれば、「武力による現状変更」です。アンゲラ・メルケル独首相を中心に、ロシアに対する激しい反発が生じ、2014年以降、ロシアはG8から追放される憂き目にも遭いました。

     そして、ここに来てもう1つ、大きな事件が生じています。それが『【緊急速報】西側諸国がロシア外交官追放:日本に漁夫の利?』でも紹介した、ロシアの元スパイの暗殺未遂事件です。

     欧州では、ロシア当局の関与が疑われる、毒物を用いた元スパイらに対する暗殺事件(未遂も含む)が過去にいくつか発生していますが、今回の事件については英国がロシアに激怒。ロシアの外交官を国外追放措置にする国が、米国など「西側諸国全体」に広がり、対立が先鋭化しています。

     私の記憶では、英国は「EUからの離脱」(いわゆるブレグジットBREXIT)によって、EUから離れていく方向にあるはずです。しかし、ドイツは今回の英国内の事件を受けて、「これはEU全体の問題だ」としてロシアを厳しく非難。図らずも「価値同盟」の威力が発揮された格好となっています。

    西側諸国としての6つの価値

     さて、私はここで「西側諸国」という用語を使いました。あくまでも私の理解ですが、ここでいう「西側諸国」には、2つの意味があります。

     1つは、地理的に見た「西側」です。米国や欧州が好んで使う世界地図では、欧州が世界の中心に描かれており、左側3分の1ほどの場所に大西洋やアメリカ大陸があって、右側(つまり東側)にロシアや中国、インドなどが位置しています。

     ちなみにこの地図では、オーストラリアやニュージーランド、日本は地図の東端に描かれていて、そのさらに向こうにあるのが太平洋であり、太平洋自体は非常に小さな海であるかのように見えてしまうのです。欧米の人々が太平洋を軽視する理由は、こうした認知バイアスのためかもしれません。

     それはともかく、「西側諸国」とは、その名の通り「世界地図の西側」(厳密に言えば北西部、つまり左上の方)にある地域のことを指します。

     これに対し、もう1つの意味合いは、「6つの価値を共有する国」、という意味です。ここでいう「価値」とは、「▼自由主義、▼民主主義、▼資本主義、▼基本的人権の尊重、▼法治主義、▼積極的平和主義」――のことです。そして、この6つの主義は、相互に密接に絡み合っています。

     本稿ではいちいち、この6つの意味合いについて説明することはしません。しかし、重要なことがもう1つあるとすれば、これらの6つこそ、わが日本も他の西側諸国とまったく同様に、重視している価値である、ということでしょう。

     ちなみに、これも私の理解ですが、ここでいう「価値」とは、安倍総理自身が言及している「価値同盟」という用語に出てくる「価値」と同じです(最近だと、当ウェブサイトでも『安倍総理「韓国とは価値を共有しない」』という記事の中で述べたとおりです)。

    中国とロシアは価値を共有していない

     さて、中国とロシアは、まことに残念なことに、私たち日本を含めた西側諸国とは、基本的な価値を共有していません。

     まず、ロシアについては、一応民主主義国であり、最高権力者であるウラジミル・プーチン大統領はロシア国民による直接選挙で選ばれます。その意味では、一見するとロシアは西側諸国とと価値を共有しているかにも見えます。

     しかし、現実には、プーチン大統領らはメディアを支配していて、有力な大統領候補者はプーチン氏によって潰されているらしく、公平性にも疑念がもたれており、これを日本などの西側諸国における選挙と同一視することはできません。


    プーチン氏が圧勝=得票7割超、任期24年まで-欧米と対立継続・ロシア大統領選(2018/03/19-12:59付 時事通信より)


     さらに、中国については民主主義国家ですらありません。それどころか、『【夕刊】中華帝国への先祖返り:事実上の皇帝制度の復活へ』でも触れたとおり、憲法を改正し、習近平氏個人を崇拝し、国家元首としての任期を撤廃したほどの国です。

     民主主義国でもなければ言論の自由もない。

     基本的な人権すら尊重されず、法治主義も期待できない。

     中国など、こうした中途半端な状態で資本主義の原理だけ取り入れたがために、人民が人治主義のもとでカネ儲けばかり追求していて、そもそも「公正な競争」という概念があるのかどうかすらよくわかりません。

    なにより、中国が「牛の舌」とも揶揄されている、南シナ海における強引な領有権主張を行っていて、周辺国と紛争を起こしまくっていることこそ、中国が「積極的平和主義」と無縁である証拠でしょう。ウクライナからクリミア半島などを強引に奪ったロシアも同様でしょうか。

    日本は立ち位置を明確に

     さて、「もりかけ問題」とは、結局のところ、野党やマス・メディアが、安倍政権の足を引っ張ることだけを目的に、国会を空転させた事件と考えるのが良いでしょう。ただ、それと同時に、いまや多くの人々がインターネットで情報を集める時代となり、とくにマス・メディアに対する信頼は順調に失われつつあります。

     このように考えていけば、現代日本における「悪の枢軸」――官僚、野党議員、マス・メディア――による日本社会の浸食を、インターネットが食い止め始めている格好だともいえるでしょう。

     それはさておき、私は現在の日本の安倍政権について、100%無条件に支持するつもりはありません。安倍政権には経済面を中心に、私にとっては同意できない政策も多いからですが、ただ、安倍政権の外交政策については(いまのところは)非常に正しく、日本の国益に寄与していると考えます。

     「人の噂も七十五日」といわれます。「もりかけ問題」で落ちた政権支持率も、とくに何もなければ、来月か再来月になれば、ある程度は回復するでしょう。憲法改正問題、消費税増税問題など、課題は山積していますが、安倍政権には引き続き、国政の需要課題に取り組んでほしいと思います。

     ただし、私たち日本国民は安倍政権に国政を「白紙委任」しているわけでもありません。私自身もウェブ評論家の1人として、安倍政権がきちんと国益の最大化を図っているかどうかを、慎重に見極めていきたいと思います。


    「新宿会計士の政治経済評論」ブログより転載
    http://shinjukuacc.com/

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