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[科学技術] rss

みちびき4基体制、利用の広がりが楽しみだ

 日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指す測位衛星「みちびき」4号機の打ち上げが成功した。これにより、国内ではGPSより誤差の少ないみちびきの電波を常時受信できるようになる。

 政府は来年度中に測位データの提供を開始する。新たな利用に向けた実証実験も始まっており、今後の官民含めた広がりが楽しみである。

 24時間受信が可能に

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ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大…

 ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大栄誉教授の大隅良典氏が「大隅基礎科学創成財団」を設立した。「基礎生物学の分野で、重要でありながら支援を得られなかった研究者に、研究費を提供したい。100万円や200万円でも研究が進展する人がいる」と。

 現在、国の予算、大学の研究費が削減され、日本の研究力が低下している。大隅氏がノーベル賞の賞金など私財を投じて財団を設立したことには、その危機感と共に、基礎研究への愛着、執念が感じられる。

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奇跡を知識に変える科学の役割

 惑星科学においては、他の分野の科学と同様に、古来奇跡として考えられてきた現象を解明して、知識または常識として人々を教化してきた歴史がある。最近も話題になった日食は、人類歴史の大半においては奇跡としてしかとらえられず、天文学の発展によってその仕組みが理解され予測もできるようになった例である。惑星科学という言葉は新しいが、ギリシャ時代に既に地球や月の大きさや距離などを計算していたことを考えれば、惑星科学は2000年以上の歴史を持つ古い学問である。

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日食・月食・恒星食と地球人類存在意義

 今週の月曜日8月21日は、久しぶりに全米各地で日食が見られる珍しい日であった。よく知られているように日食は月が太陽を隠す現象で、頻繁に起こってはいるが、今回のように、皆既日食が見られる地点が米国の西海岸から東海岸まで斜めに横切るように動いていくのは珍しく、おかげで非常に多くのアメリカ人がこの現象を観測できた。私の働くブラウン大学はその中心軌道から外れているものの、太陽の約70%が隠れる部分日食が見られた。以下にNASAによるコンピュータアニメーションによる解説がある。(最後に自国の月ミッションであるLROを宣伝しているところがちょっと余計だが)https://www.nasa.gov/feature/goddard/2017/the-moon-is-front-and-center-during-a-total-solar-eclipse

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はやぶさ2来年夏のリュウグウ到着における科学者達への大きな挑戦

 2014年10月3日に打ち上げられた小惑星探査機はやぶさ2は、とうとう来年の夏に小惑星リュウグウに到達する。長い惑星探査ミッションにおいて1年を切った現在、チームにとっては秒読み段階ともいえる。衛星運用チームだけでなく、はやぶさ2科学チームにも大きな挑戦が待っている。

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量子力学が変えた科学的常識

名寄市立大学教授 加藤 隆

 15年ほど前のことだが、教育関係者の会合の中で、私が魂の大切さに触れた時に、ある大学の教員から、なに宗教じみた主張をしているのか、魂などという非科学的なことを、と批判めいた発言があったのを覚えている。彼にしてみれば、人間や教育の営みも科学的に捉えなければいけないのだと強い信念を持っていたのだろう。

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世界に誇るべき“主人意識”持つ日本の児童生徒たち

 先月6月には韓国への出張の前後に日本に2週間ほど家族で滞在し、各地で特別授業や講演会を行った。日本の小中高校を巡って、改めて日本の良い意味での特殊性を実感した。私のように海外で子供たちを育てた経験がある親ならば誰でも感じることだと思うが、教育研究に関わる者として、私としては非常に重要なことに思えてきた。

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仕事するAIが人手不足を解消!

 「第1回 AI・人工知能EXPO」と「コンテンツ東京 2017」が6月28日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。30日まで。初開催の今回、計110社が出展。会場には多くのバイヤーが詰めかけ、近年注目が集まるAIや人工知能の盛り上がりを示す格好となった。 動画では、食材に合った料理レシピを音声で提案するロボットなど、展示会の見どころを紹介する。イベントは6月30日まで。

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AIの技術的進歩がもたらす近未来社会の姿を分析した2誌

 少し前に高校生の授業を参観したことがある。その授業は遠隔システムを使った英語の授業で、テーマは「将来消えてなくなる職業は何か」というものだった。都市部で英語を教えている教師が、地方で学ぶ生徒を対象に「コミュニケーション英語」を双方向のテレビ回線を使って授業を進めるというものだが、高校生から返ってきた答えは、「タクシードライバー」「バス・トラック運転手」「家政婦」など次々に挙ってくるが、中には「英語の教師」を挙げる生徒もいた。彼らが答える「消える職業」の根拠は、ロボットやAI(人工知能)の高度化によってそれらの職業が代替化されるというのである。

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韓国の惑星探査とソウル大での日本人研究者達

 今月11~19日に韓国に渡り、テジョンにある天文研究院(KASI)で集中講義をし、浦項にあるPOSTECHでセミナーをし、ソウル大の石黒研の研究集会に参加し、天文学科セミナーをし、最後に東大ソウルオフィスの主催する研究者のセミナー・夕食会に参加した。これらの研究機関での活動は、2月に訪韓した際に決まったもので、やはりコネの重要性を感じた。また、観光を含むその9日間は非常に濃密で意義ある体験をした期間であった。

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みちびき2号、独自の測位システム構築急げ

 日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指している政府の準天頂衛星「みちびき」2号の打ち上げが成功した。GPSによる誤差を縮小するほか、国土地理院の電子基準点と連携して数㌢単位の精密測位も実現する。

 年内にさらに2基打ち上げ4基体制とし、2023年度中には、みちびきだけで常時測位が可能な7基体制をつくる。安全保障を含む、さらなる安心安全の確保へ独自測位システムの構築を急ぎたい。

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地球温暖化防止のために省エネ?

 私が日本に出張して大学のトイレなどに行ってみて驚くのは、「地球温暖化防止のために電気はこまめに消しましょう」などという張り紙があったことだ。電気を消して省エネすることで地球温暖化が防止できると言いたいのだろうかと首をかしげてしまった。このように、しばらく前までは「地球温暖化(Global warming)」と呼んでいたものが、最近では「気候変動(Climate change)」と言い換えられている。それはおそらく、必ずしも温度が上昇していない場所も傾向として見られるからであろう。実際、近い将来極端な氷河期が来ると言っている人々もいる。http://www.buildart.com/ice_free_earth_now.htm

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「君の名は」と「奇跡の隕石」から見た幸運な地球

 2月に私の大学まで取材に来てくれたNHK BSの「コズミックフロントNext」の放送が最近あった。その「奇跡の隕石」と題するドキュメンタリーの宣伝ページを見ると、大ヒットアニメ映画「君の名は」を引用してあり、そこに出てくる彗星が湖に落ちるシーンと同じように、彗星のかけらかもしれない隕石がタギシュレイクに落ちたという解説であった。最初は突拍子もない例えだと思ったが、よく考えてみれば頷くところも多々ある。

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宇宙を構成する物質をめぐっては、これまで…

 宇宙を構成する物質をめぐっては、これまで人類が発見したのは宇宙全体の4%にすぎず、残る96%は謎のままだと言われる。

 そのため新たな粒子が発見されれば、宇宙の成り立ちの解明が一気に進むと期待されている。このほど茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速器が完成し、世界に先駆け新粒子の発見を目指すことになった。

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予算最低レベルに停滞するNASAから学ぶこと

 先週も恒例の月惑星科学会議が1週間にわたってテキサス州ヒューストン地域で行われたが、月曜日の夜には通称NASA Nightと呼ばれるNASA HQの説明会があり、約500人の科学者たちが参加して、目を凝らし耳を澄ませて注目していた。今後の自分たち自身や技官や学生たちに払う給料や、その他の経費を取ってくるために必死だからだ。研究プログラムは数多くあるが、当選確率はもちろん全体としての予算と申請者の数に依存するから、NASA予算がどうなって、それがどのように分配されるのかは大きな関心事である。

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惑星科学における“天地統一”が急がれる韓国

 先月2月の始めに1週間だけ韓国に出張をした。ソウル大学(SNU)の天文学科の石黒正晃氏のところで基本的にお世話になったが、大田にある韓国天文研究院(KASI)と、仁川にある韓国極地研究所(KOPRI)にも行くことができた。その名からもわかるが、KASIは日本の国立天文台(NAOJ)と宇宙科学研究所(ISAS)が一体化したようなものであり、KOPRIはまさしく立川にある国立極地研究所(NIPR)に相当する。

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NASAディスカバリー計画と日本の将来戦略

 NASA(米航空宇宙局)は今回、その最も低予算の惑星探査枠であるディスカバリー計画に2つのミッションを採択した。低予算と言っても、予算の上限が4億5000万㌦だから約500億円以上でロケット代を含まずである。以下に説明があるが、LucyとPsycheの2つのミッションを新規採択し、既存のNEOCamを1年延長する予算を認可した。https://www.NASA.gov/press-release/NASA-selects-two-missions-to-explore-the-early-solar-system

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境界分野中の境界分野である惑星探査の統一力

 12月20日はカール・セーガン没後20周年であった。ボイジャーミッションなどで有名なセーガン博士は、人類が惑星探査に乗り出すための大きな動機付けとなった。ボイジャーは2号まで打ち上げられ、太陽系の惑星群にフライバイし、それらの近接画像やデータを人類に最初に与えた大きな功績をもつ。現在、はやぶさも2号機が飛んでいる中、試料回収という、フライバイから2段階も3段階も先のミッションに行きつけたのは日本だけでなく人類すべての功績と言える。

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はやぶさ2にかける世界の大きな期待

 今回、2週間の帰国をして、はやぶさ・はやぶさ2に関する学会・会議と、隕石試料の分光測定などの実験をしている。どれも、はやぶさ2が1年半後に小惑星リュウグウに到着するのが近づくにつれて、その危急さと熱気の向上を感じるものである。

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日本から忘れ去られる在米日本人研究者

 最近、私の住むボストンのハーバード大学で、日本学術振興会(学振、JSPS)主催の、「日本の急速に高齢化する社会」というテーマで半日のフォーラムがあった。これはポスターセッションまである学会形式に似ていたが、口頭講演は全て招待された比較的長時間の発表がいくつかあるというものだった。一般にも興味を引く内容で、意外とわかりやすかった。http://jspsusa.org/wp/11122016_the-japan-us-science-forum-in-boston-cambridge-ma/

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茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構…

 茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪ね、国内外に知られる素粒子加速器を見学する機会を得た。わが国の原子力研究の拠点だ。

 加速器は周長3㌔で、筑波山を望む広大な敷地の地下に埋設されており、一部見ることができる。この中で電子と陽電子をほぼ光の速さになるまで加速、正面衝突させ、高エネルギーで新しく生まれた粒子を解析するのだが、その測定器が高さ8㍍もある。

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人体と地球との相似性からみた人類の使命

 惑星科学は地球を含む惑星を対象とする学問だが、地質学とか地球科学という分野があるように、歴史的にも現在でも地球が人類の主たる研究対象であり、最も魅力的な天体である。その理由の一つには、身近で実用的で生命を宿す惑星であるということ以外に、人体との類似性・相似性があると思う。

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大隅氏ノーベル賞、生命の本質解明した偉業

 今年のノーベル医学生理学賞の受賞者に、細胞内のたんぱく質の合成や分解に関わる「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した東京工業大栄誉教授の大隅良典氏(71)が選ばれた。

 日本人のノーベル賞受賞は3年連続、米国籍を取得した人を含めて25人目で、医学生理学賞の受賞は昨年の大村智氏に続き4人目となる。人類の福祉向上に大いに貢献する日本人の力を再び世界に示し得た。誠に喜ばしい。

 細胞内恒常性を維持

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