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[科学技術] rss

アポロ11号が半世紀前に始めた固体惑星物質科学の救世主はやぶさ

 今年2019年の7月は、1969年にアポロ11号が人類初の月着陸の偉業を成し遂げてから50年になる年だ。その翌年1970年から毎年3月にヒューストンで開かれてきた月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference, LPSC)も、今年はアポロ月着陸を記念した特別セッションで盛り上がるであろう。それまで、地球外物質としては限られた数の隕石しか知らなかった人類が、月の石を手にし、その元素分析から月が巨大衝突によってできたことを突き止め、宇宙風化の存在も発見した。惑星科学、特に固体惑星物質科学はそこから始まったといえるであろう。

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「はやぶさ」で示した惑星探査世界トップを守るために必要なこと

 はやぶさチームの一員として惑星科学の第一線で活躍する米ブラウン大学の廣井孝弘博士に惑星探査の現状を聞いた。モノには研究費を出す日本はもっとヒトにも投資することを考えなければ、惑星探査レースの先頭は守れないと警告する。

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iPS脳移植、経過を慎重に見守りたい

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経細胞を作り、パーキンソン病患者の脳に移植する臨床試験(治験)を進めている京都大が、50代男性患者への移植を行った。

パーキンソン病の患者に

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はやぶさ2のリュウグウと、OSIRIS-RExのベンヌ

 10月から、小惑星探査機はやぶさ2の科学成果がアメリカで世界的に発表され始めた。アメリカ天文学会の惑星科学部門(DPS)では科学チームの代表者たちが日本から参加し、学会の場としては最初の成果を発表した。特に多色カメラONC-Tの画像から分かったリュウグウのコマ型の形、平たい面を持つ岩、赤道を通る明るい帯状の峰、東西の違い、そして明るさと色の相関など、初めて間近に見る炭素質コンドライト隕石の母天体と思われるこの物体には予想を超えた発見があった。

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はやぶさミッションの最大の科学成果を誰に伝えるべきか

 小惑星探査機はやぶさ2は、小惑星リュウグウに向けて降下訓練をしながら、タッチダウンによる試料採取の実現に向けて準備している。はやぶさ2は6月27日にリュウグウに到着して以来、数々の科学的発見をなし、その初期論文を準備中である。この状況は、2005年当時、はやぶさ初号機が小惑星イトカワ上空で得たデータを米サイエンス誌に特集号として発表する準備段階に似ている。

 その違いは、はやぶさ2はまだタッチダウンも事故も起こしておらず、はやぶさの帰還が不確定かつ5年もかかったのに対し、はやぶさ2はこのまま調子よくいけば、2年3カ月後には地球に試料を持ち帰ってくれることである。その際に、はやぶさ2科学チームがこれから論文に発表する内容の正誤が裁かれることになろう。

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iPS脳移植、新たな治療法の確立を期待

 京都大が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いたパーキンソン病での臨床試験(治験)を開始する。体のさまざまな細胞に変えることができるiPS細胞を患者の脳に移植する世界初の試みだ。

パーキンソン病で治験

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はやぶさ2ミッションで得られる本当の宝

 小惑星リュウグウに到着した探査機はやぶさ2が返してくるデータを解析するために、私は宇宙科学研究所(宇宙研)に3週間の予定で出張してきた。リュウグウを最初に見た時に、その完璧なまでにコマの形をしているのに驚いたが、より詳細な画像や分光データが出てくる度に、一層の驚きと疑問と発見がある。

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はやぶさ2、小惑星探査の「本番」が始まる

 小惑星探査機「はやぶさ2」の探査が間もなく“本番”を迎える。27日前後に小惑星「りゅうぐう」の上空20㌔に到達するのである。2014年12月の打ち上げから約3年半。30億㌔の航海を経て、これからりゅうぐうへの接地や小型探査機ローバーの投下など科学観測活動が本格化。試料を採取し20年末に帰還の予定である。地球や海、生命の起源と進化に迫ってほしい。

50㌢超の衛星はなし

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はやぶさ2のリュウグウ到着における科学の最大関心事

 はやぶさ2がとうとうその目標小惑星リュウグウに間近に迫ってきた! 望遠カメラであるONC-Tでリュウグウの形が見えてきたが、私の最大関心事はその多色画像にある。ONC-Tは6色のフィルターを持っており、1024ピクセル四方のCCDの前でそれらフィルターを交換することで多色画像をとり、かつ各地点の反射スペクトル(波長と反射率をグラフにした曲線)を得ることができる。

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はやぶさ2、新しいチャレンジが始まる

 小惑星「りゅうぐう」を目指し、2014年12月に打ち上げられた探査機「はやぶさ2」が、小惑星まで約6万キロに迫り、到着の最終準備段階へ移行している。6月初めに接近誘導を開始し、同月下旬にも到着する。約18カ月滞在し、試料を回収後、20年末に地球に帰還する予定で、試料は太陽系の起源や生命の原材料物質の解明に迫るものと期待される。はやぶさ2の新しい挑戦に期待したい。

「衝突装置」で試料採取

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スーパーサイエンスハイスクール(SSH)のスーパーの意味は?

 私は現在帰国中だが、有給休暇を取って4つの学校に行って講演などをしてきた。福井県の名門校である武生高校では、素晴らしい設備の会場で1学年全員と理数科の生徒に1時間半の講演をし、鳥取西高校でも当初の会場では収まらない人数の生徒に場所を変えて講演し、米子では国立米子工業高等専門学校でやや大学レベルの高い講義をしてから、米子東高校では少人数ではあるが先生や保護者とTV局が入った授業をしてきた。どの学校においても特色のある先生方と生徒の姿に接することは、教育職に就けなかった私にとって貴重な経験である。

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AI軍事活用 新段階に

 米中両大国が最先端技術、人工知能(AI)の開発をめぐって火花を散らす中、軍事的優位をめぐる両国の競争が新たな段階に入ろうとしている。米国防総省と情報機関の技術者らは、省庁の枠を超えた機関「統合AIセンター」を創設し、重要性を増すAIの分野で米国の支配的な位置の確立を目指している。

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月は人工物でなく天贈物である

 最近、同じこのViewPointの記事でウィーンの長谷川氏が、中国メディアが発表した「月は人工衛星説」を紹介されている。https://vpoint.jp/column/confidential/107560.html

 名指しで御指名を受けたので、私なりに解説したい。簡単に言うと、惑星科学から見て、その可能性はほぼゼロである。まずは各々の根拠について解説する。

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人工知能(AI)と言えば、以前は数理解析の…

 人工知能(AI)と言えば、以前は数理解析のコンピューターが頭に浮かんだが、今は画像処理・解析技術が主役の座に。中でも「深層学習」(ディープラーニング)がその中心的な技術だ。

 すでに医療分野でも利用され、がんの早期発見に力を発揮し、従来、医師の目視による画像診断では見つけ出せなかったがんの微細な兆候を検出できるようになった。こうした治療の普及が期待される。

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熟練の科学者しかできないデータ解釈の神秘

 最近、研究者によるデータ捏造の問題がまた話題になったが、生命科学分野と他の分野の違いも含め、マスコミが報道していない内容が多くあると思う。私の分野の惑星分光学というと、実験をしていないと思う人もいるかもしれないが、隕石などの試料の実験室測定は非常に重要な要素であり、惑星環境を実験室で再現した状態で様々な光学測定をするのが私の分野では不可欠である。

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iPS論文不正、期待を踏みにじる行為だ

 京都大iPS細胞研究所の助教らが執筆した人工多能性幹細胞(iPS細胞)に関する論文で不正が見つかった。

 助教がデータを捏造

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【ロボマート】ついにキターーー?オンデマンド&無人移動スーパーで買物弱者を救え!

 ■世界最大級の技術見本市となる「CES(Consumer Technology Association)」が9日~12日、ネバダ州ラスベガスで開催される。CESでは、家電・PCからIoT、人工知能のAIなどの最新技術の紹介から多くの新製品が発表されるのだ。ここ数年、出展で特に目を引くのは自動車関連の最新テクノロジーだろう。主催者によると今年は大手自動車メーカー10社が、新技術などの発表を行うとしている。また会期に合わせて複数の企業によって参加者が乗車できる自動運転タクシーやバスが試験運行するのだ。

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人使いの荒い日本の官僚政治で冷遇される在外日本人研究者

 私は末端の科学者ではありながら、安倍首相が常々語っていた、財務省などの官僚政治を打開すべきということを実体験したことがある。それは国家プロジェクトに在外日本人研究者として携わってきたことにも大きく起因している。学校での授業や一般講演会で、そのような質問に答えると、みなその意外な実態に驚くようである。

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アパ懸賞論文「低線量率放射線医科学」活用を訴えた東大の稻恭宏博士が最優秀賞

 アパ日本再興財団(元谷外志雄代表理事)が主催する第10回「真の近現代史観」懸賞論文の受賞作品集「誇れる国、日本〔Ⅹ〕」出版発表会が8日、都内の明治記念館で行われ、最優秀賞を受賞した東京大学医学博士の稻(いな)恭宏氏による「日本は低線量率放射線医科学によって復活し人類と地球を救う」が発表された。

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東大「中国人学生の博士論文不正事件」と研究者の良心基準

 最近、東大に留学していた中国人学生の博士論文において不正が行われていたことが発覚したとの報道があった。博士論文と言えば、科学者になるための登竜門として最も重要な論文であり、正直に書かれているだけでなく、内容が革新的で後世に長く大きな影響を与えるものであることが重視される。そのような論文において何割も既存の研究の不正盗用があったとすれば、それは深刻な事件である。今回のような文系分野と私の理系分野とは状況の違いも多少あろうが、アジアに名だたる東大の大学院では“あってはならないこと”だ。今回で6人目の不正事件だという。

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日本の大学院生たちの秘めた力と彼らに今必要なもの

 今回も今週と来週の2週間、日本に出張してきている。大阪大学豊中キャンパスと東京大学駒場キャンパスでの宇宙風化実験および研究会のためである。はやぶさ2が来年初夏には小惑星リュウグウに着くために、その表面の鉱物組成・粒度・宇宙風化度などを軌道上の遠隔探査のみから導くために、リュウグウに似たと考えられている炭素質コンドライトという隕石を宇宙風化させる実験である。

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宇宙に大量に存在するとされる正体不明の粒子…

 宇宙に大量に存在するとされる正体不明の粒子「暗黒物質」の世界初の観測を目指す東大宇宙線研究所などのプロジェクトで、2013年から始まった「XMASS(エックスマス)実験」が来年末で終了することになった。

 暗黒物質はまだ発見されておらず、約30億円の大型装置への改修計画を政府に申請していたが、予算が認められなかったためだ。国立大学法人や関係機関の運営は国からの交付金に多くを依存しているため、断念はやむを得ず、というわけだ。

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居住可能性と生命存在可能性との大きな違い

 最近の惑星科学での傾向として、従来通りの、我々の太陽系内の惑星を研究する惑星科学者たちと、他の恒星系にある惑星(系外惑星)を観測・研究している天文学者たちとが共同して、地球のような居住可能な惑星を探していることである。一般の人々も、そのような惑星があれば生命を宿しているのではないかと期待して、税金などを通して支援したいと思う傾向があり、それを科学者たちが利用している感が否めない。

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