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[明日へのノート] rss

中学生の「1日スマホ60分」は非現実的?

 香川県議会が全国初となる「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の素案を発表した。今月10日、公開されるや否や、中学生は「1日スマホ60分、夜9時まで」といった、制限部分だけが切り取られ、「非現実的で実効性がない」「行政が口出しするのはおかしい」など、批判が議会に向けられた。

 しかし、国立病院機構久里浜医療センターが昨年11月に発表した10代、20代の男女対象の調査では、平日で18・3%、休日で37・8%の若者が3時間以上ゲームに費やしていた。1時間未満の場合は、学業や仕事への悪影響や心身の状態を害することはないが、3時間以上になると体の不調や睡眠障害などの心の問題が起きてもゲームをやり続けるなど、制御できなくなる人が増える。

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年賀状から考えた家族の意味

 お正月は毎年、年賀状のやりとりをする。最近はメールなどで済ませる人も多いから、差し出す枚数も受け取る枚数も減ったが、年賀状で近況を知る親族や知人がいるから貴重である。

 中に家族写真付きのものが数枚あった。筆者の子供の中学時代の同級生は、春休みにホームステイをする準備中だという。別の知人の年賀状では成長した女の子の写真を見て感慨深かった。

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無計画な便利さを追求した大きな代償

 新年を迎えて大きく変わったのは、地下鉄銀座線渋谷駅のホームが新しくなったことだ。通勤などで頻繁に利用しているが、昨年末の移設工事の時は半蔵門線を代用し、それほど不便を感じなかった。

 ところがM字形のアーチ屋根が目を引く新駅舎の使用が始まった3日、井の頭線から乗り換えようとすると、従前は岡本太郎の大壁画『明日の神話』を右に見ながらエスカレーターで3階に上ればすぐだった改札口への道筋が複雑になり、しかも、JR中央口に向かう階段でJR線利用者と合流するため、通勤時間帯は大変な混雑に巻き込まれるようになった。

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ポツンと山で暮らす喜び、日本人のDNA

 民放テレビ番組「ポツンと一軒家」が人気だ。山の中にある一軒家を訪ね、なぜ不便な山の中に住むのか、住民に暮らしぶりや半生を聞くという、至ってシンプルな番組だが、多くの人が見てしまう理由は分かる気がする。自然に溶け込み、働くことに喜びを見いだして生きる姿が日本人のDNAを刺激するからなのだろう。

 正月早々にやっていた特番を見ながら、両親のことを思った。大正15年生まれの父は70歳近くになってから、近くに民家のない山中に自分で小屋を建て、住み始めた。電気は通したが、水道がないから沢から水を引いた。そこで炭を焼いたり、キノコを栽培したりして暮らしていた。

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便利な「駆け込み寺」、病児保育の怖さ

 今月13日、横浜市の大規模病児保育施設が約1億円の赤字を抱え、2年で閉鎖した。同施設は子供が急に熱を出しても医者の診断書なしで、朝7時から預かってくれるため、共働きの親には「駆け込み寺」のような存在だったという。

 同施設の運営者の弁によると、「1日の利用が少ない時でも保育士や看護師など一定のスタッフを確保しなければならないため、赤字が膨らんだ」とのこと。

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ゲーム障害予防は難しい

 「三つ子の魂 百まで」と言われるように、両親や生活環境、立ち居振る舞いなど、幼少期に培った性格・性分は100歳になっても変わらないということだ。時間に追われる昨今、子供の「なに?」「なぜ?」を聞き取り、分かるように説明する余裕が無いのが実情だ。

 ゲームのやり過ぎで日常生活に支障を来す「ゲーム障害」実態調査の結果、10代と20代の約12%が休日に6時間以上ゲームをしており、プレー時間が長い人ほど、学業・仕事への悪影響や心身の不調を感じ、ゲームをやめられない、など依存傾向にあることが分かった。世界保健機関(WHO)がゲーム障害を依存症と認定したことを受け、厚生労働省の補助事業として国立病院機構久里浜医療センターが実態調査、11月27日に結果を公表した。

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足りぬ子育てのための人材

 筆者の妻は、高齢者のデイケア施設で働いている。年明けに介護福祉士の試験を受けるため、現在は勉強真っ最中である。

 介護の現場はとにかく人材不足だ。妻が繰り返しこぼしているのは、「今月も1人辞めた」というような話である。どうしたらいいのか。給与の引き上げなど待遇改善は必要だろうが、「それだけでは人は来ない気がする」というのが妻の意見だった。

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タクシー通学する小学生

 いよいよ小学生がタクシーで通学する時代になったか――。昭和の終わり、バブル経済の時代なら、威勢のいい話となるのだろうが、実は四国の山間部の村で起こった悲しい現実だ。平成半ばに隣町と合併して新しい町の一地区となったが、その後も人口減少が進み、(旧)村の小学校は全校児童数が数人となって、4年前に(新)町の中心部の小学校に統合された。問題は10㌔ほどの山道を使う通学だが、車両(整備)費や人件費がかかる通学バスを導入するよりは、タクシーで一緒に通学する方が安上がりというわけだ。

 その児童が通う町の小学校も生徒数の減少が続き、各学年とも 20人前後のクラスが一つだけ。全校生徒も140人をやっと超えるくらいだというから、筆者が通った昭和40年代の4分の1~5分の1程度しかない。当時の感覚からすると、山奥の小学校程度になってしまった。過疎地の人口減少は、目に見えて分かる切実な現実問題だ。

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スマホに“使われる”

 2カ月前、ガラケーをスマホに替えた。スマホ使用がとっくに「当たり前」になっていたのだから、「遅ればせながら」と言うべきなのだろうが、電車でスマホの画面に釘(くぎ)付けになっている姿が好きになれなかったので、持たなかったのだ。では、なぜスマホに替えたのかというと、SNSで情報発信しようと考えたからだ。しかし、それがなかなかできていない。使い方に慣れない上に、時間の余裕がないからだが、それはこれから何とでもなる、と楽観している。

 それよりも、使い始めて実感したのは、スマホに「使われる」ような状況を生んでいる情報技術の“罠(わな)”の巧妙さだ。例えば、ある食堂から出た後、「いかがでしたか?」と感想を求めるメッセージが届いた。頼みもしないのに、近くにどんな店があるかを知らせてくることもある。

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ICT活用でいじめ予防

 AI(人工知能)といったICT(情報通信技術)活用で効率的な知識習得や個別最適化の学びが実現することから、海外では学校に1人1台、ICT活用が進んでいる。

 ところが、日本は5、6人に1台、遅々として進まない。11月初め、都内で開催された「Edvation x Summit 2019」では、公教育のICT活用が大きなテーマとなった。今回、幾つかのセッションに参加する中で、ICT活用の効果は学力や学びの質の向上にとどまらないということが分かった。

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読書によって育つもの

 今月9日に行われた「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で、女優の芦田愛菜さんの祝辞が話題になった。中学生とは思えない品のある言葉を選んだ祝辞だったからだ。

 芦田さんは、天皇陛下が松尾芭蕉の『奥の細道』を読まれたことをきっかけに水の研究の道に進まれたことから、自分も大好きな読書を通じて知識を得て、その知識を踏まえて行動に移すことが大切だと考えるようになったと述べている。

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人里に進出する野生動物

 犬とサルと雉(きじ)。童話『桃太郎』に出てくる動物たちだ。犬を除けば、今は動物園でしか見掛けないが、昔はもっと人里近くでよく目にしたのだろう……。ところがどっこい、最近、そんな考えは一変した。

 先月、四国の故郷に帰省して、親戚や知人に話を聞くと、今は少し車で山奥に入るとサルや雉をよく見掛けるのだそうだ。もう半世紀以上も前となった筆者が子供の頃、サルや雉は近くの山で見掛けたことがなかったので、これは驚きだった。

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発達障害って何?

 今月1日の朝、ラジオのスイッチを入れたらNHKで、昭和大学医学部教授の岩波明さんが大人の「発達障害」について解説していた。「この中で、一つでも心当たりのある項目があるようだったらADHD(注意欠如多動性障害)の可能性がある」というので、興味が湧いた。その項目というのは次の六つだ。

 ①集中力を持続させることが難しい②ケアレスミスが多い③片付けが苦手で忘れ物が多い④貧乏ゆすりなど目的のない動きをする⑤感情が不安定になりやすい⑥おしゃべりや不用意な発言が多い――。

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混乱続く英語4技能試験

 2020年度実施の大学入試共通テストから導入される英語4技能(読む・聞く・書く・話す)の民間試験をめぐって、教育現場の混乱が収まらない。

 文部科学省の10月の最終集計によると、英語民間試験を合否判定などに利用するのは大学全体の6割。東北大や北海道大や慶應など、4割は利用しないことになった。利用する大学の中には学部ごとに対応が異なっていたり、民間試験への大学側の対応は受験生から見ると複雑極まりない。その上、会場や日程も不明瞭では受験生や教育現場の不安が募るのは当然だろう。これらは英語民間試験の実施に関わる問題だが、そもそも目的が異なる民間の英語試験を大学入試に活用することに無理がある。

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“チーム学校”として対処を

 文部科学省が2018年に全国の小中高校で起きた、いじめや不登校などの問題行動・不登校調査を発表した。いじめの報告は前年度から約13万件増え、過去最高の54万3933件に達した。いじめ問題に焦点が当たりがちだが、自殺した小中学生・高校生が332人もいて、3年連続で増加しているという。

 「活(い)きていくのが嫌」と発言したり、自傷行為に走ることは、自殺の前触れであり、子供たちからのSOSだと、大人は認識しなければならない。思春期を迎えるとホルモンのバランスが崩れ、衝動的な行動を起こしやすくなる。学校や家庭でのネガティブな情報・体験を減らし、昇華させてあげることを教師だけでなく、大人たちは考えないといけない。

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オンドルと豆炭あんか

 10月になり朝夕は涼しくなったものの、昼間はとても秋とは思えない30度超えの暑さが続いていたが一昨日から急に気温が下がり、昨朝は晩秋のような肌寒さまで感じるようになった。朝夕が肌寒くなると、わが家に登場するのが電気敷毛布だ。韓国で長く過ごしたため、家族皆がオンドル(韓国式の床暖房)の部屋で寝ることに慣れてしまったためだ。

 ソウル市内でも気温がマイナス10度くらいまで下がることはざらだったが、オンドルが利いた部屋で、窓を閉め切っていると半袖でも過ごせるくらい温かい。エアコンの暖房は、むしろ、つけない方がいい。空気がからっと涼しくて、気持ちいいからだ。最近はベッドで寝る人が増えているが、薄い敷布団と掛け布団で温かいオンドルの床に寝ることに慣れてしまうと、日本でいくら暖かそうな毛布を敷いても、それだけでは物足りなく感じてしまう。やっぱり、下から温かさが押し上げてくるような感触が欲しくなってしまうのだ。

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多様性織り成す「和」

 小学生の時からのラグビーファンだ。と言っても、もっぱら観戦するだけだが、それでもラグビーW杯で、優勝候補アイルランドを倒した日本代表の強さはすぐ理解できる。それを一言で表すなら、日本人選手と外国人選手が織り成す「和」である。

 試合前は正直、屈強な選手がそろったアイルランドとのボール争奪戦で劣勢に立ち、試合を支配される時間が長く続くだろうと思ったが、そこで一歩も引けを取らなかったのには驚いた。日本人のスピードや敏捷(びんしょう)性を生かしたパス回しで活路を見いだすにしても、ブレークダウンの攻防で負けては試合にならないが、そこで五分で渡り合うことができたのは、屈強な外国人選手の活躍が大きい。

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川崎の買い物難民

 10月から、市内の大型スーパーが全面出資し、念願の買い物バスが運行されることになった。と言っても、人口減の山間部の自治体の話ではない。2030年まで人口増が続く、政令指定都市の居住区(神奈川県川崎市)の話である。

 先日、区の外れにある地区の自治会長さんに呼ばれ、健康と終活の啓蒙(けいもう)活動に伺った際、そこで初めて買い物バスの話を聞いた。同じ区内でも駅からちょっと外れると、買い物難民問題が静かに進行していることに正直驚いた。

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高齢者の生き方

 数日前、実家の母親に電話すると、普段とは違う嬉(うれ)しそうな声で話し始めた。県外に住んでいる次男(筆者の弟)夫婦と孫が家族で「おばあちゃん孝行」に来てくれたという。夏のお盆は孫のアルバイトの都合で会うことができなかった。多くの祖父母と同様、高齢で独り暮らしの母親にとっては孫のために世話を焼くことが格別の喜びのようだ。

 敬老の日に合わせて発表された総務省の人口推計では、65歳以上の高齢者は3588万人。全人口の28・4%になった。その中で仕事に就いている人は過去最多の862万人。従業者全体でも13%を占めている。65~69歳の年代では半数近く、70~74歳では30%の人が就業しているという。時代の要請もあって、「65歳以上の高齢者」というイメージが変わりつつある。

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東京で思う故郷の夏

 お盆が過ぎ、台風シーズンになると水が冷たくて川で水泳できなくなり、台風が来ると秋の気配が一気に深まる。運動会が開かれる10月10日にでもなれば、最後の種目が行われる頃にはじっとしていると、ガタガタ震えるくらい寒くなる。

 幼い頃に体感した故郷(四国)の夏から秋にかけての季節の移ろいだ。

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夏休みの終わり

 宮城県の実家に住む甥(おい)夫婦に、次女が誕生したというので、日曜日(8月25日)にお祝いに訪れた。その日、幼稚園児の長女は夏休みの最後の日で、「あした、お友達に会える!」とはしゃいでいた。

 東京で単身赴任生活を続け、家族の住む山口県と行ったり来たりしているから、8月いっぱいは夏休みだと思い込んでいたが、私の子供の頃と変わらず、東北の夏休みは短いまま。一方、東京では、どこも学校は9月2日に始まるかといえば、そうではなく、宮城県と同じ日に始まる所もある。例えば、新宿区、目黒区などがそうだ。

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今どきのお墓事情

 遠くの墓地を墓じまいし、住まいの近くに新たに墓を持つ人が増えている。今、首都圏は空前の墓ブームである。わが家の近くの永代供養墓の霊園チラシには、樹木葬墓など「お一人様」「ご家族お二人様」に向けた多様なプランが並んでいる。一昔前には考えられないほど簡素化している。

 立地の良さに惹(ひ)かれ、お盆休みに霊園の担当者に話を聞いてみた。格安で管理費不要、合同・合祀(ごうし)の永代供養墓が今は一番ニーズが高いという。箱根の立派な墓地を畳んで、簡素な永代供養墓に移る人など、経済力に関係なく子や孫に面倒を掛けたくないというのがあるようだ。

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故郷で感じた少子高齢化

 お盆に実家に帰省したが、今回は特に地方の少子高齢化の現状を垣間見る思いがした。筆者は夫婦どちらも九州の出身で、帰省の際は両方の実家に行くことにしている。

 筆者の実家で母親がしみじみ話していたのは「近所で子供の声がしない」ということだった。

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