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[明日へのノート] rss

同性カップルの責任は?

 世田谷区が今年11月をめどに、同性カップルに結婚に準じる関係と認める公的書類を発行するという。今年4月、渋谷区が同性カップルに結婚に相当する証明書を発行する条例を施行しており、これから他の自治体にも広がりそうな趨勢(すうせい)だ。

 同性愛カップルが一緒に住もうと思っても不動産屋に断られるとか、相手が入院した時に家族でないので面会できないなどの差別をなくすための措置だというが、どうして同性婚の認定でないといけないのか。そもそも「同性婚」とは何なのか、分かりにくい。

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所沢「育休退園」の波紋

 6月25日、所沢市の保育園に子供を預けている保護者11人が、「育休」で上の子が退園となる、市の運用の差し止めを求めて提訴した。この1カ月、育休退園問題をめぐって、さまざまな反応がウェブ上で沸騰した。「育休取得し出産後は、上の子が0~2歳児は原則退園」とする所沢市の対応に賛成の声が多かった。

 原告側の提訴理由は、「育休は復帰の準備期間で就労の一形態」であり、児童から保育園を奪うのは、「児童・保護者いずれにも深刻な不利益を与える」というものだ。保育を受ける権利の濫用とも受け取れる。待機児の解消を考えれば、市の「育休退園」は十分理解できる。

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「安全神話」の二面性

 東日本大震災によって、日本の原発の安全神話は崩壊した。ここでいう安全神話とは、原発が「絶対に安全」とか「百パーセント安全」とかいう主張のことだ。

 なぜこれが「神話」となるのか。そもそも神話とは、侵し難い絶対的なものという半面、科学的な根拠を持たず理性で説明がつかないものという二面的な意味を持つ。原発の安全性についていえば、原子炉の製作技術や素材、その防災システムを向上させ、それを管理する人材の教育を強化すれば安全性を極大まで高めることはできるが、人間のミスや、防災システムの想定を超えた事態に直面すれば、当然、安全性は担保されなくなってしまう。だから、世界最高水準の安全性ぐらいまでは科学的に立証できても、「絶対に安全」「百パーセント安全」を立証・担保することは最初から不可能だ。そこまで踏み込むと「神話」になるのだ。

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学習困難者のための塾

 5月4日付教育面で紹介した「発達障害」専門の塾講師・福嶋和幸さんに再び会った。「SUNDAY世界日報」に転載された記事を読んで、彼の塾を訪ねた読者もいるそうだ。そのお子さんが勉強好きになってくれれば、と願う。

 塾に通う子供と保護者の感想文を見せてもらった。「5科目で70点以上も上がっていてとてもびっくりしました。数学は30点も上がりました。またがんばりたいです」「全く分からなかった『垂直二等分線』が分かるようになりました!!」「テストで0点だったけどはじめて算数で100点とれてうれしかった」

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親韓派と良心的日本人

 去る22日夕、都内のホテルで行われた在日韓国大使館が主催する日韓国交正常化50周年の記念レセプションに参加した。開催直前に決まった安倍晋三首相の出席によって、盛り上がった式典になったが、従来の懸案は残されたままなので、日韓関係の展望は予断を許さない。外交当局による国益を守るギリギリの交渉と最高権力者の最後の決断が残されているためだ。

 もう一つ深刻な問題がある。それは日本で進む従来の親韓派の韓国離れ(嫌韓感情の高まり)だ。かつて日本では大手マスコミや教職員組合が左翼勢力に牛耳られ、北朝鮮は「地上の楽園」、韓国は「軍事独裁の人権弾圧国」というイメージが定着していた。

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「父の日」行事への配慮

 「父の日」を前に、保育園では「父の日」の行事をやらないところが増えているというニュースを耳にした。離婚家庭の子供への配慮が理由だ。

 日本は年間約22万組が離婚し、親の離婚を経験した未成年者は年間23万人に上る。増える離婚家庭の子供のケアは重要な問題となっている。離婚後の子供のケアに関する海外の著作を翻訳紹介している、家事調停員の丸井妙子さんは、自身の著書『離婚の苦悩から子どもを救い出すために』のなかで「片親疎外症候群」の深刻な実態を伝えている。

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子宮頸がんと性倫理

 重篤な副反応とみられる症状を訴える少女が多く出ている子宮頸(けい)がんワクチン問題。厚生労働省が接種の積極的な勧奨を中断してから、6月で2年になる。

 厚労省が接種の勧奨を再開するかどうかの結論を出しそうな時期になって、この問題への注目度がアップするが、慎重派と推進派との意見の隔たりは大きい。被害を訴える人たちは、接種後に起きた症状の原因究明を急ぐとともに、接種中止もしくは定期接種から外すことを求めている。

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地震予測の功罪

 最近、妻からよく「あなたはどうして防災グッズを揃えないの」と“口撃”される。職場の同僚から、震災時に備えて水とか保存用の食品などを揃(そろ)えたという話をよく聞かされるのに、どうして何もしないのかというわけだ。

 東日本大震災が起こってから、地震など災害予測を伝える報道をよく目にするようになった。一番有名なのが、文科省傘下の地震調査研究推進本部事務局が公表している「(確率論的)全国地震動予測地図」だろう。ここに出てくる「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布」(平均ケース・全地震)図を見ると、確かに、福島県の南から四国に至るまで太平洋側の広い地域が、確率26%~100%を示す真っ赤で塗られている。こんな地図が報じられれば、恐ろしくなるのが人間の心理というものだろう。

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スポーツと健康

 スポーツ庁が今年10月、発足する。長い間、その必要性は言われてきたが、なかなか実現しなかった。2020年の東京五輪が追い風となったことは確かだが、もっと切実な問題が発足の背景にある。

 高齢化などで、医療費支出が膨らみ、国の財政を逼迫(ひっぱく)させている。そこでスポーツを通じて国民の健康増進を図ろうというのだ。

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植物の葉序の神秘

 季節外れの台風にその直後の猛暑と、気まぐれな天気が続いている。「何とか心と秋の空」といわれるように、気まぐれなのは秋の空が定番だったが、近頃のお天道様は年がら年中、気まぐれのようだ。

 とはいえ、自然の営みはそんな中でも正確に時を刻みながら進んでいる。梅や桜に続き、八朔、ハナミズキなどの花が咲き、今は青々とした葉っぱが生い茂る季節を迎えている。目を地面に転じても雑草が力強く命の息吹を薫らせている。私たちが青葉若葉の候に感じる躍動感とすがすがしさは、旺盛に成長する植物の生命力によるところが大である。

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コンビニの「有害図書」

 東京都が青少年健全育成条例を改正し、都内の書店やコンビニで、「不健全図書」(有害図書)の区分陳列を始めたのは2004年だから、まる10年が過ぎたことになる。区分陳列は他の自治体にも広がっているから、子供の健全育成のための環境浄化はこの間、半歩前進したというところか。

 なぜ、一歩前進ではないかというと、そもそも子供が日常的に立ち寄るコンビニに成人向け雑誌が陳列してあること自体が「異常」だからだ。しかも、卑猥(ひわい)な写真を掲載した表紙が子供にも見える状態で並んでいるのだ。地方によっては、女性のヌード写真を表紙にあしらった雑誌を店外に見える形で置いている店もある。

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女性の幸せ度合

 3月20日は国連が定めた「世界幸福デー」。先ごろ、国連が発表した世界の幸福度に関する報告書では、幸福度上位はスイスを筆頭に、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、カナダ、フィンランドなど北欧諸国が並んだ。日本は46位で、メキシコ、チリ、タイ、台湾、ウズベキスタンより下位だ。幸福度は測る指標によるから、家族、教育、治安といった尺度で測れば、違った結果が出るだろう。

 内閣府の幸福指標では幸福度を押し上げるプラス要因として、女性、既婚、子供、世帯年収、高学歴、学生、困った時に相談できる人がいる、を挙げている。

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蚊の鳴くような国歌斉唱

 安倍晋三首相が参院予算委員会の答弁で、国立大学の入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱について、「新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」との“感想”を述べたことに対し、元来が教育現場での国旗掲揚や国歌斉唱を快く思わない新聞や政党は「大学(の自治)への不当な介入」などといきり立った。

 とはいえ、全国の国立大86校のうち、今年の卒業式と入学式で国旗を掲揚しなかったのは各々12校だけだったが、国歌斉唱になると実に各々72校、71校が実施せず。「国立」の名を冠し国庫から総計1兆1千億円の運営費交付金とその他の支援を受けていながら、国旗も掲げず国歌も斉唱しない大学があるというのは、一般常識からみても不可解極まりない。

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小学生からの薬物防止教育

 大型連休が明けるころに、進学や就職で環境が大きく変わって心身のバランスを崩す若者が多くみられるようになる。いわゆる「五月病」だ。このほかに、この時期には薬物乱用、登校拒否なども増える。

 薬物乱用や登校拒否も精神的なストレスと深く関わっているから当然だろ。ただ、薬物乱用の場合、ストレスとは逆に、受験勉強から解放されて起きる気の緩み、心の隙が原因となることも多い。危険ドラッグになると、軽い好奇心から手を出すケースが指摘されている。

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赤ちゃんの力

 政府は先月、「少子化社会対策大綱」を閣議決定した。待機児解消を柱にきめ細やかな子育て支援策が盛り込まれたほか、結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現に社会全体で取り組む方向を打ち出した。

 子供・子育てに温かい社会とは、子供と子育ての価値を実感し、大切にすることなのだろうと思う。今年1月に開催された家庭教育支援研究発表会(文部科学省主催)の中から、感銘を受けた唐津市のNPO法人子育て支援情報センター「中学子育てサロン」の取り組みを紹介したい。

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ジェンダーの暴走

 渋谷区の「同性婚」条例が31日成立する見通しだ。条例案を審議した総務区民委員会では、自民党は反対したが、他会派は賛成した。

 条例案を一読した印象は、男女共同参画社会基本法をより過激にバージョンアップさせたな、というものだった。同時に、「基本法に暴走を生み出すDNAが埋め込まれている」と、かつて安倍首相(当時自民党幹事長)が語ったのを思い出した。“暴走DNA”とは、ジェンダー思想のことで、その懸念を同性婚容認という形で現実のものにしたのが渋谷区の条例案だ。

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手段としての英語学習

 文部科学省が全国の国公立高校の3年生約7万人を対象に初めて行った英語力調査によると、「読む、聞く」の平均的学力は英検3級(中学卒業程度)相当で、「書く、話す」はさらに低く、「書く」に至っては0点が約3割もいた。平成25年6月の教育振興基本計画は5年間で、高校卒業生の半分が英語力の目標(英検準2級程度~2級程度以上)を達成することを成果指標に掲げているが、現実は極めて厳しい。

 とりわけ、アンケート調査で英語が嫌いと答えた生徒が58・4%もいる。「好きこそものの上手なれ」といわれるが、「英語嫌い」の学生を減らすところから手をつけないと、目標達成は夢のまた夢となるだろう。

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丸刈り校則の思い出

 春の甲子園大会が21日に開幕する。高校球児と言えば、坊主頭を思い浮かべる人が多いのではないか。長髪が当たり前の時代になって、丸刈りを時代遅れと感じる人もいるようだが、筆者は丸刈りの生徒にすがすがしさを感じる。

 中学卒業まで丸刈りで通した筆者には、丸刈り校則をめぐる痛快なエピソードがある。1970年代だった。通っていた中学は比較的自由な校風で、長髪が認められていた。一学年200人中、丸刈りは3、4人だけだった。

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生き心地のよい社会

 長らく3万人台で推移していた自殺数は2014年は2万5千人に減った。それでも、交通事故死の6倍。若い世代の死因トップは7年連続自殺である。

 自殺対策を考える上で、近年注目されているのが自殺希少地域の徳島県海部町の存在だ。自殺率が低い町の上位10位のなかで唯一離島でないのが海部町。同町を調査した和歌山県立医科大学の岡檀(まゆみ)さんの著書『生き心地の良い町~この自殺率の低さには理由(わけ)がある』によると、この30年間の自殺率(対10万人)の平均値が全国25・2に対して海部町は8・7。しかも隣接する二つの町の平均値は26・2と29・7。海部町の低さは驚異的だ。

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患者教育

 今年82歳になる妻の母が体調を崩して入院した。見舞ったところ、血色がよく、家にいる時よりも元気そうだった。

 「重病ではないな」と、ほっとして家に帰る車中、助手席の妻がぼやいた。「入院するなり、若い担当医は『延命治療はしますか』と言うのよ。おばあちゃんと顔を見合わせ、唖然としてしまったわ」。

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日韓関係よくする秘訣

 韓国で長く特派員を務めた筆者はよく「日韓関係をよくする秘訣はないか」と尋ねられる。そんな特効薬みたいなものがあれば、私の方が教えていただきたいというのが正直な気持ちだ。長く「未来志向の日韓関係を築こう」と言われてきたが、この未来志向のとらえ方自体が日本と韓国で異なる。もちろん、過去や現在よりも未来に重点をおいて考えるという点では同じだが、未来に向かうための方法が違う。

 日本は、過去は水に流して未来に向かおうとする。これは古事記の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)にまで遡(さかのぼ)る禊(みそぎ)の思想に他ならない。この際、滝に打たれたりする行為は象徴的な契機(けいき)にすぎず、過去の罪を抱えながらも、それをありのままに受け入れて感謝して乗り越えていく心的過程が中心となる。

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マナーポスター

 東京メトロは、マナーポスターを月替わりで地下鉄車内に貼りだしている。平成26年度は、擬人化した動物を描いてマナー喚起に努めており、例年以上に目を引く。

 「メイクするばしょ ここじゃないよ」と、車内での化粧を慎むよう呼び掛けたのは1月。「でんわのこえがきになるよ」と、2月はケータイやスマートフォンでの通話禁止をやんわりと促している。

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懐かしい静かな闇夜

 子供の頃、夜は本当に暗く静かだった。寝間の電灯は完全に消され、街灯もないから満月の前後でもなければ窓から明かりも差してこない。夏から晩秋まではマツムシやスズムシ、コオロギなどの鳴き声が聞こえてくるが、冬になるとそれもなくなる。聞こえてくるのは、「火の用心」という声と「カチカチ」という拍子木の音だけ。それもすぐに通り過ぎてゆく。

 そんな寝床で記憶に残っているのは、なかなか寝付かれず暗闇の中に独り取り残されたような無性に不安な思い。そんな時になお一層、心の支えになる隣に寝る母の温もりと子守唄だ。「眠れよい子よ、庭や牧場に、鳥も羊も、みんな眠れば…」。後で調べると、モーツアルトの子守唄だった。

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