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[明日へのノート] rss

介護を誰が担う

 高齢者への虐待相談が増えている。先週、厚生労働省が公表した調査では、家庭で介護者による高齢者虐待の相談件数は2万6千件。虐待の半数近くは虐待を行った介護者と被虐待高齢者が同居する2人暮らしで、虐待者の4割が被虐待高齢者の息子という。

 親がわが子を虐待し、子が老親を虐待する。虐待という意味では事情は似ている。狭い密室空間で一人で問題を抱え、心身ともに追い詰められ虐待に至る。児童虐待では6割以上が親が加害者となり、高齢者では息子が虐待者となる。周囲に相談できる家族・親族や親しい人がいない。経済的余裕がないという点も共通している。

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薬物乱用防止のカギ

 昨年11月、京都市の小学6年男児が「大麻を吸った」と告白し、その後、その兄(高校1年)が大麻取締法違反容疑で逮捕された。男児は兄の部屋に入って大麻を見つけたらしい。先月には、岐阜県の高校一年の女子生徒が覚せい剤取締法違反で逮捕された。

 薬物乱用の低年齢化が「ここまで来たか」と記者は驚くのだ、未成年者による事件が相次いでも驚かない専門家は少なくない。ネットやLINEの普及によってだいぶ前から、乱用の魔の手は10代前半の子供にも迫っていることを知るからだ。

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三方良しのお寺婚活

 浜松市に龍雲寺という寺がある。数年前からお寺婚活「吉縁会」を開いている。「成人の日」の翌日、昨今の婚活事情をルポしたテレビ番組で「吉縁会」を紹介していた。会員4600人、臨済宗系の寺を中心に東海や関東など全国に広がっているという。

 既存の婚活事業と違って、寺コンと呼ぶお寺婚活の魅力は寺が仲介する安心感、そして費用の安さにある。入会費・年会費、成婚した時のお礼金のようなものは一切不要で、当日の参加費のみ。交通費をかけて、遠くは北海道から参加する者もいるそうだ。「吉縁会」では誕生したカップルは85組。住職の仲人で寺で結婚式を挙げる人もいる。

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「子ども食堂」の広がり

 「子ども食堂」が各地に広がっている。貧困や親の病気などさまざまな事情で十分な食事ができなかったり、1人で夕食を食べている子供たちのために、月に数回、地域の人々がボランティアで食材と食事の場を提供する。

 こうした場が全国各地に増え、首都圏だけでも約30カ所に上るという。今月11日には2回目の「こども食堂サミット」が開催された。

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正月と餅つき

 新年が始まり、もう成人の日となった。年末年始には、家族総出で大掃除し、年越しそばを食べながら除夜の鐘を聞いたり、近くの神社に初詣に出掛け、雑煮やおせち料理を食べたりした人も多かっただろう。家族と一緒にそんな楽しい時間を過ごせたとすれば、本当に幸せなことだ。

 とりわけ、幼い時期にそんな体験をすれば一生の宝物になる。長く生きていれば、いろいろな体験をするが、子供の頃の家族と一緒に行ったイベントほど心温まる思い出はない。筆者の心に残る一番の思い出は、年末の餅つきだ。

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和式トイレ

 来年度予算案で、外国人旅行者の増加に対応するため、地方の旅館などが和式トイレを洋式に改修する費用を補助する事業が含まれた。そのニュースに、カナダ人女子留学生を短期ホームスティ(12月7日付のこの欄で紹介)させた時のエピソードを思い出した。

 車で自宅近くの観光地に行く途中のことだった。彼女がトイレに行きたくなったというので、ローカル線の駅に寄った。付き添い役の家内と2人で駅舎に入っていったが、なかなか戻ってこない。

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子供の立場で考える

 「『子どもの立場にたって考える』という言い方が、女性の社会参画を進める上ではふさわしくない、というふうにいわれてきた経緯がある。『子どもの立場にたって考えれば、母親にそばにいてほしいものだ』といった、本当に子どもがそう思っているのかどうかわからないような言い方を利用されたことにより、女性を結果として子育てにしばりつけてきた、と国会での審議などで指摘されてきた。しかし子どもの視点がわからないから、ないがしろにしてもよいわけではあるまい」(三砂ちづる『女が女になること』)。

 これは、子育て支援の問題で、病児保育利用者数の政府目標に触れた中での一節。三砂氏は、これまで子育て支援策の多くが「働く母親の支援」「保育所の確保」という観点で語られたが、家庭や保育所における「子供が育つ環境」という観点の議論は始まってもいないと批判している。

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現代の井戸端

 認知症カフェ、子育てカフェといった「コミュニティカフェ」(コミュカフェ)があちこちに出現している。最近も近所の生涯学習支援施設の壁面に「おしゃべりカフェ」のチラシを発見した。

 コミュカフェは現代の井戸端と言われ、運営スタイルも目的もさまざま。先日、認知症カフェを開きたいという社会福祉士の知り合いに誘われ、開設講座に付き合う羽目になった。

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留学生との交流

 自宅近くの大学が9月に入学した留学生を一般家庭にホームスティさせるプログラムで、受け入れ家庭を募集していた。高校2年の娘がその募集を知り、「ぜひ泊めてあげたい」と言い出した。

 一泊二日で負担が少ない上、大学で英語を学び、将来語学を生かした仕事に就くことを目指す娘のためにもなる、と快諾した。土曜の朝、大学に迎えに行くと、カナダ人の女子学生(20)が待っていた。フランス系で、第1言語はフランス語だが、英語も流暢(りゅうちょう)に話す。

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祝日の意義

 先週の日曜日のことだ。仕事の関係で外出中の筆者に妻からメールが届いた。「今日、何の日か知ってますか? いい夫婦の日なんですって」。11月22日がその語呂合わせでいい夫婦の日ということは知っていたので、「もちろん知っているけど、今日とは知らなかった」と簡単に返事した。とはいえ、そういわれると何となく手ぶらでは帰りにくいので、妻や子供が喜びそうな手土産を買って帰る羽目になった。

 この手の(記念)日は11月だけをみてもたくさんある。いい風呂の日(26日)、いいトイレの日(10日)、ワン、ワン、ワン(111)となる犬の日(1日)などもあれば、11日は「+-+-」となるので電池の日なのだという。

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「情動」を育てる家族愛

 子供の「情動」の発達に関する最新の研究を教育に活(い)かし、現在のいじめ問題などにも対応しようと、文部科学省が専門家の会議(「情動の科学的解明と教育等への応用に関する研究推進会議」)を設置している。

 情動(喜び、悲しみ、怒り、恐れなどの感情)は、子供の認知力や学習能力などの基礎になるもので、いじめなどの問題行動に及ぶのも情動の発達のひずみが大きな要因になっていると考えられている。

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フリースクール法制化

 いじめや発達障害など何らかの理由で学校に行けない不登校児童生徒は約12万人に上る。カウンセラーを配置したり、クラスの少人数化を進めてきたが、改善の兆しは見えてこない。  先日、不登校の受け皿となっている公的な教育支援センター、民間のフリースクールなど学校以外の教育を義務教育修了と認める自民党法案が公表された。原則、学校復帰を目指すとしながら、教育委員会が保護者の申請を認めた場合、フリースクールでも義務教育相当の教育を受ければ、義務教育を修了したと認定されるという内容だ。

 近年、インターネットによる授業や講座が急拡大しており、自宅学習する環境も整ってきた。義務教育の場が広がり、教育の選択肢が増えると歓迎する声もある。ただ、「不登校を助長し、学校制度が形骸化する」と、懸念の声は強い。

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いじめの加害者?

 東京周辺で暮らす小中学校時代の同級生たちが年に何度か集まる。その時、決まって盛り上がる話題がある。顔を見せない同級生の消息についてだ。

 先日も、小規模の食事会を開いた時、「A子さん、一度も顔見せないね。どうしているかな」と、ある女性に話題が及んだ。そして最近、里帰りをした際、A子さんと偶然出会ったという同級生の一人がこんな話をした。

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心を豊かにする自然体験

 小学校の頃、通学路に大きなザクロの木があった。ザクロの実が開く頃になるといつも甘い香りが漂ってきて、その実が本当においしそうに見えたものだ。

 ところが、はるか後に会社からの帰り道を歩いていると、ザクロの木もないのにその甘い香りが漂っているではないか。辺りを見渡すとオレンジ色の小さな花が集まって咲いているキンモクセイの木がある。その時になってやっとその香りの正体を知ったわけだ。

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「再婚禁止期間」は違憲?

 前の夫との離婚が成立する前に、他の男性との子供を妊娠・出産した静岡県の女性が、民法に定められた嫡出推定と再婚禁止期間のために子供が無戸籍になり、再婚もできないとして、300万円の賠償を求める訴えを、今月15日、東京地裁に起こした。

 女性は離婚から6カ月たたなければ、再婚できないというのが民法の再婚禁止期間。嫡出推定制度は、妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定するという規定だ。

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理系人材を育てる好機に

 毎年ノーベル賞の季節になると、日本中が期待に沸く。今年は大村智氏(80)、梶田隆章氏(56)、ともに地元の地方大学の出身だったこともあり、ノーベル賞を身近に感じた若者も多かったに違いない。

 日本人の受賞ラッシュは子供たちの職業選択にも影響を与えているようだ。6月に(株)クラレが行ったアンケート調査では、受賞前にも関わらず小学6年男子の「将来就きたい職業」の2位に「研究者」が浮上している。

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今の18歳は大人?

 高校時代の同級生から、メールが届いた。添付されていたのは一枚の写真データ。高校3年の運動会で、仲間たちで撮ったスナップ写真だった。

 メールの送信者は今、故郷近くの高校で国語教師をしている。文化祭で教師たちの若い時の写真を展示するというので、生徒に提出を迫られ、数枚しかない高校時代の写真を探し出したという。写真の真ん中に陣取っていた筆者を思い出し、送ってくれたのだ。

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道徳で教える「家族」

 道徳教育の教科化(「特別の教科道徳」)は、小学校で平成30年度、中学校は31年度から実施される。

 3月に改定学習指導要領が告示され、7月には教科書作成の指針となる学習指導要領解説書が公表されたが、その中で目をひくことの一つが、「家族」に関する記述だ。

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買い物難民700万時代

 大手総合スーパー各社が相次いで大規模閉店の方針を打ち出した。需要が見込めない大型店の閉鎖は買い物難民を生む。

 先週「カンブリア宮殿」というテレビ番組で、高齢化社会の買い物難民を救う新ビジネスを紹介していた。

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生得的な男女の違い

 一姫二太郎とはよく言ったもので、最初から男児が続いて生まれ育児に悪戦苦闘した妻の姿を知っている筆者としては、最初に女児が生まれ、その子が3歳近くなって男児を産んだ長男の嫁は本当に恵まれていると思う。もちろん、育児の真っただ中にいる嫁は、最初が男であろうが女であろうが、その大変さは常に極大値だから、そんなことを言ってもかえって「余計なお世話」だろう。

 ただ、誰の目にも明らかなのは男児と女児の違いだ。関心の多様性、一つひとつの動作の速さ・強さが明らかに違う。弟の方は寝返りもかなり早くするようになり、最近は何かに関心を持つとその方向にさっと手を伸ばしたり、動き出そうとしたりする。その速さと強さが、娘を育てた経験からくる母親の想定を越えている。一方、3歳になった姉は弟を抱いたり、世話をする仕草をしたりしてかわいい。

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「家族の病」を越えて

 お盆の休み、二つの家族本を読んだ。下重暁子氏の『家族という病』、もう一つは発達障害の専門医・星野仁彦氏の『家族と言う病巣』だ。

 前者は下重氏の家族史であり、家族が互いに何をしているか知らない、希薄な家族関係だったと吐露している。家族団欒(だんらん)なんて幻想と言い放ち、家族への恨み節にも受け取れる。

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「婚学」のすすめ

 シンポジウムで、「婚学」を提唱している佐藤剛史さん(九州大学助教)の話を聞く機会があった。

 佐藤さんのゼミは1年生を対象に行われていて、定員20人のところ200人を超える学生が殺到するほどの人気を集めているという。

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子供だけの旅の思い出

 夏休みに入って、子供だけで旅行する姿を見かけることがある。親の実家にでも遊びにいくのだろうか。中には、独り旅もある。

 今は成長したわが家の子供人3人も小学生の時、付き添いなしで旅をさせたが、それぞれハプニングがあって、今も忘れられない。まずは長女と長男の二人旅のケース。二人とも小学生の時だった。筆者は当時、東京に単身赴任し、妻と子供たちは中国地方の妻の実家に住んでいた。

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