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日本の政治家は拉致被害者を見捨てた

■拉致被害者は今年も帰国できない

 北朝鮮が日本人を拉致してから40年以上が経過した。実際に日本人を拉致した年代は不明だが、明らかになっただけでも40年以上になっている。だが、40年以上経過しても拉致被害者の多くは日本に帰国できていない。

 北朝鮮による拉致が囁かれていても、日本の政治家は救出命令を出していない。その後北朝鮮が拉致を認めて一部の拉致被害者が帰国できた。これでも日本の政治家は、救出命令を出していない。話し合いで解決を求めているが、現実は帰国できていない。

■反戦病

 日本人の多くが戦争を嫌う反戦病に罹っている。その代表が政治家だから、日本の政治家の多くが反戦病。だから自衛隊を用いてでも、国民を救出することを思考から排除している。常に話し合いで解決を求めるとしても、国際社会の現実を無視している。

 「戦争は政治の延長であり、戦争は政治の手段の一つ」

 戦争は話し合いの外交で解決できない時に使う最終手段。だから戦争は政治の延長。だから世界から戦争は消えない。さらに、自国民救出のために軍隊を投入するなら、これは救出作戦。これは戦争ではなく、国民を守るための戦闘。

 国際社会では、国家間の戦争と国民救出目的の戦闘を明確に分けている。だが日本では、戦争と戦闘を混同している。このため、救出目的の戦闘すら悪と見なしている。これでは北朝鮮から拉致被害者を救出することが不可能になっている。

■他力本願の政治

 そこで悪人になりたくない日本人は、国際社会に訴えて北朝鮮から拉致被害者を救出する道を選んでいる。これは国際社会の多数派工作で、北朝鮮に圧力を加えて拉致被害者を帰国させる道。

 現実は帰国できていない。理由は、国際社会では自分の国と国民は自国の軍隊で守るのが基本。これを外国に依存するのは迷惑な話。自国の軍隊が外国のために戦えば、自国の人間が死ぬだけ。だから外国のために戦わない。

 国際社会が動く時は、自国が率先して動く時。その時に、外国は共に戦う。自力本願の時に外国は協力する。しかし今の日本は他力本願だから、日本に利用されることを嫌うのだ。誰もがそうだ。他人に利用されて傷付くことを嫌う。だから日本の拉致被害者対策は、根本的に間違っている。

■軍政と軍令

 基本的に政治家が持つ軍政と、軍隊が持つ軍令に分離されている。これは一人の人間が権力を持ち、独裁を行わないための人類の経験則。だから軍隊は、政治家の命令がなければ動けない。

軍政:宣戦布告・停戦・休戦・国軍に戦争の政治目的を付与する。
軍令:軍隊の組織と運用は経験則に従い原則として自由。

軍政:法の枠内の話。
軍令:憲法・法律などの法外の話。

 日本の場合だと、「内閣総理大臣が軍政を発動し、自衛隊に対して目的を達成するために運用させる。国外における自衛隊の軍令は憲法と法律の外である」となります。政治家が軍政を持つから軍隊は単独で動けません。これは戦前の日本も同じで、政権の元で宣戦布告が行われています。だから軍隊の暴走なんて大嘘です。

 国外における軍隊の行動は憲法と法律の外。これはパワーバランスだから戦理の世界。ですが、軍隊にも規律があるので、非人道行為などは軍隊内部の法律により裁かれます。この理由は、自国の法律を外国に適用すれば、その国の国家主権を否定することになる。だから自国の法律を使わず、国外で活動する軍隊の軍法裁判で裁くのが通例です。

■首相の決断

 歴代の首相は自衛隊に対する軍政を持っていました。だから歴代首相は、自衛隊に拉致被害者を救出する命令を出すことができました。ですが歴代の首相は、自国民を救出する命令を出していません。

 これは首相の決断。自国民を救出する戦闘だから、国際社会は称賛しても否定することはしません。何故なら、自国民を救出する戦闘まで否定したら、自国が困るから。各国は、自国民を救出する戦闘を肯定しています。仮に自国民を救出する戦闘まで否定すれば、今度は自国が国民を見捨てた政治家とし、国民から否定されます。最悪の場合は大統領・首相を辞任することになるので、自国民を救出する戦闘を否定しません。

 国民としても、国が国民を見捨てるなら国を愛さないし信用しません。だから各国は、自国民保護を優先する。だから軍隊を用いてでも救出します。これが現実ですが、日本では自国民を救出する戦闘すら悪と見なしています。これでは北朝鮮から拉致被害者を救えません。

■拉致被害者を見捨てた日本人

 日本人の多くが拉致被害者を救出したいと願っても、戦争を悪と認識している。これでは自衛隊を用いた救出作戦は思考の外。もしくは、自衛隊を用いた救出作戦を悪と認識する。行き着いた先は、戦闘無しで解決する道を選ぶ。つまり話し合い解決。美名だが、結果的に拉致被害者を見捨てている。

 話し合いを選ぶから己は正しいと思っていても、国際社会の現実から見れば冷酷な人間と映る。政治家は国民の多数が救出作戦を求めるまで動かない。政府関係者は、絶対に救出作戦を選ぶことはしない。決断することなく、国民の総意で動くことを選んでいる。

 これでは永遠に拉致被害者は帰国できない。今の日本人の多くは、拉致被害者など見捨てている。だから救出作戦すら考えない。最終的には首相の決断だが、歴代首相は救出作戦を命令しなかった。

 過去の自衛隊で北朝鮮担当の部署は、救出作戦を想定した諜報活動を行った。首相が救出作戦を命令することを前提に、担当者たちは北朝鮮の動向を調査し、救出部隊の侵入ルートを見つけ出した。

 だが命令は出なかった。担当者は退官し、毎年年末になると泣いていた。「今年も拉致被害者は帰らなかった」、この様に毎年泣き、そして黄泉の国に旅立った。これが悲しい日本の現実。全ての日本人は、悲しみから目を背けて今も生きている。拉致被害者が悲しんでいることを忘れ、今年も終わりを迎えようとしている。日本人として、これで良いのか?

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