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「未知の世界」に進む共和党

容易でない挙党体制の構築

 米大統領選の共和党候補指名争いは、テッド・クルーズ上院議員の撤退により、実業家ドナルド・トランプ氏の指名獲得が確実になった。共和党は、政治経験を一切持たず、数々の暴言で大統領としての適性すら疑問視される「異端児候補」を担ぎ、11月の本選に臨むという“未知の世界”に進みだすことになった。

3日、ニューヨークで、笑顔を見せる共和党のドナルド・トランプ氏(AFP=時事)

 「共和党に結束をもたらさなければならない」。トランプ氏は3日夜、ニューヨーク市内での演説でこう強調したが、党内の亀裂は深く、本選に向けて挙党体制を築くのは容易ではない。トランプ氏の攻撃的で過激な言動は支持者に熱狂的に受け入れられた半面、多くの勢力を敵に回してしまったからだ。

 致命的なのは、トランプ氏の好感度の低さだ。世論調査で同氏に好感を持てないと答えた人は、政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した平均値で65・4%に達した。特に、不法移民排除の主張により、急速に増加するヒスパニック(中南米系)有権者を決定的に遠ざけてしまった。

 共和党内でも、かつてリベラル寄りだったトランプ氏に対する保守派の不信感は根強い。主流派も、ポピュリズム(大衆迎合主義)に満ちた現実味の乏しい公約を掲げるトランプ氏を積極的に支援するとは思えない。誰が候補であっても挙党体制の構築は簡単ではないが、トランプ氏の下で結束するのはより困難だ。

 今のところ、本選では民主党のヒラリー・クリントン前国務長官がトランプ氏に勝利するとの予想が多い。ただ、選挙は何が起きるか分からず、日本もトランプ氏が大統領になる「まさか」の事態に備えておく必要がありそうだ。

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