ワシントン・タイムズ・ジャパン
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人間の霊性を無視して尊厳性を失う

社会科学と故郷喪失

 社会科学は本当に人を幸福にするのか。戦争、飢餓、貧困、自然災害は克服されておらず、グローバル資本主義は現代文明の脆弱(ぜいじゃく)さをあらわにしている。

 経済学者も本質的欠陥に気付き、佐伯啓思は『近代の虚妄』(東洋経済新報社)を著し、中山智香子は『経済学の堕落を撃つ』(講談社)を書いて経済学を批判した。

 社会科学が生まれたのは西欧に近代世界が登場した時代で、学術用語も社会制度も他の文明圏に転用されていった。世界の西洋化はなぜ起こり得たのか。

 歴史学者オットー・ブルンナーは、母体の西欧中世世界を取り上げ、『中世ヨーロッパ社会の内部構造』(知泉書館)の中で、「第一級の社会的事実」として教会と世俗の二元性を挙げる。聖と俗の二つの世界は緊密に結び付いていて、中世中期の闘争の後、完全な姿を現した。


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