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衆院選2017~沖縄はどこへ向かうのか~

 まさに「国難突破解散」というに相応しい衆院選だった。投開票日当日は台風の影響もあり、全国各地が大荒れの天候となった。「国難突破」を彷彿とさせた。筆者は、風雨のなか、近くの投票所へ向かい、一人の日本国民として選挙権を行使した。結果は自公連立与党の圧勝に終わり、希望の党や日本維新の会などの保守系野党を含めて衆院の8割が「改憲勢力」という結果だった。

 さて、筆者は東京都に住民票を移しているので、故郷沖縄ではなく東京で投票した。しかし、故郷沖縄の選挙結果が気がかりであった。衆院選期間中に、米軍ヘリの不時着事故が発生したこともあり、「保守系不利」の情勢が伝わっていたからだ。結果、沖縄4区(糸満市、宮古市、石垣市など)を除く小選挙区すべてで野党共闘勢力(オール沖縄勢力)の勝利に終わった。幸いにして4区は保守系の自民党候補が当選したが、依然として沖縄では革新系が強いことを思い知らされる結果になってしまった。これは受け止めるべき事実である。

 さて、沖縄1区から3区は野党共闘勢力が勝利を収めたが、どれくらいの票差で勝利したのかを分析する必要がある。なぜなら、翁長県政が誕生した2014年の県知事選挙の結果をみると、決して翁長陣営の圧勝とは言えない結果だったからだ。ちなみに当時の結果は、翁長陣営が約36万票、仲井眞陣営が約26万票で、革新系の強い沖縄の政治風土を考えれば仲井眞陣営は“善戦した”と評価できる。

 では、沖縄1区の得票数を分析しよう。小選挙区において当選したのは、日本共産党の赤嶺政賢氏である。得票数は6万0605票。これに対して比例復活はしたものの小選挙区で敗北した国場幸之助氏(自民党)は5万4468票である。次いで、こちらも比例復活した日本維新の会の下地幹郎氏は3万4215票であった。赤嶺氏と国場氏だけをみても接戦といえる。同じ保守系である自民党と日本維新の会が沖縄で選挙協力していたとすれば、1区は保守系が勝利を収められた可能性は否定できない。

 次に2区および3区を見てみる。2区は社民党の照屋寛徳氏が自民党の宮崎政久氏を抑えて当選。しかし得票率をみると、58・94%の照屋氏に対して、宮崎氏は41・06%とこちらも接戦である。3区は、自由党の玉城デニー氏が勝利したが得票率は57・86%。これに対して自民党の比嘉奈津美氏は40・30%である。つまり得票率は6対4の割合での保守系敗北なのだ。沖縄マスコミは、「オール沖縄」が圧勝したかのように報じたが、得票率および得票数をみれば接戦している事実が浮かび上がる。沖縄マスコミにとっては“不都合な真実”だろう。

 これはあくまでも全国的な傾向なのだが、若い世代ほど安倍政権を支持する傾向にあるという。日本経済新聞の10月22日深夜の報道によれば、18歳および19歳の4割が自民党支持で、日本国内では「リベラル」と評される立憲民主党は高齢者に多く支持される傾向にあるという。わが故郷の沖縄は、革新系に染められてきた。しかし、得票率や若者の「保守主義的傾向」をみると、沖縄という美しい土地を革新系と呼ばれるコミュニストたちから奪還できる希望は見えてくるのである。

 これは筆者の持論ではあるが、沖縄が戦後レジームから脱却するためには、既存のマスコミから距離を置く若い世代が沖縄の中核を担う時代になったときに、初めて戦後レジームからの脱却が出来るのではないかと考えている。確かに、中国の脅威に晒されている国防の最前線の沖縄には、一刻の猶予もない。しかし、急いては事を仕損じるというように沖縄の保守層が拙速な啓蒙活動をしたところで、若い世代には響かない。世代交代を待つしかないというのが現実ではないだろうか。沖縄のかじ取りを担うのは、若い世代しかいない。

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