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総選挙で問われる自民党の本気度

 自民党には立党宣言や綱領と並んで政綱があり、そこには以下の6つの目標が定められている。
一、 国民道義の確立と教育の改革
ニ、 政官界の刷新
三、 経済自立の達成
四、 福祉社会の建設
五、 平和外交の積極的展開
六、 独立体制の整備

 それぞれの目標には詳細が付されているが、6番目の独立体制の整備には以下の文言がある。
「平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり、また占領諸法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う。

 世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える。」

 これらの政綱は、昭和30年に定められたものだが、いまだにホームページで閲覧できる現役の目標である。しかし、立党以来、ほとんどの期間、政権を握りながら安倍政権が誕生するまで、自民党はただの一度も本気で憲法改正を試みなかった。第一次安倍政権が「日本国憲法の改正手続きに関する法律(国民投票法)」を制定したことが、その証左である。憲法改正手続きの基本は憲法96条に定められており、国会議員の3分の2の発議と国民の承認が必要とある。しかし、安倍政権以前の自民党は、手続きの詳細について、一切触れようとしなかった。

 このような構造は、憲法改正に限らない。「国民道義の確立と教育の改革」についても、道徳を教科とすることなく今日まで過ごしてきたのは、他ならぬ自民党政権である。すなわち、安倍内閣を除く歴代の自民党政権とは、日本の野党がほとんど全て左翼政党や反日政党であること奇貨として、実現する気のない政策を掲げて、保守票をすべてさらっていくのが習い性だったのである。確かに、保守政党を自称し、補助金をバラまき、規制により参入障壁を築けば、自民党に所属する政治家にとって短期的利益は最大化するだろう。しかし、その手法こそが冷戦終結後、日本が世界から取り残された最大の理由だ。

 小泉元総理が最後まで国民から支持されたのも、安倍総理がマスコミのフェイクニュースにも抗して自然と支持率が盛り返すのも、方向性は違えども両氏が自民党には珍しく本気だからだ。自民党には、本気で党是を推進する勢力と保守のポーズを取るだけの勢力が混在している。それは、政権政党の宿命だろう。しかし、国民はポーズだけの保守政党に辟易している。大阪維新や都民ファーストという非左翼系野党が登場すると、地域で圧倒的な人気を博する現実が、それを物語っているではないか。

 安倍総理が解散の意向を固めたというニュースが広がっている。今秋の総選挙で憲法改正を掲げ、それを実現しなければ、自民党に国民が愛想を尽かす日は、そう遠くないかもしれない。

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