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3次内閣改造、謙虚に結果出し信頼回復を

 安倍晋三首相が自身の第3次内閣で3度目の内閣改造と自民党役員人事を行った。内閣では政権の屋台骨である麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させる一方、外務、総務など重要閣僚や先の通常国会で混乱を招いた法務、文部科学、防衛の各相に閣僚経験者を充て、初入閣は6人にとどめる手堅い布陣を敷いた。結果本位の「仕事人内閣」と自ら名付けたが、政権への信頼を回復できるかどうかは、国民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢で、結果を示すことができるかに懸かっている。

 おごりで失われた信頼

 首相は内閣改造後の記者会見の冒頭、学校法人「森友学園」への国有地売却、同「加計学園」の獣医学部新設計画、防衛省の南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報問題をめぐる混乱により、「国民の大きな不信を招く結果となった」と述べ、反省とお詫(わ)びのため頭を下げた。

 自民党が政権を奪還した2012年の衆院選以来、国政選挙4連勝。衆参両院で連立与党を含む改憲勢力が3分の2以上の議席を占め、党内でも表立って反対意見を言えないような空気が支配する「安倍1強」体制の中で、知らず知らずのうちに「政権の論理」が優先され「国民の論理」をないがしろにするおごりが蔓延(まんえん)したのである。

 野党第1党の民進党が政府に対する不満の「受け皿」になれなかったために1強体制は続いていたが、先の通常国会での政府の対応に国民の不満が爆発して内閣支持率が急落。そして、都民ファーストという「受け皿」が登場した都議選で自民党は歴史的な大敗を喫した。このような状況をどれだけ深刻に受け止めているかが問われるのが今回の内閣改造だ。国民はおごりや緩みが再度生じていないか注視している。首相は政権が浮上するための最後の機会と捉えるべきだ。

 もう一点、首相が強調したのが4年前の政権を奪還した時の「原点」への回帰だ。謙虚に丁寧に国民の負託に応えるために全力を尽くす。一つ一つの政策課題にしっかり結果を出すことで、信頼回復に向けて一歩一歩努力を重ねていく。その決意の下に内閣を改造した。言葉としては、これ以上ない回答だが、国民の心は既に言葉だけでは動かないところまで引いている。問題は今後の行動だ。

 いわゆる森友・加計問題、日報問題は当初から事の重大さを感知し、徹底的に状況を把握した上で、一貫した説明責任を果たし続ければ、これほど大問題にならなかったはずだ。まずは林芳正文科相や小野寺五典防衛相が早急に、そして丁寧に問題の解決に当たるべきだ。

 日本を取り巻く安保環境は北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の海洋進出、国際的なテロの拡散など、一時も油断のできない状況が続き、ロシア、韓国との間にも懸案が山積。国際的な通商環境も動揺している。

 財政再建など課題山積

 国内的にも、首相が最優先と明言した経済再生だけでなく、財政再建、少子高齢化対策、地方創生、1億総活躍、人づくりなどの課題は結果が求められている。施行70周年を迎えた憲法の改正も避けて通れない。

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