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誤報疑惑の新潮砲に負けた金子政務官にがっかり

 先週、週刊新潮(7月6日号)が豊田真由子議員に続き、金子恵美総務大臣政務官に狙いを定めた記事を掲載しました。「自民党魔の2回生」というシリーズタイトルが掲げられ、金子政務官の公用車使用疑惑について、またもや自民党議員の失態を暴いたかのように書かれていました。“ゲス不倫”で話題になった宮崎謙介元議員の妻とあって、金子政務官を取り上げれば自民党批判に繋がると思ったのか知れませんが、今回の記事は調べがずさんで強引なところがあり、誤報疑惑が浮上するほどのものでした。

●新潮目線だけでの記事
 週刊新潮は、国会が閉会した翌日の6月19日、金子政務官が公用車を使って息子を保育園に送迎していたことを細かくレポート。そして同日、千代田区内で母親とともに公用車に乗り込み、母親を東京駅まで送り届けていることも明かしています。概要だけみれば公用車の私的使用ではないかと疑いたくもなりますが、金子政務官のこの日の動きを合わせて見れば、私的使用とは言い切れないことが分かります。
 この日、金子政務官は、朝9時半に永田町の第2議員会館内にある「国会保育園」と呼ばれる東京都の認証保育園に息子を送り届けた後、戻ってきて、霞が関へと向かい、公務を行いました。それから午後2時半、公用車に母親と一緒に乗って東京駅まで送った後、また公務に向かいました。この日以外にも、息子を送り、夕方公用車で迎えに行き、一緒に議員宿舎へ帰宅しています。
 実はこの公用車の使い方はルール違反にはならないのです。「公務→私用→自宅」もしくは、「自宅→私用→公務」という、公務から自宅、自宅から公務に行くまでの移動手段内であれば、間に私用が入っていても総務省のルール内のことだと認められるということです。
 しかし、週刊新潮はそこの調べが甘く、ただ単に金子政務官の公用車の使い方を批判の的としたかったのではと疑いたくなるような記事の構成になっていました。金子政務官の公用車の使い方がバレたらまずいと国会関係者の間で噂になっていたことや、総務省の公用車に関する担当者の「家族を乗せること自体ダメだ」というコメントを載せたりして、公用車の私用疑惑を、事実にしてしまうような、新潮側の目線だけで書かれていました。
 これを受けて金子政務官は自身のブログで、「公用車の使用につき、常に総務省の運用ルールに則ってまいりました」と、公用車の使い方に問題がなかったことを明らかにしています。しかし、「公用車に家族を同乗させてよいのかというご批判に対し、改めて自身の行為を振り返り、真摯に受け止めたいと思います」ともコメントをしていました。
 報道番組などでルール違反ではない事実や、金子政務官のブログでのコメントなどを報道していましたが、金子政務官の行動には擁護する側と批判する側に分かれています。金子政務官と同じ働く母としての目線で、「出勤前に保育園に行って、その足で出勤することは普通のことだ」、「難癖にも程がある報道だ」、「議員会館内の保育園なのだから公用車で送迎する合理的必然性がある」と、擁護する声が多く上がっています。
 反対に、「自分たちは自家用車や自転車や公共の乗り物で送り迎えしているのに、公務をしているからといって子どもを公用車で送り迎えすることは納得できない」という批判の声もあります。批判の的となってしまった金子政務官は、今後、子供を公用車に乗せないようにすると報告をし、ブログ上での「公用車に家族を乗せてよいのかという批判は受け止めたい」という陳謝どおりの行動をとることに。今回の騒動には終止符が打たれたようですが、果たしてこれで日本の社会はいいのでしょうか?

●子育ても仕事の一環と言える社会に
 子供を保育園に預けて働かなければならない母親として、金子政務官の公用車の使い方は“全く問題ない”と私は思います。ルール違反ではないですし、公務をこなす身としてあてがわれている公用車を使って職場のすぐ側にある保育園に送り届けることは公務を効率的にこなすためにも必要なことだと思います。わざわざ自家用車で保育園に行き、その後、公用車を使うというのは非効率的です。本来であれば、ここまで騒がれることはなく、問題視されることでもないのですが、週刊新潮による疑惑報道により、金子政務官は非難の的となり、結果、これ以上金子政務自身も自民党も批判されないために、非難する側の意向に沿って公用車での送迎を今後はしないという決断を下したのでしょう。
 このような決断を下さざるを得ない日本社会の現状が残念に思えてなりません。舛添前都知事の公用車の私用化は誰もが納得できないことですが、金子政務官の使い方には擁護する側の声が多く、総務省側も問題はなかったとしているので、本来であれば金子政務官がこのような決断を下す必要はないはずです。しかし、そこには公務を背負っているからこそ非難する側の声を聞き入れ、これ以上、波風を立てないようにしなければならない背景があったのでしょう。
 とはいえ、子育てをしながら働く母親としては、強気な姿勢でいてほしかったです。子育ては私用だと捉えられますが、未来を担う世代を育てていると考えれば仕事の一部として認識されていてもいいのではないでしょうか。
 公用車で子供を保育園まで送迎することがルール内であることをもっと強調して、それも仕事の一環だと主張してくれたら、そういう考えを支持する人が増え、一般の企業でも保育園の送迎で遅刻する場合や早退しなければいけない場合も仕事の一環と捉えられるように、子育てしながら働く母親の見方が変わっていく可能性もあると思います。未婚の人や、子供がいない人などから非難する声が上がるかもしれませんが、働きながら子育てをする大変さを社会全体がもう少し理解して配慮してくれてもいいような気もします。世間の目が一番集まる政治家から変わっていってほしいところですが、
 まだまだ女性議員に対して男性議員からも世間からも風当たりが強いように感じられます。子育てと仕事を快適に両立させられるような社会になっていくためにも、母親だけでなく父親も共に課題を認識して立ち向かっていく必要があると思います。子育ても立派な仕事だと声を大にして言える社会になってほしいものです。

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