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東京都議選告示、五輪成功に向け堅実な選択を

 東京都議会議員選挙がきょう告示される。2020年の東京五輪・パラリンピック大会を担う重要な任期を懸けた選挙だ。また、二元代表制の地方自治体で首長の小池百合子知事が都民ファーストの会を結成して自ら党首に就任して挑むことから、知事の1年近い都政への審判となる性格が明確になった。東京都の有権者に責任ある1票を期待したい。

 小池都政1年への審判

 昨年の知事選で自民党が分裂し、小池氏が公認を受けずに出馬、当選した確執は都議会の構図を今回の都議選で塗り替えようとしている。小池氏の新党・都民ファーストの会は50人の公認候補が出馬する見込みで、連携する公明党候補者23人を推薦した。これに対し自民党は60人の公認候補で臨むとみられる。

 このため、都議選では都民ファーストの会と自民党との対決が注目されており、第1党の座をめぐり激しい選挙戦となろう。ただ、両党とも単独過半数の確保に必要な64に候補者は及んでいない。ここで、都民ファーストの会と同党が推薦する公明党候補や他の候補と合わせて過半数を得るかが焦点になる。

 中央卸売市場の築地から豊洲への移転問題をめぐっては、小池知事は豊洲移転後に築地市場を再整備し、将来は築地市場も「食のテーマパーク」として残す構想を20日に発表した。知事選後、豊洲市場地下の盛り土問題など環境対策の状況がつまびらかになっていなかった問題をめぐり、石原慎太郎元知事を証人喚問するなど百条委員会が開かれたが、築地市場再整備の予算上の採算性や豊洲市場の建物設備内での安全性などについての議論も深められた。

 その上で、自民党は早期の豊洲移転を主張。公明党も都民ファーストの会と協力しながらも豊洲移転を公約している。築地再整備を主張しているのは共産党だが、小池知事は築地市場再整備と豊洲移転を折衷した構想を示している。

 築地市場は人々に長年の愛着があるが、問題は老朽化と狭隘(きょうあい)化であり、再整備の予算規模がかつて都が諦めた経緯があるほど高額な予算だが、より具体的な計画と財源の積算根拠を示す必要があろう。

 五輪をめぐっても予算が掛かる。都は550億円の都の負担を試算しているが、ここに都外会場の経費350億円は含まれていない。また、小池知事と公明党の連携の呼び水となった私立高校の授業料無償化でも都の負担は増すことになる。各党候補者の公約はバラ色の都政を描くが、堅実な都政運営を図らなければやり繰りできない状況が生まれかねない。

 さらに首都警察の警視庁を擁する都政で重要性を増しているのがテロ対策だ。訪日観光客が増加しており、五輪開催時にはさらに増えると予想される。一方で中東・欧米諸国から東南アジアまでテロが拡散している状況は対岸の火事ではない。

 テロ対策も選挙の焦点

 国政において共産党や民進党は「共謀罪反対」を叫び、デモや集会を繰り広げたばかりだ。「テロ等準備罪」法が制定されたところ、テロ対策への方策も選挙の焦点となろう。

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