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衆院補欠選挙、政権選択の争点を占う前哨戦

 衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙が告示され、23日の投開票に向けて選挙戦に入っている。7月参院選後に展開した動きである東京都知事選、内閣改造、民進党代表選を経てから初の国政選挙であり、次期衆院選の前哨戦としても注目されている。補選とはいえ政権選択にふさわしい争点を掲げて論戦を展開してほしい。

地方政治が大きく影響

 今回の衆院補選は地方政治の事情が大きく影響する選挙となっている。このため、外交、安保、経済、社会保障、教育などの国政課題の議論がかすみがちだ。その一方で、勝敗如何(いかん)によって次期衆院選の時期が年末か年明けに予想されるなど、選挙の争点が深まらないまま政治的な思惑を遂行する手続きともなりかねない。

 まず、東京10区は、小池百合子東京都知事が衆院議員を辞して都知事選に出馬したことに伴う補選だ。小池氏は自民党に所属しながら処分覚悟で出馬し、同党推薦候補と分裂選挙を演じて当選した。同党都連との軋轢(あつれき)を残しながらも8月の同党役員人事・内閣改造で新たに就任した二階俊博幹事長は、都知事選で小池氏を応援した自民党前職の若狭勝氏に候補を一本化する調停を行って公認した。

 若狭氏は「クリーン」を掲げて選挙を戦うが、これは築地市場の豊洲移転問題に徹底調査でメスを入れて、都政与党でもある自民・公明の地方政治に衝撃を与えている小池知事に倣ったものである。世論調査では小池知事の手腕への期待は高いが、都政をめぐる与党政治の在り方の是非を国政選挙で与党候補が訴える矛盾はないのか。小池知事の応援は百万の味方に匹敵するとしても、国政与党としての公約を前面に訴えていくべきであろう。

 また、福岡6区は鳩山邦夫衆院議員死去に伴う補選だが、自民党は候補者を一本化できず、邦夫氏の次男・鳩山二郎候補、10日に同党県連会長を辞任した蔵内勇夫県議の長男・蔵内謙候補と分裂し、いずれにも公認を見送っている。当選した者を追加公認する方向だが、かつての中選挙区制度と同様に公約や政策での競い合いとはいかない事実上、自民党同士の争いだ。

 対する民進党にとっては、9月の代表選で蓮舫代表を選出してから初の国政選挙となる。東京10区で新人の鈴木庸介候補、福岡6区で新人の新井富美子候補を擁立し、共産、生活、社民の各党が支援する野党共闘で挑む。補選ながら衆院選での共闘関係は、政権選択としての連立の枠組みを示唆しており、軽く見ることはできないだろう。

現実的な政権構想示せ

 このような基本政策棚上げの共闘を組むのは、民進党が民主党時代からの退潮傾向を夏の参院選で食い止めることができなかったからだが、その分、自民党内から東京都政に新風を吹かせようとする改革の動きが起こり、また福岡では民進党候補の存在を恐れず2人が無所属で立候補している。

 民進党は共産党との連立を連想させる野党共闘よりも、現実的な政権構想を示しながら今回の衆院補選に挑み、野党第1党の面目躍如としてほしい。

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