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シールズの実態、背後に共産党系民青関係者

創設の主力は愛真高校出身者

 安保関連法に反対する国会前抗議行動や反対団体などへの呼び掛けによるデモの主催などで注目された若者のグループ「SEALDs」(シールズ:自由と民主主義のための学生緊急行動)が勢力を拡大し、夏の参院選に向けて安保関連法成立に尽力した議員らを落選させる運動を展開する見通しだ。さらに、「学者の会」やシンクタンクの設立にも加わるなど活動の幅も広げている。「シールズ」とは何か、実態を探ってみた。(シールズ取材班)

勢力拡大に強まる警戒

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SEALDsの街頭演説会の様子を2015年10月19日付1面トップで報じる日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」

 シールズの発足は昨年の憲法記念日の5月3日だ。もともとはリーダー格の奥田愛基氏(明治学院大国際学部4年)が2012年に結成した反原発グループの「一時的自主管理区域」(TAZ)が発端となり、翌13年の「特定秘密保護法に反対する学生有志の会」(サスプル、SASPL)に衣替えし、解散を経て名称変更してシールズとなった。

 組織の特徴は、創設・主要メンバーに奥田氏と同じキリスト教愛真高校(島根県)の出身者が多いことだ。

 「シールズ首都圏」の主要メンバーには、奥田氏のほかに、牛田悦正氏(明治学院大)、本間信和氏(筑波大)、栗栖由喜氏(国際基督教大)、桑島みくに氏(横浜市立大)、小倉万穂氏(フェリス女学院大)、長棟はなみ氏(恵泉女学園大)らがいる。「シールズ関西」には、寺田ともか氏(関西学院大)、山口晶子氏(神戸女学院大)らが主力メンバーとなり、活動をリードしている。

 愛真高校は、1988年、シールズ創設者の一人の本間信和氏の祖父が設立。少人数の全寮制で左派傾向が色濃く、日本の戦争の「加害性」や慰安婦問題、沖縄米軍基地反対などを平和学習と称して学んでいる。現在の栗栖達郎校長もシールズ主要メンバーの栗栖由喜氏の父親で、左派系誌「市民の声」に掲載された安保法制批判の意見広告に賛成の署名をしている人物だ。

 注目すべきは、組織を立ち上げた愛真高校出身者が活動の前面に出ているものの、その背後に日本共産党の若手の下部組織である民主青年同盟(民青)関係者がいることだ。「首都圏」には、元民青系全学連中央執行委員長の加藤友志氏(東京学芸大)や、民青北海道札幌白石厚別地区委員会の西穂波氏(浪人)が、「関西」には民青京都府委員会の塩田潤氏(神戸大学院)が加入している。

 民青の規約には「日本共産党綱領を学び」「日本共産党を相談相手に、援助を受けて活動する」ことが記されており、シールズが街宣活動のために日本共産党直系の全労連の宣伝カーを使ったことがあったのも「両者に緊密な関係がある」(政府関係者)からだという。共産党機関紙「しんぶん赤旗」は活動を好意的に時々掲載。自民党に対抗するために野党の統一候補を出すべきだとのシールズの呼び掛けも、日本共産党の主張のタイミングと一致していた。

 シールズ側は、綱領、規約や代表もなく、特定組織とは一線を画しており、ネットで集会参加などを呼び掛け、自主的に集まってくる若者たちとラップ調の音楽や踊りで活動をしているとの見解だ。共産党だけでなく、民主、維新、社民、生活の党とも共同で街宣することもある。だが、「実態はノンセクトを装った民青の若者に操られながら一般の若者たちの政治への関心を高めて動員を図っているものとみられる」(同)のだ。

 今後は参院選に向けて安保関連法に賛成した保守系議員の落選運動を展開するとともに、「野党は共闘」のコールを連呼して野党統一候補擁立の機運を高めていく見通しである。また、昨年12月14日には、シールズと「安保関連法に反対する学者の会」が、大学生、学識者、弁護士らが参加する民間シンクタンク「リデモス」の設立を発表し、立憲民主主義促進法案の提言に向け研究をスタートさせるなど活動の幅を広げている。さらに、「首都圏」(動員力250人)「関西」(同200人)だけでなく、「東北」「東海」「沖縄」にもシールズの組織を立ち上げるなど勢力は着実に拡大しており警戒を求める声が強まろう。

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