ワシントン・タイムズ・ジャパン

衆院選で負けた立民・共産にエール送る毎日、鋭く敗因指摘する新潮

立憲民主党の衆院選投開票センターの枝野幸男代表=10月31日夜、東京都港区、(竹澤安李紗撮影)

立憲民主党の衆院選投開票センターの枝野幸男代表=10月31日夜、東京都港区、(竹澤安李紗撮影)

維新が希望の票奪う
 衆院選は野党共闘した立憲民主党と共産党が負けた。サンデー毎日(11月21日号)はこれを「リベラル敗退」という。そこで応援に出た。「リベラルよ、負けて強くなれ」とエールを送っている。

 同誌コラムの「倉重篤郎のニュース最前線」で経済評論家の佐高信と東京新聞記者の望月衣塑子が対談し、それをトップ記事にした。

 立民は小選挙区では9議席増やしたものの、比例区を含めた全体では14議席減、共産党も二つ減らした。希望の党の票が行き場を失い日本維新の会に持って行かれた。ここに食い込めなかったのが「致命的敗因」だと倉重は言う。

 つまり「リベラル保守支持層へのリーチが届かず、そこを主に維新に掻っ攫われた」というわけだ。さらに「共産との共闘を嫌う連合との関係が最後までギクシャクしたのもマイナス」という分析である。

 一方、米中対立が高まる中で、「日本国民の命と財産をどう守るのか。政治に最も要求されるこの問題への解がない」とし、「これでは政権選択選挙に耐える政党とは言えない」と。至極まともなことを倉重は言っている。

 佐高と望月の対談ではメディア自体がやり玉に挙げられた。「総裁選一色の報道」だったと佐高は言う。「ワイドショーの衆院選放送時間が総裁選の4割減だったと、朝日が報じていた」と望月も紹介する。

 菅義偉首相辞意、総裁選へ突入、4人が立ち、党風一新の会の登場もあり、派閥縛りをやめて、政策論争が展開された。そしてそのままの勢いで衆院選に突入した。野党にしてみれば、この間メディアジャックされ、立民共産共闘の説明が十分できなかったと“言い訳”もしたくなる。岸田文雄新首相による間髪を入れない解散に、野党は追いつけなかったわけだ。

 両氏の対談でも、連合、外交・安保政策、希望票への対処が指摘され、さらに「枝野幸男代表、福山哲郎幹事長ラインにある種のパンチがなかった」(佐高)とまで言われている。「強く」ならせる要素がなかなか見つからない。立民の次の代表に落選した「辻元(清美)氏を」(同)とは、もはや悪い冗談だ。

暴力革命捨てぬ共産

 週刊新潮(11月18日号)は敗者を応援などしない。立民が負けた要因を「政党の地力や実力であり、そこで浮き彫りになったのが立民の未熟さ」と政治アナリストの伊藤惇夫は同誌に語る。「醜き野合『立憲民主党&共産党』はもういらない」の記事でだ。

 その中で作家の佐藤優は言う。「結局のところ、立民は共産党との選挙協力について足し算だけを考え、引き算は頭になかった。1万~2万票とされる各小選挙区の共産票を取り込めると計算しながらも、それによって失うものの大きさを理解していませんでした」と。卓見である。

 同誌はその「共産党を語る上で避けて通れない問題」として、選挙前に議論となった「敵の出方論」を挙げた。つまり、公安調査庁の見解によれば、共産党が目指す「革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方による」とし、「暴力革命の可能性を否定することなく、現在に至っている」ということだ。

 佐藤は、「日本共産党は(略)コミンテルン(国際共産党)の日本支部として(略)創立100年を迎えます」とした上で、「発足当時から革命を放棄したことは一度もありません。共産党はいまも社会主義・共産主義社会を目指す革命政党なのです。その危険な本質を最も理解していないのが、他ならぬ連携相手の立憲民主党であることは、皮肉という他ありません」と指摘する。これは重要だ。

負けても強くなれず

 同誌は「共産党との関係を解消しない限り、眼前に広がる道の先に“政権交代”というゴールは見えない」と断じた。サンデー毎日の記事には絶対に出てこない見方だ。やはり、いくら負けても、強くはなれない、としか言いようがない。(敬称略)

(岩崎 哲)

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